#1 僕たち夫婦はとことん仲良しでいこう。
「へ〜!もう結婚したの?もったいないねえ」
「もっと遊べたのに」
「家に帰ったらご飯が待ってる?別に終電で帰ったあとに食べればいいでしょ」
どうしてそんな不思議なことを言うのだろう。
会社員時代先輩たちに言われてきたことに、いまだにそう思う。
僕には結婚して5年目の妻がいる。
2015年結婚、当時25歳。小学校の同級生の中で3番目に早い結婚だった。できちゃった婚を除けば最速だ。
「ちょっと風変わりな人」ということにされていたと思う。
会社から一目散に走って帰ったし、てづくり披露宴を作る為に前後二日も有休を使った。
その会社をやめる理由も夫婦世界一周旅行のためだった。
でも、風変わりかどうかはおいといても、世間はとても生きづらかった。
夫婦のあり方も、愛し方も、楽しみ方もまるで世間と違うかのようだった。
世間でいう夫婦観は「いかにそつなく」「だまして」「いい感じに」生活するかのスキル集で溢れている。
たまに共感できそうな文章を見つけてホッとしても、その人のかもす空気が文章と全く違ってとげとげとしていたりして、とてもつらくなったりした。
しまいには夫婦自体があるべきか否かという話しにもなってきて、そもそもの夫婦のあり方も違うのにひっちゃかめっちゃかだ。
僕は妻と一緒にいることが楽しかったし、なにより妻と一緒にいる自分が一番好きだった。
飲み行っても「ああやっぱり早く家に帰りたい」と思っていたし、2人で一緒に作った家ほど居心地のいい場所なんてなかったからだ。
その感覚は5年経っても変わらない。
愛しているとか、恋しているとかでは表現できないような、そういうものが夫婦にはあると思う。
・・・
ベターハーフという言葉がある。
「魂の片割れ」という意味があるが、もともと1つだったものが2つにかけたもの。貝合わせのように2つとしてないものが、ベターハーフ。
血の繋がっていない他人でありながらも、半分自分のようなもの。それが僕たちにとっての夫婦。
僕たちはその考えを「US」と呼んでいる。
きっと世の中には、夫婦の生活のあり方を説明書のように覚えることでうまくいく夫婦もいるし、僕たちのようになんでも共有して、足りないところを補って生きていくしかない夫婦もいる。
後者のような人たちの声は、僕たちが共感できる人たちが少ないように、まだまだ世の中に少ないように思う。
だから、僕は日々の暮らしの中で感じた「夫婦のこと」をnoteで発信してみようと思った。
僕たちが仲良しでいることがそんなに不思議なら、とことん仲良しでいられる理由を書いてみようじゃないかと思う。
でも、ただ「夫婦」というくくりでは、あまりに広すぎて言えることもないような気がする。
だから僕と妻に共通する価値観でソートをかけることにした。
ぼくたちは「ものづくり」を軸に生きている。
妻は紙づくり、僕は執筆や講演。
ときどき、家を作ったり、陶器を焼いたり、書を嗜んだり、植物も野菜も育てるし、燻製もするし。
必要に駆られてれば、多分僕たちはなんでも作る。そういう2人だ。
ものをつくっていなければ生きられないし、ものを作ることで人生が作られていくような、そんな人間どうしが結婚し、生活する上で得た学びを発信する場。
この場をものづくり夫婦学と名付けることにした。