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【ネタバレあり】劇場版『サユリ』気持ちのベクトルは、常に上向きに

漫画を読んでいないのであった。

押切蓮介さんの作品についても知らないという。

というかね、私は以前『ミスミソウ』から逃げているんです。

怖くて逃げました!

いつかリベンジします!

映画は3つのパートがあると思う。

主人公の家族のパート→おばあちゃん無双→サユリちゃんの生前。

構成も見事です!

冒頭のシーンが、映画の最初と最後でまったく印象が変わる。

不可解な怪現象により、家族が崩壊していく様子は痛ましい。

おねーちゃんがサユリに乗っ取られ、別人のように部屋に引きこもり、弟を最終的に手にかける。

サユリちゃんになぜか父を始末され、そうこうしてたらおじいちゃんも亡くなる…。

そして中途半端に自我が残っていたおねーちゃんは、渾身の思いで自殺する。

おいおい。

それを見ていた母は、やはり呪い殺される形で…しかし
「お母さん、もう、疲れた」
は本音だったと思う…。

家族みんなの、理不尽な死を目撃する羽目になった長男ノリオくん。

なぜ君はこんな目に遭ってるんだ!?

しかし…それまで…まあその、認知症でございましたおばあちゃんが…息子が死んだ時も、それを理解できずに孫を責めてしまうような困ったおばあちゃんが…。

あなただれだ。

「人は気の持ちようで、こんなにも変われる」を体現するかのように、超最強パワーで復活したおばあちゃんは、ノリオに喝を入れる。

この戦い…ビビった方がやられる!

いいから食え!!!

学校にも行け!!!

生きることを楽しめ!!!

気持ちのベクトルは、常に上向きに。

相手がサユリちゃんじゃなくても、あらゆる場面で通用する!!!

こんなにアッパーチューンなBGMが流れるホラー映画は他には知らないな。

知りたくもないな…いやおばあちゃんカッコいいって!

超カッコいいよ!

ノリオくんも本当よくやってるよ!

偉い!

ヒロインの子の演技が光ります、近藤華ちゃん!

喋らなくても、瞳や唇の動きだけで感情を表現している…この子はスゴいぞ…。

ノリオくんとヒロインのラブコメパートも良いものです。

一方でサユリとおばあちゃんのタイマンもある。

この映画、「ループによる恐怖」を用います。

じわじわと来る怖さ。

本当の恐怖にね、安いびっくり演出なんて要らんのだよ。

おばあちゃんはどこに行ったの?

サユリちゃんの遺族、拉致ってきたわ!!!

そんなアホな…黒幕相手に3対1で圧勝するホラーの被害者なんているかあああああ!!!!!!!

とはいえ最善手。

普通じゃない存在が相手なら、普通じゃない手段じゃないと勝てない!

吐きな!

お前らの過去をッッ!!

私はなにを観ているんだ?

悪とはいったい何だ。

サユリちゃんの過去における描写は原作通りなのかな?

性被害をものすごい直球で隠喩していた…そして冒頭のシーンへ。

サユリちゃんがキレたのはお母さんのセリフがトリガーになったけど、サユリちゃんは母のみを見逃す…「見て見ぬふりをした」、目だけを潰す。

サユリちゃんの妹なんだけど、この子は家庭環境に巻き込まれた感があるから、命まで取られるほどの悪い子なのかな〜って…原作だともっと性格わるいのかな?

サユリちゃんの「なんで私だけ…」という言葉は、あまりにも重たい。

性被害を象徴するセリフだあ。

乗り越えられない不幸だってある、それでも楽しく生きることを諦めるな!

こんな胸が熱いホラーある!?

ヒロインの子も、なんでここまでノリオくんを助けようとする?

お前たちは青春をしたのさ。

カッコいいっておばあちゃん…。

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