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放課後の誘惑⑥

明日の朝、この教室では普段通りの授業が行われる。
でも、この机と椅子は、永遠に今夜の秘密を抱え続けることになる。
その思いが、この瞬間をより特別なものにしていた。

街灯の光が窓を通して差し込み、二人の影を壁に映し出す。
その影が重なり合い、やがて一つとなっていく。
時計の針は、静かにその瞬間を刻んでいた。

彼女の髪から漂う微かな香りが、僕の感覚を昂ぶらせる。
制服のシャツが床に落ちる音が、静寂を破る。
月明かりに照らされた素肌が、まるで真珠のように輝いている。
触れるのが躊躇われるほどの美しさに、思わず息を呑む。

「ずっと、あなたのことを見ていたの...」

彼女の囁きが、心臓を強く打つ。
三年間、同じ教室で過ごしながら、こんなにも近くで見つめ合うことになるとは。
運命の不思議さに、胸が締め付けられる。

制服のスカートが床に落ち、月の光が彼女の曲線を優しく照らし出す。
その姿は、まるでギリシャ彫刻のように完璧で、息を飲むほどの美しさだった。
僕の手が震える。
触れることで、この魔法のような瞬間が壊れてしまうのではないかという恐れを感じる。

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