20,000字で綴る、初めてミスチルのライブに行った感想(2024ライブツアーmissyou感想)
ずっとミスチルが好きだった。
いや、嫌いな歌もある。
でもたぶんミスチルの曲は相当聴き込んできた方だと思う。
でもミスチルってあまりに「日本を代表するミュージシャン」過ぎて、
自分がコンサートに行くという行動を想像できなかった。逆に。
今さらMr.Childrenの話をするのもなんかもう、という気がするが、
初めてのライブが終わって数日経つのにまだミスチルのことしか考えられなくて困っている。恋?笑
なので誰にも見せないノートにも感想を書いたけど、それでもまだ書き足りないので感想書かせてください。
長いのでお時間ある方はどうぞ
(読めたらスゴイ!)
※セトリネタバレあります※
私の半生とミスチル(9000字あります)
私が物心ついたころには、
もうMr.Childrenは売れていた。
1990年代前半のことだ。
テレビをつけたらいつも必ずMr.Childrenの曲が流れていて、「親」とか「日本」とか「土」みたいに、当たり前にそこにある、そういう存在だった。
小学校6年生の時、
始めて親にレンタルCDショップでレンタルしてもらったのがeverything(it'syou)だった。
まだ子供だったが、サビのエ〜↑え〜え〜え〜ぃというところが印象に残って、なんかいいなと思ったのだった。
しかしその後ミスチルは活動を休止してしまい、
休止自体は2年弱で割とすぐ復帰したものの、私の方はそれっきりで、アニメオタクとして中学生時代を過ごした。
高校生になり、恋もして(好きになった方もなられた方も、どちらも実らなかったが)インターネットもするようになり(まだパソコン通信って言ってたかも)自分の世界が思春期にぐっと広がりだしたころ、ミスチルのNot Foundが耳に飛び込んだ。
この曲はボーカルの桜井和寿がインターネットしてたら昨日まで訪問していたサイトが突然閉鎖していて(今ではSNSでフォローしていたアカウントが突然消えてる、という現象が心情としては近いと思う)びっくりして、その儚さ?とかさみしさに着想を得て作った歌らしい。
インターネットをやってたら、そういう「突然の喪失」に誰もがみまわれたことがあるだろう。
Not Foundとはあの執拗な三連符のリズムの中に、切ないメロディが乗っていて、途中から力強く壮大になっていく構成がカッコ良い。
PVも桜井和寿がただ歩いていく映像がカッコ良くて、当時はめちゃくちゃ気に入ってよく聴いていた。
(今調べてみたら、桜井和寿が当時見ていたエロサイトが翌日突然消えたことがきっかけだそうです。)
その後、
なんとあのBLドラマの先駆け的存在「アンティーク 〜西洋骨董洋菓子店〜」をリアルタイムで視聴することになった。
あの頃はまだ同性愛者に風当たりの強い時代であり、原作の同性愛者の設定がドラマでは改変され、原作でゲイの設定だったキャラクターがドラマではノンケにさていた(今こんなことしたらアホほど燃えるだろう)。
しかし遺伝子から腐である私には瞬時に分かった。これBLだ、と……(違ってたらすみません)
とにかく高校生の私はこのドラマにハマりまくった。
そして幼い少女の無邪気な夢想として、いつかBLがもっとメジャーになって、このアンティーク 〜西洋骨董洋菓子店〜のドラマみたいに、イケメン俳優をキャスティングしたBLのドラマがテレビで放送される世の中にならないかな〜とか考えていた。
その夢はなぜかタイで実現し、いよいよ日本にもその波が来そう、というのはなんということだと思うが。
話を戻すがとにかくこの衝撃的な良ドラマ、アンティーク 〜西洋骨董洋菓子店〜は、サントラを全てミスチルの曲から引用する、というかなり珍しい手法を取ったドラマでもあった。
今思うと、同時期に発売されたミスチルの2枚組のベストアルバムの販促でそうしたのかもしれない。
少なくともこの手法が当時の私には衝撃だったし(ミスチルにそんなに曲があったんだということも)しかも選曲が絶妙であり、ドラマのシーンにピッタリ合ったミスチルの歌がカッコいいタイミングでバチッとかかる。
このドラマでこれほどリスペクトされたミスチルは、当然このドラマのために曲を2曲も提供しており、そのどちらもがエグい良い曲なのだった。
大好きなドラマの内容に曲がマッチしてるということを差し引いても、曲単体で聴いてもエグい良い。
今でもたまに聴く。
思い出補正を取り払っても(アンティークのことを忘れてしまった状態でも)新鮮にいい曲だな〜!と毎回思う。
もともと音楽ジャンキーの気があるのか、昔から何もしていない時はたいてい音楽を聴いていたが、このミスチルのyouthful daysの当時の鬼リピ率は半端じゃなかった。
そうこうするうちに高校3年生となり、大学受験のために塾に通うようになった。
高校1〜2年の時は部活に明け暮れ、ろくに勉強してこなかったので、受験勉強は本当に大変だった。
やってもやっても、授業に出ても出ても成績が上がらなくて、辛くて苦しかったが、塾に通う時間の30分だけは、音楽を聴ける唯一の安らぎの時間にしてよい、ということにしていた。(英単語ターゲット1900は手に持って)
その時に一番よく聴いていたのがミスチルのアルバムIT'S A WONDERFUL WORLDだ。
この時はMDを使っていたが、もしカセットテープだったら千切れたんじゃないかと思うくらいヘビロテした。
どの曲も大好きだが特にハマったのが乾いたKissという曲で、気だるげな雰囲気にセクシーな歌詞と恋人への後ろ暗い未練を吐き出す歌詞が大人の恋愛って感じで、めちゃくちゃカッコよく感じたのだ。
昨日久しぶりに聴いたら、こいつ自分のことばっかでクソじゃね?と思ったが……
こうやって改めて聴いてみると、ミスチルファンとしては珍しい気がするが、やはり私にとってはIT'S A WONDERFUL WORLDが一番のアルバムな気がする。いや、Qかな……深海かな……SUPERMARKET FANTASYも好きなんだよな……
でも、一番聴いたアルバムはこれだと思う。
結局志望校には落ちたものの(トホホ)
まぁC〜Dランクくらいの大学に通うことになった。
その後、シフクノオト、I ♥ Uも聴いた。
どちらも素晴らしいアルバムなのだが、その当時の私は坂本真綾とm-floにハマっており(どういうチョイスだよ)ミスチルはあまりきかなくなっていた。
だが私が大学4年になるころ、弟が学校で軽音楽部に入部した。
それで弟や音楽好きの弟のバンドメンバーから、良い音楽の情報をちょくちょく得られるようなった。
年下の男の子たちが夢中になっている音楽には、
QueenからMETALLICAからMr.BigからL'Arc~en~CielからスピッツからJanne Da Arc(バンドやってる人に人気があるんだって)など多様だったが、その中にはもちろんMr.Childrenもあった。
弟はすっかりミスチルにハマって、コピーバンドをするために家でよく歌の練習をしたりキーボードを弾いたりしていた。
そう、私が小学生の時に早々に辞めたピアノ教室を弟は高校生まで勤め上げ、最終的にドビュッシー月の光を弾けるまでになっていた。優秀な奴なのだ……
そういうわけで、家ではいつもCD音源か弟音源かのミスチルが常に爆音でかかっていた。
それに影響される形で我が家にミスチルブームが訪れた。
そのころの母はしょっちゅうデルモを口ずさんでいた。(なんで……)
そんな中でリリースされたのが衝撃のアルバムHOMEだ。
柔らかい印象の曲が多いアルバムなので、弟たちのバンドがコピーしたがるような感じではなかったが、舌を巻いたのが桜井和寿の日常を切り取るセンスと作詞力だ。
歌詞を読んだだけで涙が出る。
誰がこんな優しい気持ちを言葉にしたことがあるだろう。
彩りの歌詞は倫理の教科書にも載ったらしい。
おしゃれだったりカッコいい感じではないけど、HOMEの名の通りあったかい雰囲気のアルバムで、我が家のミスチルブームは決定的なものになった。
またミスチルファンあるあるだと思うが、
この頃はミスチルにハマるあまりに弟とはもはやミスチルの歌詞で会話をするようになっていた。
ミスチルの曲があまりに現代日本人の感傷を上手に切り取るので、
ふとした瞬間に「言葉」よりも「ミスチルの曲」が先に出てくることがあるのだ。
あなたの周りにも何かとミスチルの曲を引用してくる奴がいるかもしれないが、そいつも桜井和寿の歌詞で言語中枢を侵された人間なのでこれは仕方のないこととして許してほしい……
例えば嵐のメンバーの二宮和也は、まごまご嵐という番組内でお世話になった高齢者の方に歌のプレゼントをする、という場面においてよくMr.Childrenの楽曲を採用し高齢者を困惑させていた。
そりゃお年寄りはミスチルに馴染みないて。
あれはたぶん、ミスチルの曲に自分の気持ちをいくらか代弁させるために採用していたのだと思う。違ってたらごめん。
話は戻る。
それで、ようやくスルーしていたシフクノオトとI ♥ Uもちゃんと聴いて、どちらもものすごい名盤であることに気づいた。
もちろん、DISCOVERY、BOLERO、深海といった初期のアルバムも聴き込んだ。
さて、大学生(くらいの年齢)あるあるだと思いたいが、そのころの私はかなり精神の調子が悪く、そういう意味で暗いアルバムである深海を聴くとなんとなく安心するのでよく聴いていた。
精神の不調が長引いて、結局就職もできなかったので、近くの小売店でなんとかパートを始めた。
そのころ、底抜けに明るいアルバムSUPERMARKET FANTASYがリリースされた。
精神が不調な時のパートとは、ただのパート勤務でも相当の緊張感が伴う。
いつも職場の事務所のドアを開けるだけの元気を、通勤時間に充填してくれたのがこのアルバムだった。
どの曲から聴いても、良い。ジャケットもかわいいし。
IT'S A WONDERFUL WORLDの次によく聴いたアルバムがこれだと思う。
そしてその次に出たSENSEも驚くべきアルバムだった。
ミスチルらしいといえばらしいのだが、ポップスの決定打のようなSUPERMARKET FANTASYで激増したファンをあえて振り落とすような尖った雰囲気があり、私も好きな曲とそうでもない曲がある。
精神の不調をなんとか誤魔化し過ごせるようになってきた頃、私と似た境遇で苦しむ親友ができた。
彼女は親が同じ新興宗教を信仰している同じ教会の友達で、その二世として、虐待ギリギリの幼少期を生き抜いてきた精神疾患者というところが共通していた。
今のように「毒親」という言葉もなく、
スーザンフォワードの毒になる親(「毒親」ワードの語源となった本)も刊行されてはいたが、まだ世の中には「育ててくれた親には死ぬまで感謝するべき」論がはるかに強く、それ以外の考えは存在していないようなものだった。
そのような中でも、私も彼女も、親の虐待ギリギリの子育て(ギリギリ虐待の範疇に入る、の意味笑)に対してしっかり怒り、悲しみ、悔やむことで、
自分の精神に折り合いをつけ、自立するべき局面に来ていた。
私も彼女も20代だったが、まだ親元で暮らしていたからだ。
しかし彼女の方はというと、虐待されてたのにまだ自分の親の子育てがマズかった、ということを認められないところがあった。
親に感謝しているし最高の親だ思う、と口では言うものの、
バチボコに病み散らかしては、周囲から腫れ物に触るように扱われていた。
でも、私も、彼女という気持ちを分かりあえる存在ができたことが足がかりとなって、精神も少し安定したし、
それなので私としても、彼女がこの苦しみを乗り越えるために必要なサポートがあるのであれば、なんでもしたいという気持ちになっていた。
二人で、新興宗教二世という出自を持つ被虐待児として、傷を癒し、自分の人生を歩きはじめるためにこれからも助け合っていきたいと思っていた。
ところで、彼女は顔がめちゃくちゃかわいい。
……なんとなく察しがついたかもしれないが、
バチボコに病んだ、顔がめちゃくちゃかわいい20代の女のモテ方というのを、あなたは間近で見たことがあるだろうか。
まさに濡れ手に粟、歩くブラックホールとでも呼んだほうがいいだろう。
まぁそういうわけで、
彼女は早々に宗教内で権威を持つ男性信者から言い寄られていた。
言い寄ってきた男性信者のことは私も以前からよく知っていた知り合いだったが(同じ教会だったので)、
結婚を前提にした交際を始めたということを、
二人は1年以上、私に言わないで黙っていた。
別に報告しなければいけない、という義理はない。
二人は私に黙っていたが、
二人が結婚を視野に入れた交際を始めたことは、別の知り合いの信者から早々に聴かされていた。(そいつも口が軽いよ)
私は彼女のことを痛みを分け合った親友だと思っていたので、
彼女が話してくれるのを1年近く待っていたが、
なんというか、あれほど暗いオーラを発していたのにある時から突然、彼女は晴れ晴れとしていて、
私と過ごす時も、上の空という感じだった。
ドメンヘラだった彼女が突然そうなったので、
さすがに、なんかあったのかな?とは思ったが、
「独身でいることは集中すべき神への奉仕において有利な状態です!」
みたいな説教を、普段壇上から朗々としている独身の男が、まさか私の親友と付き合っているなどとは夢にも思わないではないか。
そういう権威ある宗教者の言ってることとやってることが違うみたいなのも初めてハッキリ目の当たりにしたのでショックだったが(説話はするが自分はしない)、
同時に、独身者が婚約した友達を見送る時に沸き起こる、さみしさと嫉妬というありふれた感情も、初めて経験したこの時は辛かった。
しかも、彼女とは似た毒親問題に取り組む戦友で、
そうした戦友を失う喪失感もあった。
それに、そういった内面の混乱に彼女はまだ向き合いはじめたばかりで、そこを進めないまま今結婚したとしたら結婚後にそうした両親との問題が夫婦間で顕在化しないかということも心配だった。
せっかく治療に向けて歩き出したところなのに、
容姿がいいからと権威ある宗教者に声をかけられ舞い上がって、自分の抱えてる問題が全て見えなくなっているように私には見えた。
さらにそれは似た境遇で苦しんでいる私にとっても、
結局、精神の不調の解決策って恋愛なのか?と。
毒親問題や精神の不調は美人の方が解決しやすい(モテるから)、そういうミもフタもない話なのか?と。
「理解のある彼くん」問題に理解のある彼くんがいない者として直面することにもなった。
そして何より、一番悲しかったのは、私は彼女のことを親友と思っていたが、彼女の方はそうでもなかった、ということだった。
それこそ、結婚を前提とした交際が始まった嬉しさを、報告したくなる存在ではなかったのだから。
結局一時的にではあったが、この時はより精神状態が悪化した非常に苦しい時期となった。
さて、長くなったがミスチルの話に戻る。
しばらく経って実家の家族と北海道に旅行に行くことになった。
(このころには一人暮らしを始めていて、誘ってもらったのだった)
音楽ジャンキーである私は旅行となると旅行カバンを出すより先に道中で聴きたいプレイリストを準備するようなキモ人(きもんちゅ)なのだが、
ふと、実家の家族からよくない評判をきかされそのままになっていたミスチルの新譜(an imitation) blood orangeをまだ聴いてなかったことを思い出した。
それで記念すべき1台目のスマホにこの(an imitation) blood orangeをダウンロードして出かけることにした。
ところで私のミスチルの好きな曲ランキング(常に変動する)には常時ランクインする定番曲というのが存在するのだが、
久し振りにその中に常に入る曲がこのアルバムに見つかった。
それこそがアルバム収録曲のMarshmallow dayだ。
北海道に着き、函館から小樽へ向かう電車の中、トンネルを抜けて海が見えた時にこの曲がかかった。
何度聴いてもテンションがブチ上がる。
しかもこの曲、あっけらかんと恋の歓びと楽しさだけにひたすらフォーカスした明るい曲なのだ。
この曲を聴いて、恋をしている人間の幸福感とは、これほどなのかと。
恋をしている人間って、こんなにハッピーハッピーハーッピー(猫ミーム)みたいな感じになるのか。
そりゃあ、こんなハイな気分の時に、
毒親がどうとか、友人と心の闇に向き合うだとか、自分の内面を深めたりする気になんてならんよなぁ、と急に。この時、腑に落ちたというか。
さまざまな要因が重なり、当初私はなかなか2人の結婚を祝う気になれなかった。
でも、この時旅行先でかかったMarshmallow dayの多幸感に当てられて、ようやく二人の門出を心から祝う気になれたのだった。
この当時の出来事は自分の幼稚さを思い出すから、今でも思い出すと辛い。
それでもそれ以上にMarshmallow dayを聴くと幸せな気持ちになれるので、今でもたまにきいている。
こうして初めての親友の結婚にビビり散らかした私だったが、
その後一人、また一人と友人が結婚していき、
一抹のさみしさを感じつつもともかく「おめでとう、幸せに」と言えるようになった。
そして飲みに遊びにと、年中友達とつるんでいた私も、そうした状況になってはいよいよそうすることもできなくなっていった。
自分も婚活……とも思ったが、結婚とは一人でするものではない。誰かから好かれなければ結婚はできないのだ。
結婚しない自分のことは不安だったけど、
かといって別に誰かから好かれるために何かをすることもしなかった。
とはいえ時間はできたので、友達とつるんでいたころは言い出せなかった「本当はやってみたかったこと」を一つ一つやってみることにした。例えば地味なんだけど自分は興味ある会社の工場見学に行く、とか。
特に映画鑑賞は、友達と観に行くとなると、
趣味・興味と予定を合わせなければならないし、
せっかく予定を合わせるのに「おしゃべりできない時間」があるのも勿体ない気がして、
友達とつるんでいた時は意外と映画には行けていなかった。
その反動かはわからないが、ソロ活も板につきだした頃には3年で80回以上映画館に通いまくるような映画オタクになっていた。
話題作の公開が重なると時期によってはコンビニよりも映画館に行く回数が多いみたいになるのだが、
そうなると「観たいと思える映画がなくなる」という状況に常にうっすら恐怖がわく。
なのでちょっとでも興味が出たらすぐ観に行くか!みたいになるのだが、
そんな中、中高生向けデートムービーだろと誰も注目していなかった「君の膵臓をたべたい」が、
映画好きの間でにわかに話題になった。
ものは試しととりあえず観に行ってみることにしたが、
結論から言うと、確かに「思ったより良かった」のだが、一生忘れられない衝撃作というわけではなかった、エンディングで、Mr.Childrenによる主題歌のHimawariが流れるまでは……
(浜辺美波さんの透明感も素晴らしい作品です)
まさにこの、「君の膵臓をたべたい」という作品を桜井和寿の異常な語彙力で再構築するとこういう曲になる。
2時間の映画本編が、ミスチルのエモーショナルなロックに乗せてエンディングで正しく要約される。
その衝撃たるや……
当然、泣ける映画である今作の本編中には何度も涙腺がゆるんだが、
顔の形が変わるくらい一番泣けたのがエンディングテロップだった。
エンディングテロップっていうかミスチルのHimawariがあまりに「君の膵臓をたべたい」そのもの過ぎて……
映画のカタルシスがここに起きていた。
なんか頭を殴られたみたいに呆然として家に帰った。
余命を受け入れ気丈に振る舞う少女と、その少女のことを好きになる内気な少年。
これを桜井和寿が書くと
「優しさの死に化粧で 笑ったように見せてる 君の覚悟が分かりすぎるから 僕はそっと手を振るだけ」となる。
て、天才やろ……
いや、みんな知ってたか……いやいや……
稀代の名プロデューサー小林武史と袂を分かったMr.Childrenは、以前のような精彩を欠いているのではないか……ということをファンとして認めたくなくて、この頃のミスチルからはなんとなく距離を置いていた。
…かと思ったら全然そんなことはなかった。
Himawariを聴いて、まだこんな衝撃的な名曲が出てくるんだ、とファンとしてしみじみ嬉しかった。
しばらくしてからコロナウイルスが流行った。
たくさんのコンサート、演劇、イベントが中止、延期、中止になった。
これまで親の所属していた新興宗教の価値観を守り、禁欲的な暮らしをしてきた。
音楽のコンサートなどは享楽の極みとして、もってのほかと我慢してきた。
しかしどうだろう。
そうした禁欲の暮らしとは、実は好きなものに手を伸ばす勇気を出さないで済ませるための、怠惰な言い訳だったのではないだろうか。
「行きたくなったら、いつだって行けるし」
そういう理屈を、大好きなアーティストのコンサートに申込む労力を惜しむ言い訳にしていた。
でもコロナウイルスが流行って、
行きたかった歌手のコンサートが「いつでも行ける」わけでは、本当はなかったこと。
もし、好きな歌手がコロナで死んでしまったら。
縁起でもない話だが、
そんなことにはならなくとも、
喉の不調で歌えなくなるかもしれないし、
活動方針を変更して音楽活動から引退してしまうかもしれない。
自分だって動けなくなるかも。
そしたらもう二度とその音楽を聴くことはできないのだ。
大好きだったのに、
JUDY AND MARYのコンサートにも行かずじまいだったことを思い出した。
(ボーカルの音楽活動は続いているのが不幸中の幸い)
そういった当たり前の事実をコロナ禍で強烈に思い知らされた。
コロナ禍が明けたら、たくさん劇にも、コンサートにも行こう。
そう決意していたので、
今、本当に異常なくらい演劇なりコンサートなりに行っていて本当に金が無い。
一応申し込む前に「お金大丈夫かな…?」と心配にはなる。
でもまだ当たってもいないうちからお金の心配するとか「捕らぬ狸の皮算用やんww」とか思って安易に申し込みまくっていると、たまには当たってしまうのだ。
いざ当たると、その千載一遇のチャンスを見送る気には到底なれない。
そういうわけで今ヤバいペースで観劇なりコンサートなりに「悔いが残らないよう」手当たり次第に申し込んでいる。
先月もたまたま見かけたセブンイレブン枠とかいう謎の枠でMrs.GREEN APPLEのライブに休みを取ってまで申し込んだ。
そう考えると、やっぱり今のMrs.GREEN APPLE大森元貴の歌声はぜひ聴いておきたいと思ったのだ。
が、こちらはあっけなく落選してしまった。
本気で行く気でいたので予定が空いてしまったことを恨めしく思っていたら、ネットでたまたまMr.Childrenの追加公演の申し込みフォームを見かけた。
ミスチルのライブにはいつか行きたいとは思っていたものの、
ミスチルのライブはたいていファンクラブ枠で埋まってる印象があった上に、
申し込みにファンクラブの一定の在籍期間を求められる念の入れようで、
しかも年会費が意外と安い(3000円)のもあり、
今のツアーが終わったらそのうち入っとこ、とか思っていた。
しかし今回は一般でも申し込める機会をたまたま目にしたので、申し込んでみたら当たった。
それで今回ようやくミスチルのライブに行くことになったというわけだ。
(長すぎる)
初めてのライブで感じたこと
王と市民
ところでMr.Childrenのファンクラブの名称はChildrenという名にあやかって「father&mother」だ。
実際に横浜kアリーナに集結したミスチルのファンも年齢層が高く、50代を中心に40代、それ以下はちらほら、という感じで、雰囲気も若干保護者会ぽかった。
しかし、じゃあファンはミスチルのメンバーかわいいね、みたいな感じであの4人に対して父母の会みたいな雰囲気なのかと言うと、
ひとたびミスチルのライブが始まると、
30年、名実ともに日本を代表するミュージシャンをやってきた彼らの放つ威厳みたいのが凄まじく、
正直、Childrenとfather&motherというより王と臣民みたいな感じになっていた。
なんか、ハハーってひれ伏したくなるような……
今回追加公演の一般枠で申し込んだこともあり、かなりの天井席であったため、
終始上空からステージの彼らを見下ろしているような格好だった。
しかしそれでも彼らが王であり、我々はその臣民なのだ……みたいな圧倒的な威厳に気圧(けお)された。
なんかもうビートルズみたいな領域に足を踏み入れつつあるのかもとか思った。
ミスチルは演歌か
さて、先日SNSで今の若者にとってもはやミスチルとは演歌みたいなもんなのだ、みたいな言説が話題になっていた。
この話題を見かけたミスチル世代の人は驚いたのではないだろうか。
私も、へぇそんなもんか、と少し驚いた。
しかし実際にライブでミスチルの音楽をきいていて、なるほどな、と思うことがあった。
どういうことかというと、
私も音楽が好きで普段から流行りの曲は意識して聴くようにしているが、
世間で今、最もポピュラーな音楽の形態はヒップホップ、
もしくはBPMが早いedm、
もしくはガチャポップと呼ばれるボカロみたいな、
電子音を特徴とする曲がメインストリームだ。
どれもロックとは雰囲気が違う。
音楽の理論に詳しくないので、あまり突っ込んだ話はできないのだが笑
今の流行りの曲ばかりきいていると、気付かないうちにヒップホップ的なリズムの曲ばかり聴くことになっていたみたいで、
今回のライブで、10代の頃あんなに親しんだはずのロックのリズムにノるのに一瞬躊躇して、そんな自分にも驚いた。
あれ、拍子はどこだ?みたいな……
いや、そもそも変な拍子の曲が多かったということなのかもしれないが。
いや、それでも、ギター、ベース、ドラムによる、「ジャーン」という典型的バンドサウンドが、今回やけに新鮮に感じられた。
シンプルに言うと「聴き慣れない」と感じた。
あれほど10代の頃は聴きまくっていたのに……
なので、もはや現代においてロックとは「クラシック」になりつつあるのかもな、とか思った。
ロックが全盛だった時に若者時代を送った世代としては一抹のさみしさを感じなくもないが、
じゃあ「クラシック」というジャンルだからといって、モーツァルトやチャイコフスキーの交響曲の輝きが失われるかというとまったくそんなことはないわけで。
クラシックだろうがロックだろうがヒップホップだろうがいい曲はいい。
つまり、ロックというジャンルが今や過去のものなりかけていて、
今のメインストリームであるヒップホップやガチャポップを聴き慣れた世代はその聴き慣れなさを「演歌みたいに感じる」と表現したのではないだろうか、とか推察したしだいだ。
あなたはどう思いましたか?笑
Everything (It's you)
小学生の私が初めてレンタルしたCDだと書いた。
1997年の一大ヒット曲である。
まだバブルの恩恵も色濃い、今とは全然違う雰囲気が当時の日本にはあった。
インターネットもまだほとんど普及してなくて、
携帯電話もまだ誰も持っていなかった時代だ。
そのような時代の一般大衆の娯楽としてのテレビの存在の大きさを想像できるだろうか。
そのような時代のテレビで、最もよく流れた楽曲を制作した最も有名なミュージシャンの一角がMr.Childrenである。
当時の日本人が君が代よりも耳にした、誇張して言えば人々の生活文化というレベルにおいて国歌みたいだった曲が、このEverything (It's you)だ。(Tomorrow Never Knowsとか名もなき詩とかinnocent worldとかも)
そういう当時の日本を象徴するような曲を、
変なアレンジをすることもなく、ストレートに演奏する……
なんかあまりに現実感がなくて「そっくりさん」が歌ってんのか?とか思った(笑)
でもボーカルはそっくりさんだったとしても、
両隣と後ろにいるバンドメンバーにはめちゃくちゃ見覚えがあり、
この人達Mr.Childrenのメンバーじゃん……となり、
ホンモノのミスチルなのかよ……と遅れて呆然としてしまった。
ここまでのド定番曲を演奏されると、逆にノれない。
直立不動で聴き入ることしかできなかった。
こんな当時の空気感を閉じ込めたような曲、
いや、正しくは、
当時生きていた日本人の各々がこの曲に閉じ込めた思い出が、この曲を知っている人数分あるような曲なのだ。そういう、人々からの重すぎる想いを負わされていることを当人たちは分かっているのかいないのか、Mr.Childrenは物怖じもせず自分たちの代表曲(のうちの一曲)として堂々と演奏していた。その空間の凄まじさよ……
バブルの残り香で、今より信じられないほど豊かでイキリ散らかしていた1997年の日本は、今では見る影もなくなってしまった……とか言うと過剰に感傷的な気もする。当時と比べて、今ずっと良くなったところだってあるはずだ。
しかし、良くも、悪くも、今の日本の雰囲気は当時とはすっかり変わってしまったと思う。
そうだとしたらまるで、今は滅びた、かつて栄華を誇った王国の、宮廷音楽家のようではないか。Mr.Childrenというのは。
イマドキの音楽じゃないかもしれないけど、
だからといって魅力がないわけではなく、
むしろ気後れするほどの「格」があり、
聴く物の心に強い情動を引き起こす、恐るべき音楽家である。
アラフォー以上の年齢で、ミスチル嫌いじゃなくて、聴く機会がある方がいらっしゃったら、
ぜひ1990年代のミスチルの曲を聴いてみてほしい。
なんともいえない、
一言では言い表せない気分になると思う。
桜井和寿がかっこよすぎて
いやぁ……
私みたいなアラフォーのオバさんから好かれててもキモいだけだろうと申し訳なく思うのだが、
5分に一回くらい抱いて!みたいな気持ちになった。(処女なのにね……)
あのくしゃっと笑う顔とか……もうずっと見てきてて今さら珍しくもないし、桜井和寿も50代になってて往年のイキリ散らかしていた頃の桜井和寿のことを思い出だすと、近頃ようやくオジさんになり始めたな……とか思って油断してた。ダメでした。甘かった。カッコよすぎる。
ファム・ファタルとか、傾国の〜、なんて言葉があるけど、
見る者の好意を掻き立てて、独り占めにする。
そういう受動的なチャームのある人だと思った。
天井席でこんなに離れているのに……
桜井和寿と知り合いになりたくてたまらなかった笑
とはいえ、このような不躾な好意を抱いて彼の前に登場しようものなら、次のアルバムでヤバい女として曲のネタにされそうであるww
そう、例えばアメリカの歌姫たるテイラー・スウィフトは、しょっちゅう変わる恋人を必ず歌にしてヒットを飛ばすことから魔性の女みたいに言われているが、
しかし日本においては桜井和寿が30年も前から身近な人を次々歌の題材にするテイラー・スウィフトムーブをすでにブチかましていたのだった。
いや、実在しない人物を想像で書いているのかもしれないけどね。
ある種最強の防犯かもしれない。
俺のまわりをうろついたら次のアルバムで歌にしてやるからな、というのは……
いやぁ、思ってたよりずっと桜井和寿はかっこよかった。まいった。
セトリ一曲づつ感想
1:叫び 祈り
セトリを見たとき、また随分古いアルバム(17年前)から珍しい曲を持ってくるんだなと。
でもアルバムとかライブが始まる時のイントロとしてぴったりだった。
そりゃ、17年前のアルバムのイントロやってた曲だもんね。
2:I MISS YOU
ライブの一曲目にこんな曲を持ってくるとか傍若無人過ぎる。
ライオンキングだったらサークル・オブ・ライフが流れるところだぞ。
でもツアータイトルのアルバムの一曲目でもあるわけで、
何かミスチルなりの考えとかこだわりがあるんだろうなと思った。
miss you予習した段階で、
正直このアルバム全体的にノり方とか踊り方がわからんな……と思っていたので、
こういう静かなトーンの曲が冒頭に来ることでこのライブではモッシュをしなくてもいいんだよ、ということが暗に示されていると受け取って、安心できるなとも思った。
3:REM
デデッデデデッデというギターがカッコいいメタルぽい曲。
かっ飛ばした雰囲気が、米津玄師のキックバックに似てるかな?
こういう攻撃的な曲大好き。
Reflectionでは一番よく聴いたかも。
ようやくサークル・オブ・ライフぽくなってきたじゃねーか!ダンディドンダンディドンダディドン!
4:アンダーシャツ
曲を始める前、桜井和寿が
どぅもー!Mr.Childrenでぃす!
って言ってて、思わず「嘘ぉ!」と言ってしまった。
あの、ミスチル。
申し込んで当選して支払いして支度して電車乗って本人確認して入場してチケット記載の席に座っておいてなんだが、
ミスチルに会えるなんて夢にも思ってなかった。
なんか現実を受け入れられなかったww
それにしても、かなり古いアルバム(1999年)の歌を持ってくるのすごい。
FUNKだよねこれ。近年堂本剛が傾倒している……
これすごい古い曲だけど、昔からおしゃれな曲作っていたんだな〜という感嘆がある。
古いのに新しい感じがして面白い。
ブルーノ・マーズの未公開曲だと言われたら信じるかも。
そのくらい、カッコいい!
5:Everything(It’s you)
やばかったww
本当にデデドドンというドラムのイントロから始まって嘘みたいだった。
すさまじすぎてこの曲だけで感想1000字書いたので上に戻って読んでください。
あと、サビのエー↑え〜え〜え〜ぃのところを観客に歌わせていました。
大切なところなのであなたが歌ってくださいww
6:靴ひも
曲が始まる前のMCで、みなさんに会いたかったです!と言ってこの曲が始まった。
好きな人の多い人気の曲だと思うが、
これまで私はそうでもなくてよく飛ばしていたが、
たしかに今日ミスチルに会いに来るためにいそいそとやってきた自分の気持ちと合致しているなと思った。いい歌だな……。
7:Fifty’s map ~おとなの地図
ミスチルっぽすぎて、AIが作ったんかみたいな曲。
こういう曲が嫌いだったらミスチルなんて聴きにきたりしません。
変な言い方になりましたが、
新しいアルバムのこれといった特徴のない曲、といえばその通りなのですが、
ライブで聴くことによって「ミスチル」のライブに来た感がじわじわ全身に広がって幸せな気分になれました。
8:青いリンゴ
これもFifty’s mapみたいな感じで、
ザ・ミスチルっていう感じの曲だ。
ようやくドラムの鈴木英哉の顔が目に入ったが、
本当にあの顔(😆)してドラム叩いてるんだww
ということが分かって嬉しかった。
9:つよがり
超人気曲CANDYばっかりやるのもな〜
でもなんかCANDYぽい曲やれないかな〜、
ということでラインナップされたのでは……
とか考えながら聴いたが、
もんのすごい、イイですよね……この曲……もう、ホントに……😭
私はなんでこの曲をロマンチックに感じるんだろう。
CANDYを聴いた時にも似た感傷的な気分になる。
本当に良かった。
10:Are you sleeping well without me?
この曲をやりだしたあたりでようやく、
このライブってちゃんと曲順を考えて作られているんだなと感じた。(当たり前かもしれんが……)
前の曲を聴いた観客の気分が、曲のあいだどんなものになっているか、
前の曲を演奏した後、客席にどんな余韻が漂っているか?
それを計算して考えているんだな。
ミスチルのアルバムって昔から一本の筋として考えられているというか。
最初から最後まで通して聴くことを意図して作られていると思う。
そのアルバムの曲の「並び順」を考える技術とかセンス、って大したことないように思うけど、
現代で言うところの「DJ」の技術とかセンスに類似してて、一個の職業として成り立つくらい、特別な技術なんだよね。
そういう、国内ではミスチルくらいしか培っていないような「アルバムの曲順をいい感じに並べる」職人芸を、今回のライブのセットリストでも発揮してるんだな、とかなんか思った。
ショート動画でバズることがヒットの条件みたいになった現代では、もはや使われない技術だと思うが……貴重なセンスであることに変わりはない。
他のバンドメンバーがライトから外れて、桜井和寿だけにスポットライトが当たっていた。
桜井和寿の歌唱を存分に堪能できる。
桜井和寿ディナーショーみたいだった。
11:LOST
だからさ、新しいアルバムが合わない、とか言ってライブに来ないの勿体ないなと思ったわけ。
ミスチルの新譜なんだからミスチルのエッセンスが多量に含まれているからほぼミスチルなんだよ!
12:アート=神の見えざる手
この曲を初めて聴いた時、ガチで桜井和寿に説教したくなった。
お前まだこんなこと言ってんのかよ、と。
オメーいくつになったと思ってんのよ、と。
とはいえ。
じゃあ、
往年のヒットメーカーが50代になったとして、どういう活動をしてて欲しいのか?と自問してみると、やはり以前と変わらない熱量で音楽活動を続けていて欲しいと願う。
つまりそういう意味では桜井和寿は20代の時からずっと秩序のない現代にドロップキックしたいと言ってきたわけで(羞恥心のない10代に水平チョップしたいとも言ってた)
長年のファンから今さら行儀よくしろなどと言われる筋合いはないどころか、
むしろ本質的にはミスチルにはいつまでもこのようであって欲しいと私だって思っているということなのではないだろうか……?などと頭を悩ませることになった。
そこまで言わなくてもいいやん……みたいなことをずっと言ってる曲なので興味を持った方はぜひ聴いてみてほしい。
ともかく、現地で一体どんな顔をして聴けばいいのか……と、この曲が始まるまで不安だったが、
実際に始まってみると意外にもなんかミュージカルみたいで面白かった。
桜井和寿の演技力とも言っていいほどの表現力によって、この曲で描かれているカスな若者アーティストが舞台に降臨していたので……
桜井和寿はもしかしてミュージカル俳優になりたいのか?
えっなんかそれ、面白そうじゃん!(ミュージカル大好き!)
いや、今さらそんなことはないだろうが……
13:雨の日のパレード
直近で行ったコンサートというかライブがロッキンというかフェスだったので、
舞台は同じまま、演者だけが入れ替わるから装飾などほとんどされてないようなステージばっかり観てた。
なので今回アーティスト単独のコンサートということで、凝った映像演出があったのが新鮮だった。
特にこの曲は映像の可愛らしさが印象に残った。
14:血の管
セットリスト見たミスチルファンが一番笑う所ではないだろうか。
なんで?ww
あのアルバムでこのイントロ聴いて飛ばさずにいられた人がどのくらいいるのかww
でも!
なんと、現地で聴くと意外と良かったww
信じてもらえるか分かりませんが……
あの不気味なイントロで飛ばさずに、たまには最後までじっくり聴いていみて下さい。
意外といい曲なのかもしれません。
15:Party is over
このアルバムで一番好きな曲だったんだけど、
現地では意外と響かなかった。
演者のコンディションとかあるのかな?
いや、中盤で私がただ疲れてただけの可能性もある。
16:We have no time
中川敬輔が変な物体を持っていて、
オペラグラス越しに二度見した(この曲じゃなかったかも)
音楽に詳しくないので上手く表現できないが、
たぶん「木の部分」が無い、真ん中の弦だけのウッドベース?なんじゃないかと思う。
お腹のあたりで、両手で何かを弾いていた。
いや、何アレ??
17:ケモノミチ
アルバムで聴くとそうでもないけど現地で生の演奏を聴くと意外といい曲その②
18:365日
ベタ過ぎて好きだと言いづらい。
でも、あまりたくさん聴かないようにしてるくらい、私にとって大切な歌だ。
誰かを愛している時の気持ちを、
詩で描写したら、このようになると思う。
この歌を聴くとき、心に浮かぶ人こそが、私の愛する人、なんだろうけど、
今は飼っていて自分の命より大切にしているハムスターのことを思い出した。
対象は人でなくてもいいらしい。
つまり、愛についての歌ということなのだな。
セトリに見つけた時点で、泣いたらやだなー(恥ずかしいので)と身構えてたけど、やっぱり泣いた。し、思ったよりだばんだばん泣けてちょっと異様だった。私が。
19:記憶の旅人
ミスチルの煮凝りみたいな曲。
初めて聴いた。今年(2024年)の曲なんだね
なんかライブの終わりが近づいている予感がして切なかった。
この時間が一生続いて欲しい……
終わらないでー
20:The song of praise
miss youはちゃんと予習しいてたものの一つ前のアルバムはチェックしそびれていたため、合唱のところで
Singing!
と言われてもドギマギしてまわりに合わせるのみであった。
でもこれ、すごいいい歌じゃない?
家帰ってからもっかい聴こうと思った。
21:End of the day
エーンドーザデエーイェーイ!
とみんなで叫ぶのが楽しい!曲。
リズムが楽しくて踊りたくなる
22:未完
そういうわけでReflectionもちゃんと聴いてなかったのだが、
今回のMCで桜井さんが
2年前に半世紀へのエントランスというタイトルで30周年ライブをやった。
それというのは、
Mr.Childrenとして50周年を目指す、と決めたから、そういうタイトルにした。
ここから約20年、いけるとこまでいこうと思うのでついてきてください、
的なことを言ってて、
なるほどなと思った。
だから、セットリストにには「未完」とか「終わりなき旅」というタイトルの曲が入っているのだと。
そう考えると、どういう意図で出したのかよくわかんないなと感じていたmiss youだが、
30周年で仕切り直したんだとしたら、
セカンド・アルバムみたいな気持ちで作ったのかな?なんて想像した。
だから、キャリアの始め、みたいな気分で作ってて、実験的なことも全然やってみるし、書きたいことあるなら忖度しないで書いた、という。それなら納得できるなと。違うかもしれないけど……
栄華を極めた、キャリアも長いアーティストが、今さら初心でやろうとしてるっつーんなら、すごいな、と。
23:終わりなき旅
すさまじい……
「終わりなき旅」を演奏してるMr.Childrenを観たことある?
1990年代の日本を(音楽で)実質支配していた王のパフォーマンス。
それなのに、お前らに聞かせてやるからなみたいなイキリもなく、
かといって何万回やらせんねん、みたいに飽きてウンザリしてるわけでもない。
変なアレンジもなく、ただストレートに、泰然と演奏する。
Everythingの時もそうだったけど、
客席の私は、ノるというより直立不動で口をあんぐりあけ、呆然とし、
感情がたかぶった時にのみハラハラと涙を流す。
そんな反応しかできなかった。
すごすぎて言葉を失った。
アンコール
SNSで話題になっている、
The song of praiseのお〜お、お〜お、お〜お、おお〜お〜の合唱を観客が自発的にした回に私もいた。
私はレベル7上手側にいた。
自信ないが、最初に聴こえてきたのはレベル5かレベル7の下手側あたりから始まった気がする。
それで私たち上手側もすぐに拍手をやめて、それに和したのだった。
こうして2万人近い初対面の人間が、打ち合わせもしないでアドリブで一つの行動を取るって奇跡みたいだと感動した。
桜井和寿も喜んでいました笑
24:Hallelujah
ぼくはキリスト教徒ではない、
でもキリスト教徒がハレルヤ!と叫びたくなる気持ちは分かるような気がする、というMCで始まった。
キリスト教徒である私はそれで急に現実に戻され、
へぇ、では、あなたは何教徒なんですか?
とかききたくなった。
とか思いつつオペラグラス越しに見ていたら、
桜井和寿は十字架のネックレスをしていた。
クロスのネックレスはキリスト教徒以外したらいけないということはないが、
ぼくはキリスト教徒じゃない、
とあえて明言する機会のある場にわざわざつけてくることもないだろうと思う。ガバガバやないか
でもそういうところが、好きだ
まぁ、スタイリストが深く考えずに選んだんだろう。
いや、Hallelujahやるから、あえて敬虔なキリスト教ぽいモチーフを入れたのかもしれない。
それなのに私みたいな狂信者に重箱の隅をつつくようなイチャモンつけられて可哀想。
みんなでハレルヤ!と繰り返し合唱して、めちゃくちゃ感動した。
25:優しい歌
わたしが人生で一番聴いたアルバムの収録曲である。
曲が始まった途端うおおおあああーー!みたいになった。
しかし!
「優し〜歌〜」のすぐ後にウォーォーというコーラスがはいるのだが、その直後の
「くすぶ〜っていた〜」の後ではウォーォーはしない。
けど、1割くらいの人がくすぶ〜っていた〜のあとに思わずウォーォーしてしまっていて、
これは耳にタコができるくらい優しい歌を聴き込んだ者には起き得ないミスだ。
しかし!
この優しい歌でコールをミスってた人達は先ほど完璧にThe song of praiseでお〜おお〜おお〜お、おぉ〜お〜をやってみせていた。
逆に私はThe song of praiseは聞いたことなくて、その時はうまくコールできなかったわけで、
ミスチルって、意外と新規ファン(ここ10年以内にファンになった人)多いのか?と感じた。
このライブに来てる人の年齢層こそ、アラフィフかなぁと感じたが、でも見た目年齢とファン歴は関係ないといえばないもんな。
ミスチルを三期に分け、Qまでが初期、IT'S A WONDERFUL WORLDから(an imitation) blood orangeが中期、Reflection以降が後期、としたらどうだろう。
ミスチルの曲って多彩過ぎて別アーティストくらい雰囲気が違っているが、ファンの好みも大別してだいたいこの三期に分けられるのではないか?
でもこの三区分言ってる人いたら絶対文句言うと思う、私(笑)
少なくとも面倒臭いやつがミスチルのファンなのは間違いないだろうな。(笑)私がそうだから
26:Sign
今回ライブの予習をする際セットリストを調べたがアンコールの記載された箇所を完全に見逃していたため、4曲とも全部何やるか知らなくて毎曲イントロで新鮮に驚いていた。
このSignに関してはタイトルもサビも思い出せないのにイントロのピアノが始まった途端ガツンと頭を殴られたみたいな衝撃があって、曲のタイトルが出てこないままAメロの歌い出しから完璧に歌詞がスルスル出てきて自分でも気持ち悪かったww
(リリース当時は狂ったように聴いていたが、最近は全然聴いてなかったので)
左隣のお兄さんも右隣のお姉さんも私も、身体が自然にタンポポみたいに左右に揺れた。
なんて、素敵な歌なんだろう。
27:in the pocket
もちろん聴いたことない曲だった。
でももう、好きとか嫌いとかそういうんじゃないのだ。もはや……
子供の頃から知ってるバンドが、これからあと20年はやるぞ、と言ってくれてる。
しかも最新曲です、と言って、
2ヶ月前にリリースしたばかりの新曲をやってくれる、その嬉しさがあなたに分かるだろうか。
誰だってフォローしているアカウントの更新がずっと止まっていたらさみしい(グサッ!←インスタを放置している人)
逆にフォローしているアカウントが、いつもアクティブでいてくれたら、誰だって嬉しいのではないだろうか。
いつまでも、音楽やり続けてくれ、Mr.Children
ミスチルに関しては大人ぶって「とはいえ、人生でどんな選択をするとしても、本人の自由だよね」なんて俯瞰した物言いはできない。
お願いだから、歌い続けてくれ。
またコンサート行くからさ!
ポケットのCANDY
帰ってきてから、というか会場の外に出てからというもの、ミスチルの曲しか聴けなくなるという謎の症状に見舞われた。
人生で何度目のミスチルブームだろう
私にとってミスチルの曲は、
ポケットに入っていて出かけた先でなんとなく食べる飴玉みたいな存在だった。
食べた個数なんて覚えていないけど、
落ち込んでどうしようもない時も、嬉しくて仕方ない時も、
食べたらいつもちょっと安心する。
実はこの飴玉の表現はYouTubeで公開されている2017年のライブ映像の桜井和寿のMCから引用している。
私の中のミスチルを好きな気持ちさえ、
桜井和寿に言い当てられている。
自分の表現くらい自分で考えろ!生殺与奪の権を他人に握らせるなッと冨岡義勇に怒られそうだ。
でもミスチルにだったら多少握られていてもいいかな。
ていうか仕方ないことな気もする。
圧倒的な才能の前で凡人にできることなんかないのだ。
これから先、人生で嬉しいことがあっても、辛いことがあっても、
ミスチルの音楽がそばにいてくれるから大丈夫。
そういう心強さを持ち帰ってきた。
20000文字読んでくれた方、ありがとう。
ぜひあなたの20000字語りも聴かせてください。
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