【#9 飛行機note】 パイロットさんの「お引越し」
飛行機好きから偶然に飛行機先生に遭遇。以来、素人な質問を投げかけてたまに呆れられながらも丁寧に答えて下さり、飛行機に関心深まるSora*noteです。
空港には大小いろいろな機体が並んでいます。日本に就航している飛行機のほとんどはエアバス社がボーイング社(偶然にもAとB!)の2社、あとは小型のプロペラ機はボンバルディア・エアロスペース社など。大型機といえばジャンボ、Boeing747、政府専用機にも使われていましたが今は全てご退役、B747に近い大型機 B777、通称トリプル。そしてANAさんのフライングホヌ!Airbus380、エンジンが4つある大型機、間近でみると迫力あります。JTAさんのジンベイジェットB737、そしてJALさんの新型機種としてAirbus350...などなど。
大小様々な機体がありますが、エアラインパイロットさんが操縦できるのは一種類の機体のみです。車の免許のように同時に複数種類を操縦することはできません。ですので、機種が退役したり新しい機種を導入する場合、その機種を操縦するためにパイロットさんたちは訓練をしてライセンスを取得して機種移行します。違う機種へ移行することをパイロットさんの間で「お引越し」と言うそうです。新しい機種の仕組みの座学に始まり、フライトシュミレーターで訓練を繰り返し、口頭試験や各種実技試験があり最後に実機でお客様を乗せてチェッカーと一緒にフライト、合格してようやくライセンスを取得するのだそう。訓練は機種や会社の判断などにより2ヶ月〜半年くらいとのこと。同じジェット機でも違う機種をパッと操縦...とはいかないのですね。訓練は通常のフライトではなく緊急時の回避操作など異常時のフライト訓練が多のだとか。
また、移行後も半年間ほど、計器飛行などの資格取得や新たな海外空港(機種ごとに就航する空港が異なるため)の熟知、新しい機種に慣れること含めて時間がかかるのだそうです。一般の引越しより全然大変そう...
「機種の移行は個人の希望ですか?」と飛行機先生に質問すると、「個人の希望ではなく会社の意向、業務命令」とのお答えでした。コロナ禍で大型機が早めに退役して燃費の良い機種や小型機へ移行したり、機種によりフライト数の差も大きいようです。機種ごとにパイロットさんが決まっていて簡単には移行できず、収束後を見据えて残す機種と退役させる機種と...全ての機種や工程に多くの方々が関わる業界、悩ましい状況と思いますが、粘り抜いて欲しいです。何より、運航乗務員さんの皆さまの心身のご無事を心よりお祈り申し上げます。