買ってよかったもの
こんいちは。転職が決まり有給を適度に取得しながらほぼ週4日出勤の消火試合のような毎日を過ごしています。
空いた時間をYouTubeや2ちゃん徘徊をするのももったいなく感じ、前からずっと気になっていた「みんなのフィードバック大全」を買ってみました。
「働きがいのある会社」6年連続1位を獲得した企業、株式会社コンカーの代表を務める三村真宗さんの著書ということもあり、フィードバックを通じて、どんな風に会社の風土や文化にフィードバックを浸透させていったのか気になったいました。
フィードバックにおける心理的な障壁
新卒からずっと今の会社で働いて、1on1の機会や定期的な面談は受けてきましたが、あくまで上司→部下への形が当たり前だと思ってました。けど「部下から上司にフィードバックしてもいいのでは?」とは思いつつ、「そのフィードバックを受け入れてもらえるのか?」みたいな心理的安全性を自分では感じることは難しいかったなぁーなんて思いながら読み進めました。
本著ではフィードバックが人や会社の成長に必要な理由・またフィードバックを行う上で大事なポイントが細かく書かれており、他者と働く上では必須の1冊。
フィードバックを与える側の観点としてはもちろん、フィードバックを受ける側としても身につけたいスキルだと感じました。
フィードバックが成長につながる
「働きがいの源泉は、成長の実感にある」という信念のもと、コンカー社で始めたのが「高め合う文化」。
成長は個人の中で完結するのではなく、個人と個人が影響し合い、触発され促されるもの。社員同士が相互に影響し合い、刺激しあうことで成長を加速させるという考え方。
この「高め合う文化」の軸となるのが「フィードバック」。他社から長所も短所もオープンにフィードバックしてもらう「相互作用型の学習」は成長スピードの加速に繋がります。
ハイコンテクト文化の日本という環境
社会で共有されている価値観や考え方が比較的同質な文化を「ハイコンテクト文化」いい、「阿吽の呼吸」といった形でビジネスを行えるようなで環境が推奨されて育っているため、当事者間の行き違いや理解の齟齬が少ない。
共通の文脈を前提にしてコミュニケーションが成り立つため、あまりストレートな物言いが好まれない傾向にあります。
アメリカ人の同僚と仕事したことがありますが、「What do you mean?(つまりどういうことですか?)」みたいなバチバチしたことも何回かありました。
一方で多種多様な人種環境、多様性ある欧米は「ローコンテクト文化」であると言われ、社会で共有されている価値観や考えも比較的多様なため、より簡潔で相手に伝わりやすいストレートなコミュニケーションを好む傾向にあります。
相手の成長を願う気持ち
フィードバックをする際に大前提が「相手の成長を願う」こと。
失敗を糧に未来に向かって成長してほしいという建設的なマインドを持つことが重要。
フィードバックにも2種類あって、
よかったこと・いいことを相手に伝えるポジションフィードバック
相手の行動の気になる点・改善してほしいことを相手に伝えるギャップフィードバック。一般的にはフィードバックというと「ギャップフィードバック」を思い浮かべる方も多いかもしれません。
ギャップフィードバックにもSTEPがあって、前提としてメールやチャットで一方的に伝えるのではなく、「対話」することが重要。
文字によるフィードバックはフィードバックは伝え手の思惑以上に言葉が持つ刃が鋭くなりがちで決めつけのトーンになってしまうので気をつけなければいけません。対話であれば相手の表情を見ながらトーンを調整できます。
「軽め」は気づきのギャップフィードバック。
相手が気づいていない問題を教えてあげることによって、自主的な改善を狙うものです。
「重め」は改善要求のギャプフィードバック。
見過ごすことのできない問題や課題を伝え、改善を求めるフィードバックです。
コーチャビリティ
コーチャビリティとは、フィードバックの受け手としての能力。
コーチャビリティが高い人は他者からの助言を素直に受け止め、早いペースで成長し、高い成果を上げていきます。
主に「成長意欲の高さ」と「忌避(=耳の痛い話から逃げたくなる気持ち)」の2つに分解できます。コーチャブルな状態とは、成長意欲>忌避の状態。
「フィードバックを受け入れることによって、自分を成長させたい」そう思えるからこそ、耳の痛い話にも向き合うことができるのです。
コーチャビリティの高め方として、忌避の気持ちではなく、成長意欲をコントロールする方がおすすめです。
著者の三村さんは「問題を指摘されたと思って落ち込むのではなく、改善機会や成長機会を教えてもらえたんだ」と考えるようにしているそうです。
また、ギャップフィードバックを受けると人格否定された気持ちになる方は多くいます。しかしフィードバックは「あなたという人格」に対してではなく、「何らかの事象」に対してされていると切り離して受け止められるようになるとよいでしょう。
まとめ
フィードバックは贈り物。
相手を言い負かしてやろう、詰めてやろうという後ろ向きなマインドで行うことは「贈り物」とは言えません。「相手の成長を願って」こそ、フィードバックは贈り物になりえます。
受け手にとってもフィードバックを非難や叱責と捉えてしまうと心に入ってこず、せっかくの機会が成長を逃してしまいます。「自分の成長を願ってくれる相手からの贈り物」として受け止めるように心がけると成長に繋がっていきます。