海の近くで育ったから
半世紀以上も前のオリンピック生まれ。
港まで歩いて2分。海まで5分。
物心ついた時には、遊ぶところはいつも海。
親戚が来ても、友達と遊びに行くのも、夏は6月から9月まで学校ある日以外は欠かさず海へ。
休みの日は朝から夕方まで海に入りっぱなし。
朝、井戸の水をたらいに溜めて海へ。
お昼に一旦帰ってご飯を食べて、食べたらまた海へ。手足がシワシワになるまで遊んで帰って、日中お日様の下で暖かくなったたらいの水で水浴びがまた日焼けでヒリヒリした体に丁度よく。
着替えた後に井戸で冷やしたスイカををたらふく食べた後は、畳の上にゴロンで昼寝。
目が覚めたら、すっかり夕方。近くの銭湯に行って晩御飯。
シンプルでストレスのない子供時代だったなあ。。10歳くらいまでだけどね。中学になったら、もう海に泳ぎにはいかなくなったかな。
その代わり、飼っていたワンコと一緒に散歩に行って、毎日ぼーっと海を見て過ごしていた。
丁度思春期のいろいろある多感な時期。
毎日、犬を放して、一人打ち寄せる波を見ながら、ぼーっと物思いにふける時間は今思えばとても大事な時間だった。
海には救われたし、毎日とめどもない悩みや訳の分からない不安感を、波間に沈めていたような日々だったかも。
母親はいつも忙しく、父は子供に関心なく、高校受験も何もまともに相談できずに、友人に話しづらい時期、自分で悩み考える孤独感を繰り返し繰り返しただ打ち寄せる波の音が癒してくれた。
母がつけてくれた「波美」という名前。
私の一生の宝。