2023.4.1.≪ネタバレ≫ASKA Premium Concert Tour -Wonderful World- 2023初日広島公演感想
長らく待ちわびた…というほどの渇望感がなかったのは、つい2週間ほど前に『ASKA&DAVID FOSTER PREMIUM CONCERT 2023』を見ていたから。
とはいえASKA×DFは3会場限定のスペシャルコラボライブだし、やっぱりASKA単体での全国ツアーというのはまるっきり違った楽しみがある。
というわけで、私の中ではお決まり「前情報一切排除、まっさらな状態で心置きなく驚きと感動を楽しむために」。
満を持して初日の広島公演に足を運んだ。
前述のコラボライブからツアー初日まで間があまりなかった。
ということでコラボライブのセットリストからも多分に選曲されるだろうと想定していた。
その安直すぎる想像がいかに浅はかだったか、うれしい裏切りとともに痛感させられることになる…。
ツアー開始前、セットリストを予想するのがお楽しみの一つだ。
SNSに公開してこそいないものの、今回も自分なりに考えてみた。
「ASKAだったらどんな曲を持ってくるか」という視点ではなく、私個人の願望期待希望入りまくりのセトリを。実に自分勝手なセトリを。
思い描く中で「とっても大好だしもちろん歌ってくれたらうれしいけれど、多分歌わないだろうなぁ」って曲はことのほか多い。
ただ、2019年開催の『ASKA CONCERT TOUR 2019 Made in ASKA-40年のありったけ』以降のツアーは、ニューアルバムをひっさげての、というものではなく毎回「今」の「ありったけ」で臨むとASKA自身が公言している。
となればあんな曲も、こんな曲も。歌ってくれる可能性はやっぱりあるのではないか!?と欲張りたくなる。
かくして、当日。開演時間を迎えた。
従来チャゲアスのライブは長らくオープニングムービーで幕を開け、ラストはエンディングムービーで締める。アンコールはなし。のスタイルが多かった。今回は…
かなり珍しく、幕が下りた状態が“セット”だった。
聞き慣れない、だけどどこか懐かしさを感じる、胸の中にスーッと入り込んでくるようなインストゥルメンタルが豊かな表情を見せる四季折々の映像のバックに流れる。
“Starring ASKA”の文字が浮かび上がるや、会場中から割れんばかりの拍手。
いよいよだ。
何の曲で、どんな登場をするのだろう。
ドキドキしていると白い幕越しにステージが真っ青に彩られる。
そこに浮かび上がるは、スタンドマイクを傾け、体を前傾させ歌い出すASKAのシルエット。
デジャヴ…遥か昔みたことのある…というか、まさに昨日も好んで過去映像をリプレイしていたTripを歌う姿とともに、高らかなスキャット音が響き渡った。
一瞬、本当に一瞬、わが目と耳を疑った。
今、2023年だよね?
きょう、新しい全国ツアー初日だよね?
えっ、1曲目、Trip!?
節操のない希望願望入れまくりマイリストにはもちろん(何なら毎回)ランクインする大好きな名曲。
でも、いろいろな理由からこれはないだろう、とも思っていた。
まさか、そんな、本当に歌ってくれるなんて…(感涙)。
私だけじゃない。すべての観客の予想を裏切ったのではないだろうか。
もはや誰も歌声を聞いちゃいないと思えるほど、会場全体が驚きと歓喜でわき立った。
若干30歳でリリースした曲。
65歳になった今、当時の姿そのままに原キーオリジナルのまま何の遜色なく歌い上げる豊かな声。
「ああ、ASKAだ…」。
アホみたいだけど、シンプルにそれしか感じられなかった。
間奏、そして後奏に入るスキャットは、往年のそれとは異なる味わいでまた違ったカッコよさが際立った。
ラストのoh oh wow~で音が消え、しばし呆然。
1曲しか聞いていないのに二十数曲を経てラス曲を聞き終えたような脱力感に包まれ(早いぞ)…ている私を待たずに、次は自分じゃないか。
2021年末に開催した『ASKA グラミー賞ノミネート希望Acoustic Live』で聞いて以降、生で聞きたかった念願の曲。うれしかった。
続いて、澤野弘之さんとのコラボ曲地球という名の都。この日は目の覚めるような鮮やかな青(とエメラルドグリーンを足して2で割ったような)色のロングジャケットに身を包んでいたASKA。まさにMVの世界観を思い起こさせた。
どんどん、たたみかける。
次の前奏がかかった瞬間、きゃあ!という歓声に加え思わずガッツポーズ!
これこそまさに「歌わないだろうけど、生で聞きたくて聞きたくてしょうがない曲」の筆頭。こんなふうにを選んでくれたなんて!大歓喜!
私にとって、精神安定剤的な曲っていくつかあって。
穏やかな時はもちろん、イライラしたり不安を抱えていたりする時にこそ意図的に聞くことですーっと心の波風が収まる曲。
こんなふうにはその代表曲だ。
そのほかには風の引力とか、君が家に帰った時にとか、イイ天気とか、通り雨とか、どうしたの?とか。なんとなく、分かりますかね?
この辺とても好みなミディアムテンポ感で、耳に心地いいのは確かなんだけど“ライブ映え”するか?と言われるとそうとも言えなかったりするし(回りくどい言い方)希望リストには毎回入れながらもあまり正解率は高くない曲たちでもある。
だからこそ、私のニーズをしっかりとくみ取ってくれたことが本当にうれしかった。
憲兵も王様もいない城。この曲けっこう好きよね。コラボライブでもセトリに入っていた、彼の中では定番のソロ曲なんだろうと思う。
「ひまわりのような笑顔で~」高音もしっかり出ていて、コンディションの良さを実感した。
(ことしもそろそろ、株主総会の時期がやってくるね…)
軽快な前奏に合わせクラップ。LOVE SONGはソロカバーバージョンで。
最初の頃はこれを聞くたび「チャゲアスバージョンがよかったな…」なんてさみしさを覚えること多々あったけれど、今はもはやオリジナルとは別の曲として楽しめるようになった。
どうしたの?。これもまさに、聞きたかったリストの常連曲。
曲調的には大好きなミディアムポップス。メロディー運びも心地よい。
ただ…フィクションの陰にちらほら見え隠れするノンフィクションの要素があまり心地よくない歌詞でもある(これに共感してくれるのは女性だけだろうなぁ…)。
でもやっぱり大好きだ!こんな歌詞かけるASKAが結局まるごと大好きだ!
今回のツアー、前奏を聞いた瞬間驚きとほぼ同時に大歓喜が全身を駆け巡る曲が多かった。
風の引力もその一つ。アルバム『ONE』で、いやASKAソロ曲の中でも間違いなくベストテンに入る大大大好きな曲だ。
ライブで歌ったのは『05>>06 My Game Is ASKA』以来か。マイゲーの時同様、原曲に比べよりリズム感アップなポップスソングになって(語彙力よ)気持ちがいい。
確か、この曲終わりくらいで。早々にジャケットを脱ぎ始めTシャツジーンズ姿になったASKA。「きらびやかな衣装はディナーショーとかで着飽きたから…」って。けっこう久しぶりなラフスタイル。実は衣装についても始まる前友人たちとああだこうだ予想していたんだよね。「意外とシンプルなシャツとジーンズみたいなスタイルもかっこいいよね。また見たいよね」なんて。そんな会話も思い出したりして、そして何より見事な胸板と上腕二頭筋の盛り上がりに、ひとりにんまり(変態か)。
MCに続き、クラ姉の美しいバイオリンの調べからC-46。
この選曲は意外だった。
これまでもライブで歌ってきた曲ではあるとはいえ、なんとなく、「今」のASKAからこれが選ばれてくるとは想像できなくて。うれしい誤算。サプライズ。やっぱりいい曲だ、って聞き入った。
流れるようにはじまりはいつも雨。原キーに戻し、十分のびやかに歌っていた。
はじまりはどの会場でも1番が歌い終わると間奏で必ず温かい拍手が入る。この圧倒的存在感、名曲然としたオーラがとても好き。
静寂に響き渡る特徴的なピアノの旋律。ちょっぴり懐かしさを感じる前奏。しゃぼん。
まさか、とは正直な感想。
どうしてもこの曲には辛そうな思い出が付きまとってしまう。ある意味、その日のコンディションの試金石的曲でもあるため、勝手にこちらが身構えながら聞き入ってしまう。
結論。杞憂に終わった。どころか見事に歌い上げASKAの底力をまざまざと見せつけられた。本当にかっこよかった。リストに入れてくれてありがとう。
ここで一部終了。ASKAライブ恒例の休憩タイムは今回もあった。
バンメンさん紹介に続き二部スタート。Davidとのコラボライブに触れ、願いを口にすることのパワフルさについて語ってくれた。流れでコラボライブでも歌い反響を呼んだYou raise me up。
また聞きたいと思っていたから感動。
ASKAの力強い歌声が、会場を一瞬にしてワールドワイドな世界に連れて行ってくれる。
ツアータイトルでもあり、リリース以降定番曲となった僕のwonderful world。ステージの上手、下手をゆっくりと行き来しファンとコンタクトを取ってくれるのもうれしい。
続いて聞こえてきたのは東京。なんと!私だけでなく待ち望んでいたファンも本当に多いであろう東京。
皮肉にもASKAが東京から引っ越してしまった後にやっと歌ってくれた(笑)。
ライブに似合う曲。みんなで立ち上がり、手拍子しながら楽しんだ。
拍手が止み、静寂の中訥々とアカペラで歌い上げるは太陽と埃の中で。
もはやオリジナルがどうとか申すまい。この曲が名曲であることは間違いない。
サビからみんな拳を上げ、大合唱できたのが本当に喜ばしかった。この瞬間を待っていた。本当に本当に、待ちわびていた。
続いて聞こえてきた前奏で、冗談じゃなく歓声を超えたどよめきが会場中に広がった。もちろん私も大興奮!!!!モーニングムーン!!!!!
歌ってくれるかも、と淡い期待を抱いていたのがドンピシャだった。
太陽~を超える、さらなるサビの大合唱。そろいの振り。
終わった後の鳴りやまない拍手。
WC優勝の瞬間かと思うほど(言いすぎ?いやそんなことはない)の“大盛り上がり”だった。
一変して、青色のライトの中淡々とした前奏が鳴り響く。青い海になる。
アルバム『Breath of Bless』の中でも人気を誇りながらなぜか今まで歌われてこなかった曲。
私の歌ってほしいリストにももちろん入っていて、採用された喜びも大きかった。
ラストに向かって畳みかけるような息遣いがとってもカッコよくて微動だにせず聞き入った。
後奏とシームレスに差し込んでくるあのギターの旋律。どんな顔で笑えばいい。
歌ってくれるだろうとは期待していたが、ここで持ってくるかー!と曲順の妙にも感動しきり。
今ツアーはASKA曰く「ゴリゴリのロック」あらため「バリバリのASKA PopsRock」がテーマ。
いまさらながら、ブレないその選曲の見事さに震えた。
からの、今がいちばんいい。盛り上がる客席巻き込み系ASKA曲(なんじゃそりゃ)の中では晴天を誉めるなら夕暮れを待てか今いちか。今回はこっちできたのね。
サビを大合唱し一緒にバンザイ!できる幸せよ。本当に名曲。
そろそろ終わりに近づいてる。そんな気持ちが胸をよぎった次の瞬間聞こえてきたのはOn your markだった。
私の人生の中で、いつの日かPRIDEをも超えナンバーワンソングであり続けている不動の名曲。聞けてよかった。歌ってくれて本当にありがたかった。
ASKA自身がブログで語ってくれていた。
「やがて訪れるであろう日のために封印していた曲の解禁を決断した」と。
私のみならずファンの大方も、なんとなくこの曲を思い描いていたと思う。
これを(ASKA一人で)歌ったことで、そうか、もう“やがて訪れるであろう日”はないのかもしれないと寂しく思った人もいたようだ。でも、私の印象はちょっとばかり違った。「一足先に俺行っとくぞ」。そんな覚悟と愛情詰まったパワフルな“煽り”、そしてゆるぎない決意みたいなものを感じたんだ。
どんな思いでこの曲を選んだのか。真意のほどはわからない。
けど、歌ってくれた。それでいい。
まさに答えを出さない、それが答えのような。
「きょうはアンコールやらないんです」。
そう語られたラス曲は、想像通り期待通りのI feel so good。
音源リリース時は聞き込みが足りてなかったことも相まってそんなに着目していなかったのだけれど、聞けば聞くほどラストにふさわしい壮大で温かい曲。ディナーショーで歌ってくれた時にそう確信した。もう最後を飾るのはこれしかない、と思えるほどに。
(本当は、誰の空、からのI feel so goodだったら最高だったなーという思いも無きにしも非ず)
本編、終了。本来はここで終わり、演者たちはステージ上からはける予定だ。ところが、広島会場に限って、1曲だけ追加された。
病に倒れながらも必死で生きようと頑張っているASKAの知人からの手紙を読み始めた。苦しみの中、生きる希望を見いだせなくなった時もこの曲を聴きながら自分を励ましてきたと(言葉は違うけれどだいたいそんな内容だった)。その曲を、エール代わりに歌って届けた。PRIDE。
歌うに至った経緯を知ったからではない。
あらためて、名曲というものが持つ輝き、美しさと力強さみたいなものを痛感させられた。とても素晴らしいサプライズだった。
「ここから全国ツアー行ってきます!」「行ってらっしゃーーい!」
掛け合いを最後に、エンディングムービーで本当に幕を閉じた。
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ライブからだいぶ時間がたち、細部はほぼほぼ忘却の彼方。セトリを参考にしながら、1曲1曲思い起こせる範囲でつらつらと感想を書いてみました。
やっぱり時の経過とともにその瞬間感じた熱量みたいなものが薄れちゃうね。これからはなるべくすぐ書き出そう。と反省しました。
それにしても、あらためて振り返り毎回最高しか言わない自分に辟易しつつ、最高以上の言葉がないのが悪い、と開き直っています。
最後に後出し感半端ないですが(笑)、私の予想リストを並べておきます。
全然セトリ予想じゃないやつ。ただの願望の垂れ流しなやつ。
≪多分、きっと歌ってくれるかもね、な曲≫
・僕のwonderful world
・はじまりはいつも雨
・PRIDE
・I feel so good
・太陽と埃の中で
・晴天を誉めるなら夕暮れを待て
・憲兵も王様もいない城
・モーニングムーン
・On your mark
・どんな顔で笑えばいい
・ゼロの向こうのGood luck
・共謀者
・No way
・Tatoo
・Kicks street
・リハーサル
・next door
・迷宮のReplicant
・誰の空
・地球という名の都
≪歌わないとは思うけれど、本当はぜひとも歌ってほしい、な曲≫
・こんなふうに
・風の引力
・君が家に帰った時に
・どうしたの?
・君と春が来る
・忘れ物はあったかい
・通り雨
・東京
・青い海になる
・バーガーショップで逢いましょう
・Trip
・風のライオン
・SAILOR MAN
・birth
・はるかな国から
・花は咲いたか
・だからって
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