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栗日記 リハビリ編60

訪問看護があった。

今日の報告書を読んだ相談員さんに、「本音で話してくれてうれしい」
と言ってもらえた。

面談があるたびに、近況報告をA4 1枚になるように打ち出す。

内容はnoteに書いていることと大体同じ。

自分が身体に障害を負ったことで、家事を人任せにできているから楽だとか、
1日中眠っていても怒られないようになったから楽だとか書いた。

「前向きな思考は疲れる。本当はそんなこと考えていないからだ」

「ピアノの練習も、リハビリになるからやっているだけで別に楽しくない」
後ろ向きなことを口にすれば心もそれに引っ張られてしまう。

かといって本心に嘘をつくような器用なこともできない。


私は中学生位の頃から、学校の先生を目指していた時期があった。

子供はむしろ苦手だし、好きではなかったかもしれないが、その自覚もなかった。

ただ中学3年生の時の担任の先生が、とても楽しそうに仕事をしているように見えた。

とにかく何かを目指していると“設定”することで、精神の安定を図ろうとしていたのかもしれない。

だから周囲から、
「本当は教師になりたいわけじゃないんでしょう?」

「向いてない」

「本当に教師を目指しているならもっと行動を起こすべきだ」
と言われているのは、当然だがつらい。

しかし私は目標に向かって具体的な行動は起こさなかった。

要するに私は最初から、何もしたくなかった。

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