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目的地のない旅
最近カフェでコーヒーを飲みながら作業をしたり本を読んだりすることが増えた。
その日も車に乗ってカフェに…しばらく進んでから気がついた。
…カフェ反対方向なんじゃねぇ…
頭の中で『Uターンしてカフェに行きなよ』と言う声と、『行っちまえそのまま、まっすぐ進んじまえ!』と言う声が1秒ぐらい戦った。
そのまままっすぐ進んじまえ!と言ってる声が勝利した。
それから予定を変更してまっすぐ進むことだけを決めて、車を走らせ始める。
曲がり角はその時の感を頼りに、気がむくままに走らせた。
気がついたら車は山のぐねぐね道を走っていた。
隣には大きな川が流れている。
こんなところに?と言うような場所にコンビニがあった。
コーヒーと甘いもの…ポッキーを買った。
またしばらく車を走らせる。
『この先道の駅↑』という道路標識。
さっきコンビニに寄ってお菓子とコーヒーを買ったことをだいぶ後悔した。
大抵道の駅と言うのはその土地のおばちゃんとかおじちゃんが大切に作った美味しいなにかが売っているからだ。
そうこうしているうちに道の駅に着いた。
イメージ通りアットホームな空気で、レジではおばさま方が楽しそうにおしゃべりをしていて、なんだかとてもほっこりした。
結局誘惑なんかに勝てるはずもなくほうじ茶のプリンを買った。
プリンは随分と甘かった。
それからまた車を走らせる。
家を出てからもうすぐ3時間。
そろそろ折り返して帰らないとなぁと思ったぐらいで、海が見えた。
ここの正確な場所は『津市』というところらしい。
初めまして津市。
ちょうど夕日の時間で、山側に沈んでいく太陽が海側にも反射して綺麗な淡いグラデーションを引き起こしていた。
カモメが砂浜を歩いていた。
カモメの足跡が沢山残る砂浜を少し散歩した。
海風と冬の寒さには勝てずそうそうに車に戻る。
帰りはナビを使って帰った。
下道で帰ったけど2時間半くらいだった。
たまにはこういう旅もいいな。
旅といっていいのかもわからないけど、
目的地なんて決めないで、心向くままに車を走らせて。
次はどこに行こうかな
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