姉妹

親から見たらいくつになっても子は子に変わりはないのです
双方とも年齢を重ねて見た目がすっかり変わったとしても
親は親
子は子だと思うのです
よく年をとると子供に戻ると言われますが
元々、子供っぽい大人はどうなるのかな……

久しぶりに会った母親はイキイキして
最近あった出来事を話してくれた
前回はすれ違いで会えずじまいだった
せっかく焼きたてのおいしいパンを
手土産にしたのに残念
でも出かけているのは元気な証拠
そんなふうに思いなおし帰宅した

今回訪ねたのはお昼前
少し小腹のすく時間
コンビニで温かい中華まんを購入
お茶を飲みながら一緒に頬張るのを
楽しみに訪ねた

家の前にガチャガチャと
自転車を停めていると
私の名を呼ぶ声が、母が私に呼びかけた

玄関を開けて「お邪魔しまーす」
母は割烹着に前掛け姿で迎えてくれた
今日は天気が良く暖かいので
そろそろ出かけようと思っていたらしい
悪いので早々にきりあげる旨を伝えた

話の最中に妹が無言で
私達の横を過ぎた
ダイニングキッチンの椅子に座らず
立ち話している私達

紆余曲折あり私たちは言葉を交わさない
母はその関係性を知ってか知らずか
おかまいなしに妹に言う
「こんにちわ」くらい言いなさい
まさしく子供に言いきかせている母親
私たちは年齢的にいい大人
でもここにいるのは
子供に母親
母の目に映る私たちは
姉妹
今日まで成人してからそれぞれ
色々な環境の中生きてきた
姉妹といえどももう同じ環境で
生きてはいない
それぞれがそれぞれの
思いを抱いて今を生きている
もうそろそろ帰るねと伝えると
いつも母の口からどんどんと
新しい話が出てくる
話したりない様子……
話の最後に母が言う
アンテナを張って生きていかないとね
両方の人差し指を頭に付けながら
なんだかその姿が可愛らしい

また来るね
そう言って玄関を出た
お母さん
ずっと元気でいて欲しい
今そんな気持ちです