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ツアー参戦記@札幌<4回目>

長文です。覚悟して下さい。
そして3回目をすっとばして先に4回目を書きます。
自分の中に湧き出た感情が無くなる前に。
(もはや参戦記ではなくなりつつありますが自分のために記録してるのでご容赦を!あとネタバレが嫌な方は読まないでね💦)

11/13(土)、札幌まで飛行機で移動してきて、会場徒歩2分のホテルにチェックイン。寝るには少し早かったので、会場の場所を下見に行く。
テレビ塔もすぐ横の新しいビルでホールやエスカレーターが燦然と輝いてておしゃれ。
こんな素敵なところでライブがあるんだ…宮本さん、喜んでるだろうなぁと心底嬉しい気持ちになる。

明けて翌日のライブ当日11/14(日)。朝は快晴。
イチョウが黄色に色づき、東京より風は少し冷たいけど心配したほどには寒くない。
昨夜会場の場所は確かめたのに自然とそちらに足が向かってしまった。
宮本さん、今日も晴れだよ!
本当に祝福されてると、しみじみ嬉しくなる。

グッズは今までの例からすると14時半からの販売だと思うけど、札幌は人が多い気がして13時に行ってみたらなんともう30人くらい並んでた!
「すみません、グッズ列最後尾はここであってますか?」と声をかけた女性二人とそのまま楽しくおしゃべりに花が咲き1時間半があっという間。
お二人は知り合いではないとの事だったけど、お話するうちにお二人とも30周年でファンになりさいたまスーパーアリーナ2daysに行かれた事が発覚し大盛り上がり。
「私は去年8月8日にファンになったばかりなんです」というと「わー、ソロからのファンの人に始めてお会いした!」となんだかとても喜んで頂きハッピーな気分に。

お一人は三十周年でエレカシが札幌に来た時もライブに参戦されたとかで、スタンプ待ちしてる時に宮本さんが歩いて会場入りするのを間近で見たとか。なんでも会場近くにジュンク堂があって、そこで本を買って普通に会場入りしてきたらしい。
…う、羨ましい!
楽しいおしゃべりは続き、今回の会場すぐ近くにカナモトホールというのがあって悪魔ツアーの時はそこが会場だったんだけど全然チケット売れなくて当日でも余裕で買えたらしいよー、とか、三十周年ではチケット取れなくなって昔からのファンはびっくりしてる、とか。ウチワ問題についてのご意見もうかがったりして、先輩エビバデの貴重なお話を聞けて楽しかった。
あと「最近のみやじはエビバデへの愛が凄いね。今が一番相思相愛なんじゃないかな。みやじとファンが」と言っていたのが、とても心に残った。

カナモトホール…今朝見かけたな。
気になってキャパを調べると1500名位。
悪魔ツアーではその会場をいっぱいにする事が出来なかったのかもしれないけど、同じ会場で開催した30周年ライブではソールドアウトだったんだよね。そして今回だってソールドアウト。来たくても来られない人がたくさんいる。本当に良かったね…。

待機中に雨が降ったのか、販売開始ジャストの時間頃に外が急に明るくなった。そして販売レジの奥のガラス窓越しにくっきり虹がかかったのが見えた。

青から黄色、そして赤へとくっきりとグラデーションの見える虹。
…なんて綺麗なんだろう。
虹なんて十年くらい見てなかったと思う。胸がぎゅっとなる。
とてつもなく素敵なプレゼントを受け取った気持ちになって、早くも涙が出てしまった。

泣いてるうちに列が進み、無事ご当地キーホルダーをゲットしたので一回ホテルに帰りしばし休憩。

朝から吐きそうな位に緊張して頭痛もするし眩暈もしそうだし、ちょっと休憩しなくちゃ、と思った。
実は今回、前から5列目のど真ん中という神席(と言ってもいいですか?💦)。座席レイアウトを調べると前から7列目くらいまではオーケストラピットで本当にステージ目の前。緊張しないわけがない。

色々考えてあまり休まらなかったけど、とりあえず休憩し開場時刻にホテルを出て会場に向かう。
席に着くと、ステージのあまりの近さに目眩がしそうになる。
…本当に本当にど真ん中だ。
宮本さんが場ミリ通りに立ったら、絶対ご対面になるやつ。
…や、や、やばっ。
とりあえず何かしようと習慣になっている双眼鏡調整を始めて、一回覗いてみたけど今日は必要ないという結論に達する。
首にはかけずに空いている隣の席に置いた。
今日はメモも最低限にしてなるべく多くを目に心に焼き付けよう。
(仙台でメモ取りすぎて指クイを見逃すという痛恨のミス…)
そう思った。そして開演。

薄暗くてシルエットしかわからない一曲目、光の世界。
そこから少しだけ明るくなってランタンを手に歌う、夜明けのうた。

…おかしいな、と思った。
やたらに鼻の下をぬぐっている。
そして声が少し震えて音程がかすかにぶれる。
その時、頰がきらっと光った。

まだ汗をかくほど歌ってないし、変だなと思った私は無意識に双眼鏡を覗いて、息が止まりそうになった。

…宮本さんが、泣いていた。
大粒の涙がたくさんたくさん頬をつたっていた。
私は心臓を鷲掴みにされたようになって一瞬何も聴こえなくなった。

自分を立て直すかの様に赤いグッズタオルで顔をガシガシ拭いてぽいっと放り投げると、歌は中盤から普通に戻り泣いていた事を感じさせるものは微塵もなかった。
でも

<ああ 町よ 夜明けがくる場所よ
そしてわたしの愛する人の 笑顔に会える町よ>
《夜明けのうた 詩・曲 宮本浩次》

と歌う時、何かを掴もうとするかの様にどこまでもどこまでも遠く手を伸ばすこの人を見て、幻ではなく確かに泣いていたのだと私は確信した。

…何を思って涙がこぼれたのかな。

とても気にはなったけど、ご本人が真相を語ることは絶対にないだろうから、私の心にそっとしまっておこうと思った。

その後から怒涛の曲が始まったので立ち上がり精一杯の手拍子。
5列目だったけど一番前は使用されてなかったので実質4列目。
私の視界前方の方々は何故か着席のままだったので(他の人は立ってた)、つま先から頭のてっぺんまで宮本さんがどアップで見え視界を遮るものが何も無いうえにステージの際まで出てくると5m程度という近さ。しかもど真ん中故にどんなに動き回っても一番長い時間そこにいるという、本当に神席だった。

色が抜けるように白くて肌が真珠の様に輝いている。髪の毛サラッサラで、細くて華奢ででも筋肉がしっかりついててシャツの上からうっすら見えるあばら骨がヤバすぎる…。
どこから見てもカッコいいけど、特に横顔の顎のラインが美しくて目をつぶると女神みたい。

この人、本当に55歳なの?

年齢を知らずにステージで歌ってるこの姿を見たら、20代と言われても全く疑わない。

とにかく動きまくる。踊りまくる。
一瞬たりとも止まらない。
全力。一生懸命。

どんな言葉でも言い表せないほど、ステージの上のその人は、本当に命をかけて歌ってる。

アップチューンの曲が続く時なんて、もう絶対に次倒れるんじゃないかっていうくらいに明らかにヘロヘロになってるのに、次の曲のイントロが始まると水を一口飲んでステージ中央に戻る。

まるで戦士の様だと思った。
…そうか、戦っているんだな。

その姿を見ていたら、だんだんと視界が滲んできた。

…この人のこの姿を、光る汗を、真剣なまなざしを、美しい立ち姿を、天に高く伸ばされた手を、出来るだけ多く心に焼き付けよう。
生声が聞こえるくらいの距離で聴ける今日、歌と演奏を心底堪能しよう。
メモなんて要らない。

そう思った。
そうしなければ、失礼だと思った。

こんな風に感じる人、絶対他にいない。

こんな稀有なアーティストなんて、世界中探しても他に誰もいやしないんだ。まさに300年に一度の天才なんだ!!
宮本さんが届けたいと願う《世間》ってやつにもっともっともっと届け!!!

様々な感情が交錯して爆発しそうで、でも声を出せないから精一杯拍手して拳を振り上げる。

今回メモをほとんど取らなかったから、少ないけど記憶にある事を自分のために記録。

登場はロングジャケット、白シャツ、黒ネクタイ、黒スキニー。
異邦人、歌いながら場ミリをはがす。テープをどこにやったのかは謎。
音量の大きい小さいをマイクの陰で控えめに合図してた。

Dance with youでこっちを見たので反射的に思わず手を振ってしまうと歌詞が飛んでしまった。えっ?私集中乱しちゃった?ゴ、ゴ、ゴ、ゴメンなさいっ!と思いつつ、そんなことないよねぇ…大丈夫よねぇ…プロだもんと大パニック。最後のキメのポーズになぜか豚の鼻。

踊らず立ち止まって歌っている様に見える時でも常につま先立ちしている。
この方が声が良く出るのかな。

獣ゆく細道で黒スーツ、ピンクシャツに着替えて登場。
踊りキレッキレ。続くロマンスももちろんキレッキレ。ほぼジャンプし続けながら歌ってるのに歌が全然ブレない。驚愕。

冬の花でたくさん赤い花びらが落ちてくる。ひらひらと宮本さんに降り注いで夢の様に美しい。
せっかくお色直ししたのに、この時点で既に汗でびしょびしょ。
汗で濡れれば濡れるほど、髪の毛がさらさらと綺麗に美しく輝いてくるのは何故?

2部は黒ジャケット、黒スキニー、Nハリの黒シャツで登場。

金沢と仙台は風に吹かれての腕振りが270度くらいだったけど、今日は普通に上で120度位。ジャケットも着てたので赤パンツも確認できず(笑)。
白いお腹はチラチラとずっと見えてた。

あなたの…のメンバー紹介の玉田さんのドラム、凄かった!
マジで凄かった、カッコよかった。
メンバー紹介に限らずだけどずっと凄い(語彙…( ;∀;))。
気合い入りすぎて左手のスティック吹っ飛ばし、どうすんだろ?と思ってたら、すぐ予備を下からすっと取り出してた。
そしてすっ飛ばしたスティックを宮本さんが拾い上げてなぜか自分のジーンズの後ろのポケットに入れようとして入らず水の置いてある台へ置いた。
歌の最後の方でステージに落ちてた赤いハートをおでこに一枚つけて歌ってた。か、かわゆい、、、。
曲が終わった後、「場ミリ取っちゃったから、立つ位置分からなくっなちゃった~」と笑ってた。

十六夜の月では、仙台で見損ねた指クイと”おいで”を期待してたけど、なかった…(絶望)。

今回はお尻ペンペンも数える程しかなく、股間指差しも股間叩きもなかったです(我ながら何の報告?…)。

仙台でもあったけど、ステージ横(もはやステージとは呼べない壁際の狭いスペース)部分に二回位ずつ左右出てきて歌ってた。
近い人たち、めっちゃ盛り上がってたなぁ。
あんなに近くまで来てくれたら嬉しいよね。

そして二部終了時の宮本さん、礼がすっごく深い。ぴったり二つ折り。
左の足首握ってる。

アンコールでは、黒のオリンポスT、黒ジャケ、黒スキニーでアコギを持って登場。
「古い歌なんだけど、どうしても歌いたくなっちゃって、無理を言ってさっきやってもらったら一回で出来ちゃってびっくりした」と。

やさしさ、だった。

エレカシの古い曲…胸がぎゅうっとなる。
成ちゃんが入って、ポプコンなんかに出始めた頃に作った曲だよね。
長いことかかって完成させたのにプロ集団だと一回でできちゃうんだね…。そしてそれが抜群にかっこいい。
そのあまりの違いに、私は愕然としていた。
それが、社会人と昔からの友達の違いなのかな、と…。

木綿では、金沢・仙台同様に最後の部分”あなた最後のわがまま 贈りものをねだるわ”の”贈りもの”が”ほしいもの”になっちゃってた。そうインプットされちゃったのかな?
今日も最初起きてた手拍子が自然と途中でなくなり、会場中がその美しいピアノと伸びやかな歌声を聞き逃すまいとするかの様に静かになった。

何回も参戦してるからハレルヤが最後だと知っていてこみ上げてくる寂しさ。会場の最高潮の盛り上がりとは裏腹に涙が溢れだす。
…ああ、終わってしまう。この幸せな時間が永遠に続けば良いのに。

割れんばかりの拍手が鳴りやまぬ中、バンドメンバー4人と1人ずつハグを交わす宮本さん。
そして最後に5人全員で手を繋ぎ、繋いだ手を高く高く振り上げる。
その宮本さんの輝く笑顔をみて、私の涙腺は決壊した。

…だって、あまりにも嬉しそうだったから。

あんなにきらきら輝く笑顔の人を見たら、幸せで泣いてしまう。
…このまばゆい笑顔を心に刻もう。
他の何を忘れても、この笑顔だけは覚えていよう。
こんな顔で笑う人、世界中探しても他に誰もいない。
この笑顔だけは、忘れない。そう思った。

(泣きながらも、半袖からのぞくしっかり筋肉の付いた宮本さんの逞しい二の腕を見て倒れそうになっていた私です)

メンバーも全員すごく嬉しそう。
ツアー回数を重ねるたびに、会話があまりなくともだんだん信頼が積み重なり心の距離が近づいているんだね。
それが手に取るように分かる演奏だった。

宮本さん達がステージからはけ放心状態で規制退場を待っていると、左隣に座っていた知的な感じの眼鏡美人のカッコいいマダムが「札幌の方ですか?」と話しかけてくれた。
「いえ、東京です。実は仙台から来ました」というと「えー、凄い!!」とナイスリアクション。キーホルダーや香川参戦の話で盛り上がり、私はふと途中で思い出して「ライブ中、うるさくしちゃってごめんなさい」と謝った。ピョンピョン飛び跳ねまくっては泣き腕を振っては何度かぶつかってしまっていたのだ。
するとマダムが一言「良いのよ!宮本があんなに頑張ってるんだから、こっちも頑張らないと!」と言い放った。
…み、み、み、宮本呼び??
カッコいい~!惚れる!!私には一生出来ない呼び方!!!
古くからのエビバデさんなのかな。聞いてみれば良かった…。

一緒に会場を出て1階で別れるまでの10分程楽しくおしゃべり。
「今日、双眼鏡持ってたでしょ?夜明けのうたの時、泣いてたよね?」と聞かれ「泣いてました!何で泣いてたんでしょうね?」と答えると「悪魔ツアー北海道でやった時全然人が入らなかったのに、今回ソールドアウトでめっちゃ盛り上がって嬉しかったのかなあ…」とポツリ。

まだまだお話したくて名残惜しかったけど素敵なマダムと別れて、ホテルに直帰する気になれず町をさまよい歩きながら考えた。
外は雨が降り出していた。優しい優しい霧雨。
路面には濡れ落ちた黄色のイチョウが暗闇の中で光っている。

素敵なマダムが言ってた事を考える。
もちろん涙の理由は宮本さんにしか分からない。
宮本さんにだって分からないかもしれない。

だけど、ライブのチケットがソールドアウトするっていう分かりやすい事象は、属する社会に受け入れられてるっていう事なんだろう。
嬉しい事に間違いない。

変な例えだけど、ヒット曲が出るとか、紅白に出るとか、会社で昇進するようなものなんじゃないかな、とふと思った。
属する社会に受け入れられてますよ、広く認められてますよっていう分かりやすい形。

この人が33年やってきたことを思って、自然と涙がこみ上げる。
…よく33年も続けてきたね。
会社みたいにわかりやすい昇進とかもないのにさ。
売れる=受け入れられてる、って事だとすると、受け入れられていると確信できる時は、最近までそんなになかったかもしれないのに。
普通の会社員の私と比較しても意味ないかもしれないけど、私、昇進しなかったら28年も仕事を頑張り続ける事はできなかったよ。
辛い事があっても要所要所で頑張りを認めてもらえたから、私のした仕事を認めてもらえたから、続ける事が出来た。
宮本さんの歌は労働。仕事。職業。
色々な書籍や歌詞から、社会に属して真面目に勤勉に働きたい人なのだと痛い程に分かる。
その人が命をかけて休むことなく常に全力で働いてるのに、受け入れられているっていう実感があまりないなんて、どんなに辛い事だったろう。
大好きな歌なのに、きっと辛い時もたくさんたくさんあったのだろう。
それなのに、歌い続けてくれたんだね。
その強さには、尊敬と感謝しかない。…本当にありがとう。

今、届き始めているよ。広く世界に。
あなたが届けたくて届けたくて仕方なかった”世間”というものに。
エレカシでどうしても届けることのできなかった人たちに。

…それを達成したら、宮本さん。
あなたはどこへ行くのですか?

何年もかけて作り上げたエレカシの”やさしさ”と、ちょっと合わせただけで出来たという縦横無尽バンドの今晩の”やさしさ”。
そのあまりの違いと、”もう時間がない”という宮本さんの言葉を思い出して、夜の町を歩きながら泣いた。

あなたがどこへ行こうと必ず付いていくよ。全力で応援するよ。
だけど、願わずにはいられない。
これまでもう十分すぎるくらい傷ついて苦しんできたあなたが、この先いつも幸せでありますようにと。
あなたが歩むこの道の先に、いつでも煌めくまばゆい虹がかかっていますようにと。

…そう、今日見たような七色の虹が。






《追記》
敢えて詳細は記しませんが、翌日、ご本人を目撃致しました!!!!!
私の目の前を右から左に風の様に小走りに通り抜けて行きました。
気づいてから通り過ぎるまで30秒位?
明らかに急いでおられたし、放心状態で声をかけることも動くこともできなかった私ですが…。
いやあ、色々神がかってたな、今回のライブ…。
一生忘れません!(号泣)

《追追記》2021年11月19日
宮本さん、紅白出演決定おめでとうございます㊗️✨
届いたんだね、あなたが届けたかった人達に‼️😭
凄いよ、あなたって人は本当に凄い😭😭😭
幸せで嬉しくて涙で前が見えません…。
天国のお母様もとてもお喜びだと思います。
あなたのファンでいられて幸せです、ありがとう✨
あなたが今ファンと同じ位幸せでありますように…。

一生ついて行きます。

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