ファジアーノ観戦記 2024年5月3日 モンテディオ山形戦
カモシカの洗礼
4月中旬、GWの子供たちの予定が野球の練習に決定し、5月3日の私の予定が丸々空くことに。よっしゃ山形に行ける!と新幹線の予約状況を見たら、すでにほぼ全滅。夫に言うと、「そりゃ帰省するからな」
あー、そうか、そうよね…。早く確保しないとだめよね…。
それでも諦めきれずに検索をしていると、宇都宮発山形着の席が空いていることを発見!ただしグリーン席でお高め。ええい、自分へのご褒美にしようでないの!と即決。席が取れたのは奇跡。
そして3日当日。宇都宮まで在来線を乗り継いで、宇都宮から山形新幹線に乗車。つばさ号とやまびこ号が接続しており、福島駅で切り離し。つばさ号が山形へ向かう。旅は順調かと思いきや、福島駅の手前で、カモシカが線路に侵入し遅延が発生しているとのこと。尚帰りの新幹線でも、カモシカには遅延で振り回されることになる。
ともあれ初めての山形、新緑が綺麗と思えば、遠くの山の頂に雪が残る。それをただぼんやりと眺める時間が幸せ過ぎる。グリーン車なのでより快適。遅延はあったものの、山形駅に無事到着。奥羽本線に乗り換えて、天童南駅へ。
スタジアムはお祭り騒ぎ
天童南に到着して目についたのが、将棋のモニュメント。歩道の柵にも将棋の形。モンテディオ山形のマスコット、ディーオ君も将棋を持ったイラストが。将棋の街なんだなあ。
総合運動公園への案内看板を見ながら(というか山形サポについていきながら)NDソフトスタジアムへ到着。
この日は子供の日イベントで、はたらく車の展示が開催されており、家族連れが消防車等に乗せてもらって楽しそう。スタグルのエリアに行くと、キッチンカーや屋台が広いエリアのあちこちに。5月にしては強い日差しでも、山形サポがおいしいものを求めて列に並ぶ。小さな子がいる家族連れも、ユニフォームを身に着けた老夫婦、友達グループも。楽しい雰囲気にこちらもテンションがあがる。山形のサッカー熱もなかなか凄そう。
スタグルを探し求めていたら、山形の渡邉監督の素敵な笑顔の看板につられて、ホットドッグに決定。現金不可で電子マネーで支払い。お腹がすごくすいていたので2本買ったら結構なボリュームでしたが、玉ねぎの酢漬けやトマトのソースが効いて、あっさりペロリと完食。
余談ですが、これだけ食べたにも関わらず、帰って体重測ったら1キロ近く減少。NDソフトスタジアム、広いのでかなり歩きました。ビジター側の入り口まで距離あったし、スタグルのお店をあれこれ探したり、スタジアムまでも20分くらいあるいたし。歩くことはダイエットの基本ですな。
撮影に徹してみた
いつもは声出して応援に参加しているけれど、今回はカメラでの撮影がメイン。応援の位置からは少し離れてカメラを構える。前にほかの方が1000枚くらい撮影したというのを聞いて、いい写真を撮ろうと思ったらたくさん撮ってみようと思い立った次第。
望遠機能を利用してカメラのフィルター越しにサッカーを見ると、選手の表情や動きがよくわかる。スポーツで写真を撮る面白さはこういうところだろうか。
この日の山形は風が強く、カメラを構えていると風で腕がかなり揺れて写真がぶれてしまうことも。脇を締めてカメラを固定、風との闘いになった。
山形にゆかりのある3選手
今の岡山には、山形にゆかりのある3選手がいる。末吉選手、柳貴博選手、そして藤田選手。特に藤田選手は昨年まで山形で活躍しており、私がいた席の近くで山形サポらしき少年が、いぶきとかかれたゲーフラを掲げるほどの人気選手。スタメン発表で上記3選手は山形サポから拍手されていたが、藤田選手は特に大きな拍手だった。
試合後、藤田選手がディーオくんや元チームメイトに挨拶しているのが印象的だった。
試合
そして試合開始。前半はゴールこそなかったものの、選手の動きが明らかに前節の清水戦とは違う。清水とは明らかに格が違うことを思い知らされ悔しい思いをした。さらにこの山形戦の前、負傷者が多く野戦病院状態になっていることを知り、かなり不安があった。しかしスタメンを見ると、その不安を払しょくするメンバーがそろった。
試合開始からしばらくは山形の動きが硬そうに見えたが、どうにも点が入らない。結局スコアレスのまま試合は折り返し。
そして後半怒涛の展開になる。
後半6分にグレイソン選手のゴラッソが決まったと思ったら、13分にオウンゴール。しかし28分に途中出場の田中雄大選手がゴール!目の前のゴールに盛り上がる岡山サポ。この点で勝ってほしかった、なのに。
山形の怒涛の攻撃が続く。このままではいわき戦のようになってしまう。1点では足りない、追加点が欲しい。もしくは逃げ切ってほしい。必死で祈る。ピッチを見るのが怖い。
後半ATは7分、長いよ!耐えていたのに、49分同点ゴール。スタジアムに「ゴーーーーーーーーーーーーール!」のコールが恐ろしく大きく響く。
岡山も勝ち越そうと山形ゴールに迫るが、入らない。時間が迫る。もう少し時間が欲しい。
そんな祈り空しく試合終了。いわき戦の悪夢再び。負けに等しい引き分け。絶望が果てしない。気力を奮い立たせ、帰路についた。
悔しい
感想は、悔しい、その一言に尽きる。
前節の清水戦で打ちのめされて、今日の試合でまだ希望があることを見たかったのに。
こんなに悔しく感じる理由を考えてみた。岡山がよくやられるパターンでの引き分け、今年こそとメンバーをそろえたのに調子が停滞、3月まではいい調子だったのに今は4位、下のチームとの差が縮まり、首位清水との差が広がる現実。いつぞやみたいにずるずる落ちるのかという不安。いろんな考えが渦巻いた状態だった。
また、グレイソン選手の状態も心配。ゴールの後のプレーで倒され、担架でピッチの外へ運ばれた。その後歩いていたが、次の徳島戦はどうなるのか。
清水戦に比べるとずっといい動きはしていた。まだシーズンは半分以上あるし、けが人が復帰すればチームの伸びしろもあるだろうが、どうしても目の前の結果が立ちはだかる。
勝負の世界は、厳しい。すぐに徳島戦がある、それまでに気持ちを切り替えたい。
追記 サッカーがつなぐ縁
今回、とても心に残った出来事を一つ。
先にも書きましたが、去年まで山形でプレーしていた藤田選手。今でもその人気は健在。
私のいたエリアはモンテディオの格好をした人は入れないエリア。そこにひょっこりやってきた山形キッズの団体。(XのTLの情報によると、藤田選手の息子さんが所属されていたサッカーチームのお子様達らしい)
選手入場の際に、そのうちの一人が「24 いぶき」と書かれたゲーフラを掲げる。なんとも微笑ましい。
そして試合終了直後。一番前の席に座っていた岡山マダムが、山形キッズたちに声をかける。
「こっちにおいで、一緒に選手を迎えよう。」
山形キッズが
「ええ、いいんですか!」
と嬉しそうに柵の前に集合、「24 いぶき」のゲーフラも忘れずに。その時の子供たちの嬉しそうな表情が忘れられない。サッカーが繋いだ出来事、もちろん藤田選手の人徳もあってのことでしょう。
スポーツがもたらすものは、とても素敵な交流でした。