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UFOを見た

あれは夏の終わりのことです。
小学3年の私は学校が終わると、ランドセルを自宅に投げ捨てて
すぐに友達の家に駆けだします。

私の両親は共働きで祖母に面倒をみてもらっていたので、その日も
いつも通り家に着くとすぐ、
遊びにいってくる!と家を飛び出しました。
田舎で育ったこともあり、集まる場所と言えば必ず公園か友達の家です。

小学生の頃は休み時間も走りまわって、放課後もサッカーや鬼ごっこと
よくもあんなに走れたなと思います。

友達の家にいても、公園にいても小学3年の私には一応門限があり、それは母が帰ってくる5時です。
ちょうど、5時になるとサイレンがなり、その音楽が聞こえるといつも走って帰っていました。

音楽が聞こえて家に帰っている途中に私はつい、足を止めてしまいました。
時間にすると2分ほどだったと思いますが、体感は30分ほどに感じました。
空に飛行機ではないなにか物体が飛んでいるのが見えたのです。
衝撃で飛行機ではなかったことは確実ですが、それがなんなのか、まったくわかりませんでした。

急いで家に帰って、夕飯の準備をしている母に
UFOをみた!と話しました。
母は笑って
どんなんだった?
私は、みたまんま
飛行機じゃない、なにかが空に向かってとんでいった!と高鳴る気持ちを抑えながら精一杯言語化しました。
すると母は笑いながら、それUFOやないんじゃない。と言いました。

その時は私は絶対UFOだと思ったし、母は見ていないからきっと信じて
いないんだと思っていたのですが、3年後くらいに
その時の話をする機会があり、母にきいてみるとその日は
ニュースでロケットの打ち上げがあったらしい。
きっと私はそれを見たんだとわかっていたらしい。

その時、母がロケットだといってくれれば私は宇宙人について好きにはなっていなかっただろうし、宇宙飛行士を目指していたかもしれないのに。

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