見出し画像

カルト宗教2世としての少年時代 [機能性ディスペプシア闘病記-1]

機能性ディスペプシアの闘病記であるが、人生に大きく関係するものなので、幼少期からの記憶をたどる。

一般的に、一人で留守番を始めるのって、何歳くらいなんだろう。
僕は3歳からしていたようだ。
外出する時、親はもちろん心配して連れて行こうとしたが、僕が頑なに一人で家にいたいと主張したらしい。
当時の口癖が「旅に出たい」で、その頃から、親と居るのが嫌だったのかもしれない。
なんだよ、「旅に出たい」って。寅さんかよ。

僕が子供の頃、両親はカルト宗教に入っていた。
一応教団名は伏せておくけれど、数年前にメディアで大々的に話題になったところだ。
(※今は二人とも抜けている。)

母が入信した気持ちはよく解る。
母方の祖父は癇癪持ちで、気に入らないことがあると、すぐにキレて怒鳴り散らす人だった。
祖母も同様の性格で、2人は母に対して虐待をしていたらしい。
祖母は頭に血が昇ると包丁を持ち出し、祖父を刺そうとすることしばしば。
祖父は盲人のため、自分では対処できず、母が止めるという日々だったという。

他にも、祖母は若い頃モテたため、浮気して旅行に行ってしまい、母が小学校を休んで連れ戻しに行ったなど、なかなか辛いエピソードが多い。

そんな家庭に嫌気がさし、音大在学中に入信した教団で、父と出会い結ばれた。
父の家庭はどのようなものだったのかは知らない。
親戚の集まりがほとんどなく、接点が薄かったからだ。

小学校低学年くらいまでは教会に連れて行かれた記憶がある。
そう、当時、「電光超人グリッドマン」という円谷プロ制作の特撮ドラマが好きだった。
親がなかなか教会から帰らせてくれなかったため、第7話「電子レンジ爆発0秒前」を見逃したんだった。
サブタイトルまで覚えているなんて、よほど観たかったのだろう。
結局、電子レンジは爆発したのだろうか

韓国風の衣装(?)を着て、元旦に初日の出に向かって何か祝詞(?)のようなものを言わされた記憶もある。
おぼろげすぎて、映像が一瞬で見切れる。
黄色い服っぽかった(語彙力)。

小1の時、学校帰りにハンバーグ屋の前を歩いていたら突然雷に打たれた感覚があった。
「ああ、うちの親が信じている神様って、偽物なんだ」と直感した。
全く脈絡がなく突然確信したのだけれど、あの時の「世界が見えた!」という感覚はいまだに忘れない。
視界が急に広がった。
以来、両親には、より心理的な距離を置くことになったように思う。

祖母からは僕も虐待されていたらしいが、記憶がない。
おそらく解離性健忘というもので、覚えていたくないから自分で消したのだろう。

父は職場を55回(2024年現在)も変えている猛者で、「ちょこっと怒られた」くらいですぐに辞めてしまうのだから始末が悪い。
くじけないで」という映画で武田鉄矢さんが約30回転職している役柄だった。
ハロワの職員に苦笑されていたが、そのレベルではない。

常に父の給料は低く、教会への献金もあった為、かなり貧しい家庭だった。

また父は、酔って喧嘩したり自転車を盗んだりして、警察と帰宅したことも数回あった。
僕のお小遣いを盗んだことも1度や2度ではなく、かなり幼稚な人物だった。

祖父母と父のストレスで、母はほぼ毎晩うなされ、時に狂ったように暴れて泣き叫んでいた。

母を助けたい、と思ったのが少年時代の原風景だった。

精神的に幼い祖父母、自己中心的で衝動的な父、そのストレスで病人となった母。
彼らを支えておとなしく、反抗期もなく、家族と解り合うことを小学生にして諦めてしまったのが少年期だった。

この前フリマアプリで、教祖の自伝漫画を調べたところ、数万円で取引されていた。
惜しかった。
小学4年の時にサンタさんからもらったやつ、すぐ近所のお兄ちゃんに古本屋で売ってもらっちゃった。
4冊セットだったから、取っておけばそれなりの金額になったのに!と悔しい気持ちでいっぱいである。

前のエピソード「はじめの挨拶」

次のエピソード「「ま、いっか」の先生」

いいなと思ったら応援しよう!