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「上京編 何も知らない森 空青」
森 空青の音楽プロ活動開始から、今年で15周年を迎えます。
そして、6月15(日)に六本木CLAPSというお店で周年ライブを開催いたします!
この記事は僕の音楽人生の生い立ちを語ると共に、ライブに向けての意気込み、及びにお客様に演奏を100%楽しんで頂くためのガイドとして発信しております!
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母親からの心強い後押しをもらった僕は、東京にある音楽専門学校の資料を取り寄せました。
両親との話し合いを経て、僕が選んだ学校は
ヒューマンミュージックカレッジという学校でした。
ヒューマンアカデミーグループが新設した音楽専門校で、開校してまだ3年という若い学校でしたが、講師の方々のお名前や経歴が凄まじく。
いわゆる「スタジオミュージシャン」という音楽のプロフェッショナル揃いの学校でした。
その中にはスピッツのプロデュースを手がけた笹路正徳氏や。
黒夢、SADS、河村隆一らのプロデュースを手がけたギタリストの土方隆行氏
のお名前もあり、ロックバンドにしか興味がなかった僕でもその名を耳にしたことのある一流の講師のお名前が並んでいました。
遂に東京へと足を踏み入れたのは、僕が19歳になる年でした。
自分のギター演奏はどこまで通用するのか。ギタリストは同学年に何人いるのだろう。学校内でバンドを組めそうな気の合う人はいるのだろうか。
沢山の不安を抱えながら、専門学校生活がスタートしました。
授業のスタートは、校舎ではなく。
群馬県にある嬬恋という場所で、新入生全員参加による4泊5日の合宿からスタートするということでした!
いきなり修学旅行みたいな行事が組まれたのです。
旅行からスタートか!すごい!楽しそう!!
と思ったのも束の間。
合宿の2週間ほど前に、学校から分厚い封筒が届きました。
その中には「課題曲」の資料として、CD、譜面がそれぞれ入っていました。
合宿の目的は、その場で即席のバンドを割り当てられ、3泊の間にバンドアレンジとリハーサルをして、4日目に一斉に発表会をするというものでした。
課題曲には「Change the world」「You've Got A Friend」「Stand by me」など、数々の洋楽の名曲が並んでいました。
そこで僕が真っ先に思ったことは。
洋楽、知らんがな…
でした。
日本のロックバンドばかり追いかけていた僕は、エリッククラプトンも、キャロルキングも、ビートルズも、名前くらいしか知らない。というレベルだったのです(笑)
これはマズイ!と一瞬で感じとった僕は、いそいで同封されていた譜面を広げました。
そこで僕は再び衝撃を受けるのです。
え、なにこの楽譜…?読めんがな…
そう。僕が入学した学校は「プロミュージシャン」を育てる学校。
送られてきた譜面もいわゆる「プロ仕様」だったのです。
つまり、僕が現在お仕事で使用するマスターリズム形式の譜面が送られてきたのです。
(五線譜に音符でフレーズが書いてあって、各小節にコードネームやリズムパターンが書かれているものです)
当時の僕は、TAB譜というギターを弾く為に特化したバンドスコア特有の楽譜しか読めませんでした。
なので音符が書いてある五線譜を読むのに大変時間がかかっていました。
そして今ほど耳も良くなかったので、自分が弾いてる音が正しいのかどうかもよくわかっていませんでした(笑)
洋楽知らない。譜面読めない。コードもよくわかってない。
本当に、何故このレベルで自分は音楽でやっていくと決意できたのか。
今考えても不思議で仕方ありません(爆汗)
しかし、現在の僕がある通り、ここからなんとか脱落せずにミュージシャンの道を進んで行くわけですが。
文字通りの「何も知らない状態」で、合っているのかどうかもわからない予習をしているうちに、遂に合宿の日がやって来ました!
全くの初対面の人と、果たして無事に演奏は出来るのか。
続く