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#ファンタジー
うすっぺらな街 【短編小説】
【駅のホームで出会った不思議な少年にいざなわれ、『俺』は冬の夜空へ飛び立った。
渋谷のスクランブル交差点、上空。俺は足元の光景に目を奪われていた。
多くの人が紙でできているかのように、厚みが無かった。
気付けば街の雑踏に混じって、ぺらんぺらんという音が辺りに響いていた。かさかさ、紙の擦れ合うような音も聞こえてくる。
その軽い音は、枯葉を踏んで歩く音に似ていた…】
***
俺は、まだ薄暗い駅
「五十センチの神様」(短編小説)
ある愚かで怠け者の男が、だらりだらりと田んぼの畦道を歩いていた。
すると道端の土が少し、盛り上がっているのに気が付いた。
「ちょっと待て」
声が聞こえ、男は立ち止まった。
「何だ?誰だ?」
「わしじゃ」
そう言いながら地面から顔を出したのは、長い髭を蓄えた、小さな神様だった。
身長五十センチの神様は、やっとのことで穴から這い出してきた。てっぺんは河童のようにハゲてい