フォロワーさんの小説の一節を、万年筆で書いてみた
まず初めに
この記事は、2022年8月6日にTumblrで載せた記事をそのまま載せ、少し修正・加筆を加えたものになります。ご了承ください。
書こうと思ったきっかけ
きっかけは、万年筆とインクにドはまりしたのがきっかけだった。お題に沿って書くのも好きだが、小説の一説を書いたみたいと欲が出た。もちろん、小説の一節から、書いたものもある。だが、私はこう思ったーー「フォロワーさんが書いた小説の一節を書きたい」と。
幸い、フォロワーさんの中に、「一節書いてもいいよ」とおっしゃってくださったため、ありがたく書かせていただいた。本当に頭が上がらない。
そこで、いくつか書いたものを載せていきたいと思う。
1つめ
こちらは、平麦さん(Twitter: @matcha_level3)のお話『月予報』から、一説をお借りしたものだ。このお話を読んだとき、パッと見て宇宙っぽい色を使いたいと思った。全体的に青色でまとめつつ、月の色だけ変えたので、何も万年筆のインク単色だけで書く必要はなく、自分の中で新しい発見だった。
【作者とお借りしたお話】
平麦さん(Twitter: @matcha_level3)
『月予報』
【使用したもの】
万年筆:PILOT kakuno<EF>
SAILOR ハイエース ネオ クリア万年筆 <F>
TWSBI ECO STUB1.1インク:薫月文具堂 DREAM INK 夏日鳶尾 (サマーアイリス)
川崎文具店 【色彩語・百鬼夜講】序章「三途川」、大垣セピア
寺西化学工業株式会社 ギター大正浪漫ハイカラインキ
「モダンレッド」、「サロン ド バイオレット」用紙:(株)あたぼう ふたふで箋(碧翡翠)
2つめ
2つ目は、清竜さん(Twitter: @seiryukingdom )のお話『緑影騎士─聖騎士の帰還─』から、一説をお借りしたものだ。ありがたいことに、ご本人様から指定をいただいたので、「ネタバレにならないところ探して、この部分でいいか許可をもらわないといけないかな……」と懸念していた私は、思わず頭を下げた。
冒頭の文章を読んだ時、舞台が森であったこと、そして騒めく森の中で物語が始まりそうなことから、黄緑色の万年筆で記載した。全体的に見えにくいが、今回使用したこのインク、実はラメが入っているのである。
【作者とお借りしたお話】
清竜さん(Twitter: @seiryukingdom)
『緑影騎士─聖騎士の帰還─』
【使用したもの】
万年筆:TWSBI ECO STUB1.1
インク:川崎文具店 「輝歴七十位候 蟷螂生」
用紙:(株)あたぼう ふたふで箋(港煉瓦)
3つめ
3つめは、Usterさん(Twitter:@Uster1525)さんが執筆したお話『嘗ての眠れる森の美女へ』から、一節をお借りした。このお話はPrivatterで投稿しているため、フォロワー以外の方は読むことができないので、ご了承いただきたい。
しかし、文章を読み進めていくうちに、あることに気が付いた。私の勘違いでなければ、このお話に出てくる登場人物は、Usterさんがよくお話してくださるキャラではないかと推測し、そのキャラの設定等を踏まえたうえで、便箋と赤色のインクを選択した。
【作者とお借りしたお話】
Usterさん(Twitter: @Uster1525)
『嘗ての眠れる森の美女へ』(※フォロワー限定)
【使用したもの】
万年筆:PILOT kakuno<EF>
インク:寺西化学工業株式会社 ギター大正浪漫ハイカラインキ
「モダンレッド」用紙:(株)あたぼう ふたふで箋(碧翡翠)
4つめ
4つめは、Irishさん(Twitter:@Irish1105p)のキャラシートから印象に残った文章をお借りしました。Twitterは鍵が付いているため、全体を見ることはできないのはご了承いただきたい。
とはいえ、某交流ゲームから創作までお世話になっている創作キャラなので、これからの彼の歩む道を見守っていきたいと思う。
【作者】
Irishさん(Twitter: @Irish1105p)
【使用したもの】
万年筆:PILOT kakuno<EF>
PLATNIUM PROCYONインク:SAILOR INK BLACK
寺西化学工業株式会社 ギター大正浪漫ハイカラインキ
「モダンレッド」
川崎文具店 【色彩語・百鬼夜講】序章「三途川」用紙:(株)あたぼう ふたふで箋(碧翡翠)
5つめ
5つめは、色杷さん(Twitter:@Uster1525)さんが執筆したお話『エルツァー童話』から、一節をお借りした。彼女が書くお話はたくさんあったのが印象的で、当時を振り返りながら読み返したら、あるお話が目に付いた。そう、「にんぎょの おうじさま」である。
このお話を見たとき、おとぎ話をみているような、だけどどこかほの暗い印象を抱いた。人魚ということもあり、個人的に印象深く残っているお話だったため、暗めの藍色で記した。
【作者とお借りしたお話】
色杷さん(Twitter: @Uster1525)
『エルツァー童話』 Epic.2 【にんぎょのおうじさま】
【使用したもの】
万年筆:PILOT kakuno<EF>
インク:川崎文具店 【色彩語・百鬼夜講】序章「三途川」
用紙:(株)あたぼう ふたふで箋(港煉瓦)
6つめ
リエ馨さん( Twitter:@BNdarkestdays )の執筆するお話『在るべきところへ』から、一節をお借りした。冒頭部分ではあるが、登場人物の特徴は黄緑、要所となる部分は赤色で記載したが、ポイントになったのかなと思うと、これは一つの表現でもあると感じた。
【作者とお借りしたお話】
リエ馨さん(Twitter: @BNdarkestdays)
『在るべきところへ』
【使用したもの】
万年筆:TWSBI ECO STUB1.1
PILOT kakuno
PLATNIUM PROCYONインク:川崎文具店 「輝歴七十位候 蟷螂生」
SAILOR INK BLACK
寺西化学工業株式会社 ギター大正浪漫ハイカラインキ
「モダンレッド」用紙:(株)あたぼう ふたふで箋(港煉瓦)
最後に
正直に言おう――これは楽しい。文字を書く楽しさ、どの部分を色を変えたらいいのかなど、考えるだけで楽しい。今回はあたぼうステーショナリーさんの飾り原稿用紙で書いたけど、選ぶのも迷った。だがそこが楽しい。今度、真っ白な紙に書いたら、どうなるんだろう。きっと表現は無限大だろう。
同時に、「やはり人様が見るんだから、文字は丁寧に書かねば……」という緊張感が芽生えた瞬間であった。
余談ではあるが、この時の私は、創作に行き詰っていた状態だった。そのため、少し皆さんのお話を読んで、人の数だけ表現は無限大であること、同じ系統でもその人にしか出せない味があると学んだ。
今もなお、お話を書くときは「これでいいのだろうか」と悩むことはあるが、この気持ちを忘れずに、自分なりに進めていきたい。書かせていただいたものを見て、そっと決意した。