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井の中の蛙大海を知らず されど空の青さを知る

「井の中の蛙大海を知らず」ということわざ(?)は昔から知っていたのですが、そのあとに言葉が続くと知ったのは大人になってからです。
「されど空の青さを知る」という言葉がそのあとに続くのですが、初めてきいたとき、不思議な感動を覚えました。

私はアラサーなのですが、正直なところ、実物の井戸を見たことがありません。
井戸と聞いてイメージするのが、となりのトトロでさつきが井戸水をくみ上げるシーンです。底が深くて冷たくておいしい水が飲めるというイメージ。
井戸はそれほど大きくはなく、大人二人が手を繋いで円を作ったくらいの大きさだと勝手に思っています。
だから、井の中の蛙 と聞いてイメージする井戸の大きさもそのくらいです。

これまで生きていて、自分が井の中蛙だなーと思うことばかりでした。
小学生から中学生になった時
中学生から高校生になった時
高校生から大学生になった時
大学生から社会人になった時
などなど。全てにおいて自分はなんて狭い世界にいたんだとそのたびに驚きました。自分がいた井戸は狭く小さいものだったなーと。

学生時代は学校が変わる節目がありますが、大人になると、何年生という概念がなくなります。
そんな中で、一番印象に残っているのは、初めて海外旅行に行ったとき。
行先はグアムで、友達に誘われて行ったのですが、正直なところ、その当時は海外旅行というのにそれほど興味もなく、英語が話せないし、大丈夫かなーと不安な気持ちのほうが大きかったように思います。

が、いざ、グアムに着くと、気分は一転しました。
気候も空気も空も海も全てがキラキラ輝いていて、日本とは全く違いました。
ただ、歩いているだけなのに、うきうき楽しい気持ちになったのは、生まれて初めてだったかもしれません。
そして、なんと言っても海。
あんなにきれいな海をそれまで見たことがありませんでした。
絵の具の青いチューブを溶かしたような青い海の色。
透き通って浸けた自分の足がそのまま見える無色透明な海の色。
景色を見て、うわーーーー!!っと思わず声が出ることはしばらく経験がないことでした。
とにかく圧倒され、感動しました。ずっと笑っていました。

それ以来、海外旅行にすっかりはまりました。
海外に魅了されました。自分には見たことがない風景が山ほどあるんだと身をもって知ったからです。

見たことのない景色
食べたことのないもの
そこで暮らす人々

なにもかも日本とは違いました。
あちこち国内旅行もしていたあとだったので、正直なところ、国内で新しく見聞きするものがほとんどなくなっていました。
だから、新しいものづくしの海外は魅力的だったのです。

ただ、何度も海外に行くにつれて、グアムに初めて行った時のようなあの感動をすることも少なくなっていました。
もちろん、楽しさあるのですが、グアムのときのようなあの感動には到底及びませんでした。

そして、日々の生活もどこか毎日ルーティーンのようで同じことの繰り返しのような気がしています。
自分のいる井戸の中を探検しつくして万策尽きたのが今のような気がしています。(笑)
もちろん、今いる井戸から見上げた空の青さの良さも知っています。
とてもありがたい環境にいることへの感謝しています。

だけど、やっぱり今よりも広い世界も見てみたい。
井戸の大きさを広げていくのも、別の井戸に鞍替えするのも自分自身しかできないんですよね。
家の中でゴロゴロうだうだしていえは広がるわけもなく、とはいえ、このご時世、外でふらふらすることもできずに、その方法を模索しています。

既にnoteにも載せていますが、家でもできる新しいことは何か、考えて、お菓子作りをしてみたり、料理をしてみたり、瞑想をはじめてみたりしています。
瞑想はあやしい?と思い躊躇していたのですが、大企業の研修でも導入されていると聞き、初めてみたのですが、とても頭がすっきりするようになりました。
いつもテレビがついていたり、本を読んでいたり、音楽がかかていたりといろんなところに気が散っていたのが、自分自身に意識を向けるようになり、心持が穏やかになったような気がしています。

広い世界を見てみたい。
コロナ禍であってもそれはできるような気がするのです。


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千尋
いつの日か物書きで生計を立てられるようになりたいです。ひとりでも誰かの心に残るようなものを綴りたいです。