自分との対話
小さいころは誰でも、すべてが初めての体験で、毎日が新鮮で、わくわくしながら過ごしていた。それが、季節がめぐることに慣れ、一か月、一週間、日々の行動がルーティーンとなり、目新しさを失い、取り巻く景色の移ろいに細やかに心を動かすことが少なくなってきた。
年を経るにつれ、自分の行動やことばが、相手にどのように届くかを気遣うようになり、自分の"本音"も、"優しさ"という名のオブラートに包まれ、見えにくくなり。いつしか、もうその中にくるまれた本音は、ぐるぐる巻きに包まれてしまい、外からは目視できないほどになっていった。
それでも長年、自分の心と体に誠実に生きたいと願い、自分がその都度感じたことをノートに綴ってきたこともある。それが、いつからだろう。自分の現状が、本当は自分自身が望むものではないのではないだろうか‥という不安を持つようになってからというもの。本心に向き合うことが怖くなり、自分との対話を記すことも出来なくなってしまった。
それでも、今一度、自分と向き合おうと思うのは、もしかしたら、自分のように、自分を取り戻したいと思う人の一助となれるかもしれないという、大それた気持ちになったから。いや、そんな大それた気持ちではないのだけれど、自分のノートがわりに、noteにその時々の思いを記していければと思う。
ひとは所詮、この大宇宙の中にただよう塵芥にすぎない。
そんなちっぽけな自分の思いを"そらのかけら"として、大空に放っていければと思う。