何でこうも揺さぶられてしまうの
私は、良くも悪くも感受性が豊かだ。良いように言ったけれど、要は笑い上戸の泣き虫。本当にすぐ泣くし、本当にすぐ笑う。赤ちゃんみたいな存在。成人して数年経ったのにこれは良くないと思いはするものの、治し方が分からないからそのままでいる。
そんな私は3/1から「就活生」になった。リクルートスーツを身につけて、街を闊歩する女戦士だ。装備品は経験のみ。髪も服も真っ黒に染めて、パンプスをかつかつと鳴らしながら、面接会場へ向かう。
だけど私は弱かった。元より就職に対して志が低かった。適度に働いて、適度にお金もらって、生活できたらそれで良い。こんな人間が働くべきではない、と言われてしまったらそれまでだけれど、職に対してのモチベーションがそんなもんなのだ。仕方ない。許してくれ。
でも、志は低くてもそれなりに打たれ弱い。合同企業説明会に行くたびに、ビビり散らして、すぐに帰りたくなる。
先日、横浜の合説へ行った。初めての横浜駅。初めて出会う企業。大変勉強になった。が、合説が怖すぎた。
まず、ブースの間を歩き、目当ての企業を探すだけで、死ぬほど声をかけられる。まるでサークル勧誘の時みたいに。私は陰キャなのでサークルにも入らず、勧誘も避けて生活していたのもあって、マジで怖かった。何回「すみません」って言った?その度に罪悪感を感じて、罪悪感を感じるたびに「罪悪感なんて要らなくね?」って思った。ちょっと落ち着いて、席で待っててよ。
で、何とかかいくぐって、目当ての企業数社を回り、帰宅。その途中。初めての横浜駅で、JR線を探しながら歩いていた時。
目の前からきた50代くらいの女性に肩が取れる勢いでぶつかられた。私は少しよろけて、数歩後ろに下がった。2.3歩、かつかつと。
精神的にも、身体的にも、最上級に疲れていた。だから私は、気づいたら、大泣きしていた。重篤な花粉症患者なので、マスクをつけていたから良かったものの、鼻水垂れるわ、涙止まらないわで。マスクもぐちゃぐちゃ、鼻セレブも4つセットで買っていたのにほとんど使い切っちゃって。
情けない。ほんの少し、心が乱れただけなのに。もしかしたら、ぶつけられて後ずさりした2、3歩は人よりも幾分か遅れている歩数なのかもしれない。2、3歩だったらまだ良い。10、20、100、1000。それ以上遅れている。遅れが悪いわけじゃないだろうけれど、焦ってしまう。焦りは禁物だ。焦った瞬間に視野が狭くなる。冷静に、冷静に。着実に、一歩ずつ。遅れた歩数は、大股でショートカットしよう。でも、ヒールで足が疲れたな。嫌だな。辛いな。
そんなことを、グダグダと横浜駅の女子トイレで30分くらい考えた。
そろそろ訪れる電車のため、マスクを新しいものに付け替えた。元気づけるためにトンツカタンのネタ動画を死ぬほど見た。
その日2枚目のマスクは、トンツカタンのおかげで濡れなかった。