移植と記録装置

今際の際のアリスを勢い余って2シーズン見通した。
小説原作の映画化やドラマ化から、漫画原作の実写化が増え続けているけど、媒介がちがうものに移動すると違和感というかなんか違うって思う。
体内に移植手術を施したような感じかもしれない。

本とか文字を残すことは、喋った言葉を忘れられないように記録するものだった。声に出してつたえるために書き残しておくものだったので、声に出ずに黙読している姿をみかけるとびっくりしたらしい。
文字は声に出して読むための記憶装置だった。
印刷技術ができて、どんどん移植されて、プリントされて、転写されて変質していく。漫画の原画展やイラスト作家の展示に行くと記憶が呼び覚まされたりするのは、情報量やひとつひとつの過程が残っているからじゃないかな。
文字を体に入れること、声を体に入れること。すべてが人につながっているから、身体を、声を生かし切れるように。生きるということ。

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chirico kaworu
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