≪ネタバレあり≫WHO is ASKA!?ツアー初日公演@八王子
ASKA CONCERT TOUR 2024<<2025 -WHO is ASKA!?- が21日、J:COMホール八王子からスタートしました。
毎度同じことを言うようだけど、前情報一切なく、まっさら新鮮な気持ちでライブを存分に味わいたい。そんな欲から少なくともASKAさん復帰後のライブは全ツアー初日を見ています。今回「も」、無事見ることができました。
今ツアーは、事前にご本人自ら「90年代のエンターテインメント、にぎやかなライブ」を作ってみたい、と公言されておりました。からの「あれをやりたい」発言。私の脳内に浮かぶ「あの」シーンはただ一つ…。
90年代といえば、音楽業界全体が“黄金期”と呼ばれた時代です。そこをまさにリアルタイムで一緒に歩き、享受し続けてきたのは本当に贅沢で貴重でありがたいことだったのだと、いまあらためて実感しています。
そんな90年代がよみがえるようなステージとは?
毎回初日は何が出てくるか、何が起きるか楽しみで仕方がないですが、今回特に期待でいっぱいでした。
BGMがフェードアウトし、照明が落ちた後。
ラフな格好でピアノの前に座るASKAさんがスクリーンに映し出されます。ぽろぽろと弾き始め、歌うは私がASKAソロ曲の中でも5本の指に入るほど大好きな『草原にソファを置いて』。
オープニングを飾るなら、華やかだったり軽快なテンポだったり、前奏から観客を引き込むようなエネルギッシュな曲を持ってくるのだろうという想定は完全に覆されました。いい意味で。なにせ大好きな曲。しかもASKAさんの声とピアノオンリーのシンプルな音。歌のうまさと曲の良さが際立ちます。最高っっっ!
…とじんわり浸っていると、ツアータイトルWho is ASKA!?の文字が映し出され。はじけるような明るい照明とパワフルな楽器の音が目と耳に飛び込んできました。
『GUYS』です。
私の中でひそかに「1曲目ありえるんじゃないかリスト」に入れていたうちの1曲。「やった!見事当たった!」という喜びとともに、一気に93年ころのチャゲアスライブがよみがえりました。それこそ、DVDが擦り切れるほど見まくったSPECIAL EVENT 1993 GUYS 夢の番人でもオープニングを飾った大好きな曲。衣装こそ違えど、そして何より年齢も違うけど確かにそこには「チャゲアス」のASKAがいました。
ライブで聴くのはかなり久しぶり。とはいえやっぱり、あれほど観た聴いたパフォーマンスは体にしっかりと染み込んでいるようで。サビの振りとかも自然と手が動きました。私含め、そんな人たちがとても多かった印象です。ラストのYeah,yeah,yeah,yeah…まで一緒に歌えて幸せ❤
90年代ど真ん中の曲から始まったステージ。流れるようにリズミカルなドラム音。「待たせたね~」の一言! そしてサックスのなじみの旋律が響き渡りました。もう、身体が勝手に動いてしまいます。『Love Affair』。
会場は大興奮。軽快にリズムに合わせて体を揺らしながら手拍子するファンたち。お決まりの合いの手。
「ああ…チャゲアスのステージだ…」。
もちろんうれしいし興奮してるし何より楽しいのですが、ASKAソロライブを見ている、とは全く違った感覚に身を包まれていました。
大盛り上がりの中、間髪入れず聞こえてきた次の曲はまさかの『HANG UP THE PHONE』!
なぜまさかの、というと、あまりに「あまりな」ラインナップだから。
こんなにも“ライブで盛り上がるの必至チャゲアス代表曲”が3曲も続くなんて。
かつ丼、からの天丼、さらにうな重みたいなてんこ盛り甚だしいセトリが冒頭から3連続なんて、想定外もいいところ。
もちろん大好きな曲だし、何なら「歌ってほしい・歌ってくれるかも」リストに入れていた曲でもあったからすっごくうれしかった!
何度か書いているかもしれませんが、私にとって初チャゲアスライブは1995年のCONCERT TOUR'95~'96 SUPER BEST 3 MISSION IMPOSSIBLE。
初めて歌い、動く彼らのパワーを体感できたこの時の感動は今でも覚えています。このライブの中でも印象的な演出だったこの曲を、しかもオリジナルバージョンで聴けた喜びは想像以上でした。
ASKA CONCERT TOUR 2019 Made in ASKA - 40年のありったけ -あたりから、確かにASKAソロ・チャゲアス曲の境なく彼から生み出された曲すべてを対象に「今」聞いてほしい、歌いたい“ありったけ”を見せてくれているASKAさん。
とはいえ、こんなにも大盤振る舞いなセトリでぶっ飛ばすなんて。
わずか3曲を終え、すでに放心状態に近かったかもしれません。
MCに続き、今やもう耳になじんだソロバージョンの『Love Song』。
ここまできたら、もうこちらもチャゲアスオリジナルバージョンで歌ってくれたらな…なんて淡い期待は泡と消えました(笑)。
これもファン以外の方もたくさん足を運ぶライブという場所において“名刺代わり”の名曲だよね。
ここでわが耳を疑いました。
ASKAさんの掛け声とともに『BROTHER』。
本当に本当に今回は90年代をベースとしたチャゲアスライブの再演なんじゃないか、って思ってしまうほどにTHEチャゲアスなセトリたち。
もう…この世代をリアルタイムで生きてきたファンにとって、こんな贅沢なタイムトリップ体験はありません。時間は「今」しか存在しないのに、確実に「今」が「90年代」になった感覚というか(伝われ)。
サビに合わせた懐かしの手振りも、思い出すものだねぇ。ちゃんとやりましたよ。
ガットギターの音色でフラメンコ調の旋律が聞こえてきます。例のあの曲の定番メロディーではないけれど、それっぽい…そういえば今回バンドメンバーに古川さんいらっしゃらないよね…?そんなことが脳裏に浮かんで消えるその前に明らかになりました。『Girl』です。個人的に入りの旋律、めちゃ好みでした。
ようやく(?)ASKAソロの定番曲。ソロライブではわりとセトリ入りすることの多い曲だから、これをまた歌うなら別の曲も聞きたい、と比較的候補後回しにされがち(自分比)。でもやっぱり名曲然とした堂々たる姿に、今回入るべくして入った1曲なんだろうなって納得感が強かったです。
穏やかな語りから入るとても特徴的な曲『未来の人よ』。
6年前にリリースされたこの曲がもうすっかりと懐かしかった。
このフレーズが特に好き。
『めぐり逢い』もASKAソロカバーバージョン。
このあと入りを間違った?忘れてた?(笑)「あれ?俺だった?」って😆
気を取り直して『プラネタリウム』。別名「幸せすぎて憂鬱ソング」。
この曲、特段高いキーってわけではないんだけれどちょうど歌いづらい高さなのかな?時折上がりきらないフレーズもありました。
サックスの切ない音色で始まった『You are free』。
このあたりではたと気づきました。
「あれ、SUPER BEST3をかなり踏襲してない!?」
「これでもしも男と女とかSomething Thereとかきたらまさにすぎない!?」
「いやてかさ、もはやもうさ、アジアツアー意識してない!?」
な、ラインナップ。
8/25にチャゲアス曲のサブスク解禁が始まりましたが、第1弾がベストアルバム「VERY BEST ROLL OVER 20TH」でした。この中にももちろん入っている曲で、そういうのも少しリンクさせているのかな?なんて思いながら聞いていました。
「デビュー当時の歌です」と語り、ギターの音色に乗せ歌い始めたのは『止まった時計』。
えっ? お決まりの帰宅とか、もしくは思いっきりなつかしの琥珀色の情景あたりでも歌ってくれるのかしらと思ったけど全然違いました。
極限までシンプルに伴奏を抑えた中で、深い低音からサビに向け自然にクレッシェンドがかかる、心地よく響く歌い方。体中に染みわたるようなひと時でした。
ご本人いわく「ファルセット苦手なんだよー」。からの、ちょこっとやり直したりも(笑)。そんなところもASKAさんの人間味を感じられ愛おしすぎました。
続いて名刺代わりの『はじまりはいつも雨』。
さらに、『PRIDE』。
長いファンも、初めて来たであろう観客もみんなまるっと喜ばせ、納得させる名曲で畳みかけました。
今回も途中休憩が入ります。
今回もステージ上のバンメンさんたちみんなで車座になって、何やらおしゃべりしています。(笑)
トイレ行きたい人にはやっぱりありがたいこの時間。
さてと。休憩終了後。後半はバンメンさん紹介からスタートし…
ここで『誰の空』。
これはラスト曲にもふさわしい、美しく力強い壮大な曲だからこそ、ずっと歌ってほしい曲の一つでした。歌ってくれてものすごくうれしかったものの、後半初っ端に持ってきたことに「え?もう出しちゃうの!贅沢すぎない!?」って思ったのも正直なところ。
ちなみに前回ツアーのラスト曲が『I feel so good』だったのだけれど、これを聞いたとき誰の空、からのI feel so goodが聞けたら最高、とこの時から言っていました。(この2曲の畳みかけは今回も叶わず💦)
ここまで着席でしっとりと聞かせていただいていて、『HEART』のイントロがかかったとたん大歓声で総立ちに!
19、20年に行われたASKA premium ensemble concert -higher ground-で歌ってくれた時、この選曲に驚き、感動し、大泣きしたのを今でも覚えています。
今回はさすがに泣かなかったけれど(笑)、やっぱりチャゲアスなんだ、ASKAなんだってかみしめました。
ここのところのライブではほぼ定番曲『太陽と埃の中で』(ソロカバーバージョン)。アカペラで歌い始めるも澤近大先生のピアノのみリードで入ります。見事な導入に感動。そしてみんなで手拍子。
流れでチャゲアスオリジナルバージョンの前奏が聞きたかったな、という思いも無きにしもあらずですが、やっぱりサビからの大合唱は胸が熱くなりますね。
前回ツアーだと、この曲の後にまさかの『モーニングムーン』が来て会場騒然!となった流れでした。今回は…?
『僕はこの瞳で嘘をつく』(オリジナルバージョン)!!!!!!!!!!
これも予想・期待はしていながらもどこかセトリ入りは難しいだろうな…とも思っていたチャゲアス曲。だってほら…あれよ?二人並んで、スピーカーに足をかけて歌う、あのパフォーマンスよ?それを、一人でしちゃうの??
…ごちゃごちゃと考える時間はわずか2秒くらい。やっぱり結局めっちゃ楽しみました!
ずっと映像で生で見続けてきた大好きな曲。こんなにも激しく、キーも高い曲を66歳の彼が今、原キーで、衰えぬパワーで歌う。その姿に感動を超えて感謝がわいてきました(どんな感情ww)。
さて皆さま。2番サビ終わり、リフレインBメロに入る前の間奏といえば。
覚えているでしょうか。
次第にリフトがせり上がり、高さを増したステージの上から片手倒立、からの着地という往年のパフォーマンスを。
まさか、するとはね。「あれ」をするとはね。
結論から言うと、着地を決められず倒れました(爆)!!!!!
私は遠い席だったので正直はっきり見えておらず分かりません。
あれは、ガチの失敗?おちゃらけた“フリ”のパフォーマンス?
少なくとも私の近くのファンたちは不安による悲鳴を上げておりました。
(マジでケガしてないか心配でしょうがなかった…💦)
そんな、喜びと驚きと少しのショックと…の衝撃をさらなるエネルギーで根こそぎかっさらっていくかのように、続くは『YAH YAH YAH』!!!!
もう…冒頭3曲の畳みかけですでに放心状態に近いくらいだったのに、この後半の畳みかけも半端ないよ…。ただただ、ASKAさんのパワーについていくのに必死でした。心は小中学生の、あの頃の私。とにかく贅沢な照明の中、全身全霊で、拳を振り上げました。
もう、ここでライブ終わっても十分「感無量」だったと思います。
でも、ここで終わるもんじゃありません。
『消えても忘れられても』。ピアノの前奏が深く胸にしみこんでくる。アルバム『Breath of Bless』の中でも特に生で聴きたい、と願っていた曲だったので本当にうれしかったです。
まさに動と静。
YAH YAH YAHの次に選んだ、その流れのチョイスの妙にぐっと引き込まれました。ラストのロングトーン、本当に見事でした。
ここが、ラスト。確かにそれでも納得。と思えるほどの完成度でした。
でも、まだ、終わりません(喜)。
久しぶりに聞きたいなー、とまさにライブ直前に友人と話していた『歌になりたい』。ああ、確かにこれこそラストにふさわしい、大団円といえる締めの曲かも。そう思いながら、身体を左右に揺らし全身で味わいました。
彼こそ、歌になった人。歌に愛された人。
なんて思っていたら、インストとともにステージ後ろに映像が流れました。『同じ時代を』。
ここで涙がぐわっとわきあがりました。
大好きな曲であることはもちろんですが、まさに今、こうして同じ時代を生きていることに心からの感謝をかみしめていたタイミングでした。
私の心へのアンサーソングのように(勝手に)受け取り、勝手に感動していました。本当、同じ時代に生きれていることに感謝です。
ASKAソロバージョンの『PRIDE』のMVでは、無観客のステージで歌うシーンがあった。それを撮ったのがここのホール。きょうはお客さんでいっぱいだね。
そんな秘話を披露しながら、「これからツアー、行ってきます」。
最後は『On Your Mark』。
前奏だけで一気に引き込まれる。本当の意味でラストを飾る素晴らしい選曲でした。
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あらためて、セトリをたどりながら振り返ってみました。
(本当に長い…すんません)
自分で言うのもなんですが、今回私、泣かなかったんですよ。
これまで、少なくとも復帰後のライブでは必ずと言っていいほど泣き崩れていた私が(笑)。
それは感動しなかったからではなく、涙があふれるほど1曲1曲に感じ入り、浸りきるすきのないほどに大盛りてんこ盛りありったけな内容だったからにほかなりません。
総じて、ASKAさんが事前におっしゃっていたとおり「90年代」がキーワードなライブでした。
今回、15年ぶりに地元岩手にも来てくれるのです。同級生にそれとなくアピールしたら、見てみたい、と参加してくれることになりました。
表現として適切かは分かりませんが、「特段熱烈ファンではない、けれど90年代をリアルタイムで生きた世代」であれば確実に楽しめるライブと言えるでしょう。“一見さん”に声を掛けるのには最適なライブだと思います。
そういう意味でも、友人たちよ、「知らない曲ばっかりで楽しめるかな…?」なんて杞憂に終わるから大丈夫。思い切り、丸腰で臨んで楽しんでおくれ。
一方ファンにとっても、ある種スペシャル版といえるほどの大盤振る舞いな内容でした。ただ懐かしむだけでなく「今」に、この曲を聴ける幸せを味わいました。
あらためて、チャゲアスとして、そしてソロアーティストとしても一時代を築いた人なんだな、と。
過去の栄光を回顧するのとは全く違います。
彼がこれまで45年間歩んできた軌跡そのものを見せてくれた。それがそのまま、また46年目へと続く1歩になっている。
そんなライブでした。
今年、CHAGE and ASKAデビュー45周年。
そしてこの日は、37回目のASKAソロデビュー記念日でもありました。
ここまで歌い続けてきてくれたことへの感謝。
リアルタイムでそれを見聞きし続けてこれたことへの感謝。
ただただ、ありがたかった。
今だからこそ。ファンもファンじゃない人も。
ASKAというアーティストのエネルギーと天才性を体感してほしいな。
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