【SH考察:012】レニーの友達ジョニーと医者ジョンは同一人物であると言える根拠
Sound Horizonのシングル『ハロウィンと夜の物語』に登場する少年ジョニーと、アルバム『Nein』の『言えなかった言の葉』に登場する医者ジョン。
先に結論を述べると、私はこの二人を同一人物だと推定している。
その理由をまとめた。
対象
Story Maxi ハロウィンと夜の物語より『おやすみレニー』
9th Story Neinより『言えなかった言の葉』
考察
少年ジョニー・リヴァモア
『おやすみレニー』に登場する少年。レニーと友達になった、奇しくもレニーと同じ苗字Livermoreを持つ者。それがジョニーだ。
明確な年齢は不明だが、ハロウィンではしゃぐくらいには子どもで、ただ他の子どもを率いるくらいにはお兄ちゃんっぽさがあるため、ざっくり10~15歳くらいに見える。
彼はおそらく、レニーのいとこ、つまりキャサリン・リヴァモアの甥(兄の子)の可能性が高い。
キャサリンの兄、シェイマスだかウィリアムだか(面倒なので以降シェイマスと呼ぶ)とディアナの間には子どもがいる。
シェイマスはディアナと子を遺して、背後から刺されたことが原因で死亡してしまった。
キャサリンはシェイマスがアメリカに渡った後しばらくしてから、その消息を追えていない。
シェイマスに子がいることや、その子の名前が何かも知らない可能性が高い。
キャサリンが
「あなた…ジョニーが…ジョニーが!」
と、泣きそうな声で言ったのは、苗字や顔立ちで感づいて、場合によってはジョニーかディアナから話を聞いて、ジョニーが甥であること、シェイマスが死去していることを知ったからこその声だったのかもしれない。
医者ジョン
『言えなかった言の葉』に登場する医者。年齢の割に早くも純白髪、白ひげの男。それがジョンである。
彼が受け取るはずが、主人公の女性が風に飛ばしてしまった手紙には、以下のように書かれていた。
全文英語なので、意訳も添えた。
医者ジョンには、本土にこの手紙の差出人である、年老いた知り合いがいることがわかる。
そして、医者ジョン自身の昔の記憶に、何か辛いことがあったことも。
少年ジョニーは医者ジョンなのか
時系列でみると、以下のようにさほど違和感はない。
ハロウィンと夜の物語は、全体的に時代背景が鮮明で時期感が特定しやすい。
キャサリン・リヴァモアはサンフランシスコがゴールドラッシュの影響で栄えた後、1850年代に移り住んだはずだ。
仮にキャサリンの移住が1850年としよう。
キャサリンは船内で既に妊娠中だったため、レニーは移住直後に生まれていることがわかる。
レニーが5~6歳頃、ジョニーと友達になったとすると、1855年頃。
1年後にレニー死亡としても、だいたい1860年になるかならないかくらいまでの話となる。
そして、ジョン先生が赤子に使ったアスピリンは1899年に発売。
『言えなかった言の葉』は明らかにこの販売直後の話だ。1900年としよう。
そうすると、1860年に10代だった子どもは、40年後の1900年には50代になる。
50代で純白髪、頭髪全部が真っ白だったら「年齢の割に早い」だろう。
ジョン先生の特徴と合致する。
ジョン先生は昔の記憶に何か囚われている様子がある。
レニーは余命僅かだったが、両親の意向で安静にさせず、ハロウィンの参加を許した。
その結果、キャサリン曰く「ハロウィンを終われなかった」。
これはハロウィンの最中、ジョニーたちとお菓子をもらいに行脚している最中に死んでしまったと考えられる。
もしまだ子どものジョニーが、子どもたちのリーダー格のようだった彼が、一緒に歩き回っていた友達が死んでしまったらどう思うだろうか。
自分が連れまわしたからレニーが死んでしまったのでは?とは思わないだろうか?
結論
私は、ジョニーはジョンだと考えている。
ジョン先生が最後に受け取ろうとしていた手紙の差出人もキャサリンで、レニーの死について、ジョニー=ジョンが自身を責めないように、思いを伝えたかったのではないか。
―――
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他にもSound Horizonの楽曲考察記事を書いています。
更新履歴
2023/04/19
初稿
2023/04/22
サムネイル変更
2023/05/02
歌詞引用元表記修正
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