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ELDEN RING(エルデンリング)「ホスローは血潮で物語る」のはなし

※この記事にはディアロス、小壺、アレキサンダーのイベントに関する重大なネタバレが含まれます。また、断片的な情報を元にした考察ですので、公式の設定とは異なる可能性があります。

 2022 3/17のアップデートにて追加されたディアロスと小壺のイベントについて、この記事ではまとめたい。

 アップデートでイベントの続きが追加されるまでは、ディアロスは火山館で会ったのを最後に消息を絶っていた。それまでの流れを簡単にだが振り返ってみよう。

 彼は初期から円卓にいる割には目立ったイベントが無かったため、忘れてしまっていたプレイヤーもいたかもしれない。「従士のラニアを探している」という趣旨の話をしてくるキャラクターである。
 その後、リエーニエにある学院の門前町で再会する。従士のラニアは何者かに殺害されており、ディアロスはその復讐を誓うのだった。円卓で会話をしたのち、彼は火山館に現れる。

 「…貴公、もし知っていたら教えてくれ 排律者、同胞を狩る褪せ人…、その唾棄すべき連中の隠れ家を 奴らは私の従士に、ラニアに手をかけた。その報いを受けさせねばならん 「ホスローは血潮で物語る」このディアロスが、それを思い知らせてやる」

 この台詞からディアロスは、ラニアを殺害した犯人が褪せ人であると考えていることが分かる。そして火山館こそ、褪せ人が褪せ人を狩る、同胞狩りの本拠地である。そこへ潜入するというのが彼の目的のようだ。

 しかし、火山館でディアロスはあっさりその目的を反故にしてしまう。
 タニスに「英雄になれる」とおだてられ、そそのかされてしまうのである。

 先述の通り、火山館のモットーは同胞狩り。つまりは褪せ人の中の裏切り者であり、相当な覚悟がなければ進めない道だろう。
 最初は意気揚々としていたディアロスも、段々とその罪深さに気づきはじめ、やがては耐えられなくなり失踪してしまう。

 ここまでがアップデート前のディアロスの行動履歴である。

 追加されたイベントでは、ディアロスは火山館での失踪後、リエーニエの壺村に出現する。小壺のイベントとリンクしており、彼に話しかけることが出現の条件となる。
 そして意外なことに、ディアロスは新しい“壺師”として壺村に登場するのである。壺師とは、壺の世話をする役割の者とのこと。

 小壺によれば、壺師の条件は“手がスベスベであること”らしい。試しに主人公の手を見せてみると、ゴツゴツしているため壺師にはなれないと断られる。逆に、ディアロスの手はスベスベであるとも言われる。

 このことから、ディアロスはあまり戦い向きの男ではないことが分かる。

 主人公の手がゴツゴツとしているのは、それだけ武器をふるう機会が多いからである。戦う回数が多ければ多いほど、武器を使う回数は多くなる。手にはマメやタコが出来るだろうし、怪我によるキズも増えていくだろう。ゴツゴツしていくのは当たり前である。

 ディアロスの手がスベスベとしているのは、それだけ戦う機会が少なかったことの証左であろう。武器もあまり扱い慣れていないのではないだろうか。

 イベントを進めると、壺村の壺たちは密猟者に狙われていることを伝えられる。密猟される理由については、以下のアイテムが詳しい。

 善良な壺たちを狩り、その破片を用いた技
 堕落した調香師は、壺の密猟者と通じている
 

―鉄壺の香薬のアイテム説明文

 主に調香アイテムの素材として珍重されているようである。

 イベントを最後まで進めると、この密猟者たちとの戦いでディアロスは命を落としてしまう。壺たちを守るため、彼は必死に戦ったのである。
 その姿に感銘を受けた小壺が、ディアロスのような戦士になることを決意してこのイベントは終わる。「ホスローは血潮で物語る」という台詞とともに。

 「…ホスローは血潮で物語る。お兄ちゃん、僕はきっと、そういう戦士になるよ。いくじなしでも、みんなを守れる英雄に」

 ここでディアロスの使う武器の説明文を見てみよう。

 出血を強いるという説明や、武器自体に出血効果が付いていることから、
 おそらく「ホスローは血潮で物語る」の本来の意味は、

 敵を傷つけ、出血させること、その出血量。倒した敵の数のこと。

 を指して“血潮”と呼んでいるのだと解釈できる。つまり敵を傷つけ倒した数を誇るという、かなり攻撃的な意思表示である。

 そこにディアロスと小壺のイベントを経験したことで、

 血脈のように遺志が受け継がれること。意思を引き継ぐこと。

 という意味が付け足されているように感じられる。

 ディアロスから学んだことを実践すること、体現することを指して「血潮で物語る」と呼んでいるのではないかと思われるのである。

 無能というレッテルを貼られながらも、最期に小壺へ大切なものを残すことができた。その意味では、ディアロスは立派な戦士と言うにふさわしいだろう。


 壺の習性として「自分が強者と認めた者の遺体を中に収納する」というのがある。

 なかには以下のように、壺の中身になることを目標としていた男もいたぐらいである。

 ディアロスの遺体も、恐らく小壺の中に入っていると思われる。ちなみにアレキサンダーの中には、ラダーンと思しき遺体が入っていたことが以下のアイテムから分かる。

 また、ディアロスには兄がいたことも分かっている。名前はユーノ・ホスロー。“有能”なほうのホスローというわけである。皮肉がききすぎている。

 ディアロスがあまり優秀でなかったおかげで、跡継ぎ争いが起きずに済んだということらしい。

 火山館で英雄と言われて舞い上がっていたディアロスに対し、兄はこの冷静さである。どこまでも対照的な兄弟といえる。

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