◉【おもてなしに学ぶ】(茶道家メモVol.10 茶の十徳)#42
約800年前、茶祖・栄西禅師(えいさいぜんし)の弟子の明恵上人(みょうえしょうにん)が、京都の栂尾高山寺(どがおこうざんじ)の庭に茶の種を蒔いて、お茶を飲むことの効用を『茶之十徳』に記しています。
お茶と日本仏教はゆかりがあり、お茶を飲めば健康で長生きでき、神仏に護られて穏やかに人生を迎えられることが説かれています。
お茶を点てて神仏や御霊にお供えすることを献茶といいます。
お茶は古くから仏事や法事に用いられたのには、このような意味があるからです。
ここで茶の十徳(茶之十徳)をご紹介します。茶には十の徳目があると言うことです。
【茶の十徳】
一 諸佛加護
諸仏が加護します。
二 五臓調和
五臓(肝・心・膵・肺・腎)を保ちます。
三 孝養父母
素直な心を育て感謝の精神を引き出します。
四 煩悩消除
わずらわしい悩みや疲れを忘れさせます。
五 壽命長遠
心身ともに健康を保てれば寿命も長くなります。
六 睡眠自除
生き生きと暮らし休息をとることが寛容です。
七 息災延命
気持ちが病むことなく命を大切につかいましょう。
八 天神随心
心を落ち着かせ天神の心に随う心境になります。
九 諸天加護
邪気邪念もなく神仏の加護があります。
十 臨終不乱
心の平静を保ち天寿を全うできます。
養生の仙薬ともいわれ、毎日を元気に過ごすことができます。心に煩悩なく身に病気さえなければ、日々の仕事に精励できます。
お茶に含まれるタンニンやアミノ酸等の成分が、体のバランス維持を保ちます。
素直な心を育て父母への感謝の精神を植えます。
一杯のお茶は、楽しい語らいと家族や友人との団欒の場を醸し出し、煩悩や不安や気が病むことから縁遠くなるといわれています。
お茶の世界観を紐解く茶道には自らを整えることにとどまることなく、同じ空間に同じ時を過ごす相手に対する配慮や相手に喜んでもらえるよう、茶人にとっても相手にとっても、一期一会の人格形成の旅路にある人間関係学だと思います。
おもてなしは心身ともに幸せになる為の人間関係学だと感じています。
あなたはどんなおもてなしをしていますか。
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