2024/10/20 (生)林檎博'24 ~景気の回復~ 新潟
私の心の景気が回復しました。間違いなく。
~セットリスト~
1.鶏と蛇と豚
2.宇宙の記憶
3.永遠の不在証明
4.静かなる逆襲
5.秘密
6.浴室
7.命の帳
8.TOKYO
9.さらば純情
10.おとなの掟
(MC)黒猫屋新若旦那(次男)
11.MOON (REBECCAカバー)
12.ありきたりな女
13.生者の行進
14.ジプシー / あっぱ (Cover)
15.人間として
16.望遠鏡の外の景色
(メンバー紹介)
17.茫然も自失
18.ちりぬるを (w/イッキュウ)
19.ドラ1独走
20.タッチ (岩崎良美カバー w/Daoko)
21.青春の瞬き
22.自由へ道連れ (w/イッキュウ)
23.余裕の凱旋 (w/Daoko)
24.ほぼ水の泡 (w/もも)
25.私は猫の目 (w/ももイッキュウDaoko)
アンコール
26.初KO勝ち
27.ち☆ち☆ん☆ぷいぷい
エンドロール
28.2◯45
久しぶりの朱鷺メッセ。
最近はめっきりドデカい会場ばかりだったので、記憶よりうんとコンパクトな会場に感じた。
なんと友人が取ってくれたチケットはかなり良席で、ステージから数メートル真ん中の席。感謝。
20分ほど押して開演。
開幕、リアルで美しいグラフィックに感動。
演出ゴリゴリのライブって久しぶりだ。
ハイトーンのウェイビーなボブヘア。
法外な美しさに笑ってしまう。
なんだあれは?
「鶏と蛇と豚」ってめちゃくちゃかっこいいじゃないですか。
ヒリヒリして、ザワザワして、此方ではないどこかに引き込まれるような、あの空気感。
たまらないねぇ。笑って天を仰いじゃうのよ。
オープニングが終わり、彼女が下りてきた。
天から。
眩しく光るブロンドヘアにはきらびやかな王冠。
真っ赤にたゆたうローブ。
私たちを見下ろし「地球の皆さん」と声をかける。
ここは一体何なんだよ。
真下のオーケストラピットにはねこさん率いる大楽団。
そして気づく。ギターが名越由紀夫だーーーー!!!
大好きな名越さん。そうだよね、椎名林檎なんだからいたっておかしくないじゃん!!
去年YUKIのライブで本物の名越さんのギターを聴いて虜になって以来の再会。本当に本当にうれしくって感激。
しびれるギターにうっとり、そしてがっちりと胸をつかまれた。
バンドメンバーが
ギター名越さん、
ピアノ伊澤、
ドラム石若さん、
ベース鳥越さん、
ねこさん率いる「銀河帝国軍楽団」
本当に音楽が全部全部よかった。
席が近かったので、すぐ音が届くし、楽器ごとの音がはっきり区別できるし、贅沢で贅沢で、身体が揺れて、興奮した。
何度でも体感するけど、魂こもった音を浴びせられると、本当に彼らへのリスペクトでいっぱいになるし、軽率に私もそうありたい、と思わされる。
月並みだけど、「すごい」のだ。
お衣装も桁違いであった。
最初の謁見、深紅のローブにくるまれた女王様、
リボンにまみれたピンクのベビードール、
真っ白でたっぷりなシャツを羽織ったかと思ったら、
白いミニワンピースに白いガーターストッキング、
またも白いたっぷりな羽織を肩に下げそこには真っ白な少女、
気づいたら貝殻の中に横たわるたわわなブルーの人魚、
打って変わって、レオパード柄のレオタードにドレッドヘア、
そのままステージでお着換えし、
イエローのパンツに、サテンシャツに、オーバーなジャケット、
しばらく出てこないと思えば、黒のお着物を身にまといミニマルなショートヘアで睨む、
次に出てきた時には、グリーンのBBユニフォームに真っ黒なロングヘアで一転、
さらにピンクのカーリーヘアにゴールドとシルバーのキラキラフォーマルスタイル、
本編最後のお衣装は、ピンクのスカジャンにスカートをふわり、
アンコールはTシャツにイエローのジャージを羽織りボクサースタイル
意味わからん早着替えに(引田天功かよ)と思った。
(意味わからんけど)
ゲスト様と歌う曲は、お揃いのお衣装をお召しになっており、かなり良かったです。
「ちりぬるを」はマイクが2台置かれたのが暗転の時にうっすら見えてはいたけど、曲が始まった瞬間袖から真っ黒なお着物に包まれたイッキュウさんが登場し、感激。
私はtoricotも好きなのでね、こんなデカい会場でキラキラにおめかしした彼女を見れたことが、すごくすごく奇跡でうれしかったのです。
相変わらずよい歌声で、椎名林檎を殺さず、椎名林檎により生かされ、最高の歌でした。
daokoちゃんは、林檎と同じグリーンのユニフォームを着て最初の登場。
まさかの野球ユニフォームにちなみ「タッチ」をデュエット。
椎名林檎の「タッチ」ももちろんうれしいが、名越さんの「タッチ」を聞かせてもらえるなんて…ギターソロフレーズはシンプルだからこそガツンと痺れました。
チャランポランタンももさんは、シルバーとゴールドのフォーマルスタイルで林檎ちゃんと合わせ。
林檎ちゃんはジャケットに少しふわりとしたスカートだった気がするけど、ももさんはきれいなAラインワンピースだったな。
小柄なからだなのに、あの声と、力強さとで、存在感がすごく、とても魅力的でした。
このキラキラフォーマルスタイルと、最後のピンクスカジャンスタイルは、4人でそれぞれテイストを合わせたお衣装を着ていらして、近い席でよかった~~!と改めて嚙み締めた。
それぞれのキャラクターに合わせたデザイン、とても凝っていて溜息。
椎名林檎の曲、
もちろん好きなものがたくさんたくさんあるんですけど、実は「自由へ道連れ」が本当に本当に大好きで、この曲聞けたのが本当にうれしかった。涙が出た。
アレンジもイケていて、拡声器での歌唱だったんですが、1番Aメロはなんとイッキュウさんのお歌だったのです。
めちゃくちゃよかったよ。
あの少しだけ気だるそうな、無機質な人形のような歌いだし、彼女の声ともかなり親和性があり、感動でした。
林檎さんは、逆に渋い落ち着いた声で歌いあげておりました。
そして名越さんのギターである。
ステージがあまりにも輝いていて、大好きな歌詞が脳に流れてきて、全身が喜んでいるのがわかった。
感動。
「破壊」と「建設」の間で立って居てよ
「気分」と「合理」の両方で迷って居るよ
うずくまりそうになる歌詞。
「生きている証は 執着そのものだろうけど」
「おとなの掟」
みんな好きな曲でしょう?
めちゃくちゃよかった。
「おとな」ってなんだよ、と思う。
おとななんて定義はなくて、覚悟なんだと思う。
自分に責任を持つこと、逆に持たないこと、誰かを守ること、誰かを選ばないこと、傷つくこと、傷つけること、全部に対する覚悟なんだと思う。
「自由を手にした僕らはグレー」
「青春の瞬き」
雨が降る夜のグラウンドに、ひとり佇む彼女。
伸びやかなサビが、雨の音とまじって、切なくなった。
前向きな歌にも聞こえるのに、どうしても切なくて仕方ない。
失う歌でもあるからか。
さみしい気持ちになる。
エンディング、
4人の女たちが、様々な彼女たちが、力強く、笑って、我々を送ってくれたこと、あまりにも心強くて、あまりにも勇気づけられた。
彼女が話したのは二言。
最初に我々を出迎えた時と、別れの時。
実に濃密で、上質で、幅が広く、奥行きがあり、ドキドキもすれば、落ち込みもする。彼女に翻弄された2時間であった。
夢みたいだった。
目からも、耳からも、全身からも、たくさんのあらゆるものを浴びて、そして私の中の景気が回復してゆくのを感じました。
こうやって魅了されるのだ。
終演です。
また私の毎日が始まる。