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『5Years C.C』
カティノ・カード、というカード仕様がある。
これは歴代デュエル・マスターズ商品において、極神編(2007年内商品)内のみに導入されていた仕様であり、第1弾からのデュエルマスターズ開発者であるチャーリー・カティノ氏が"お墨付き"を付けた汎用カードに対して、レアリティに関わらずホイル加工とカードイラスト右下に『5Years C.C』というマークが付いている。
いわば、『開発者オススメカード』の指標である。
![](https://assets.st-note.com/img/1733378296-SChs3E9qtp7Bivjl5rk8uIcZ.jpg)
当時キッズだった私にとってそんな事は露知らず、ただただパック内にホイルカードが増えた(当時は光り物といえば高レアリティカードに限られており、今の様に"強力な低レアリティカードに対して特殊なホイル加工がされるパターン"はこのカティノカードを境に増えていった)という認識に過ぎなかった。
そもそも私がデュエルマスターズの事を知ったの自体が前年の不死鳥編であり、不死鳥編から極神編に移行する事に際してそれ以外にも大きな変革が成されていた。
カティノカードはその一環でありつつも、他の施策と比べると特段の印象を残すものではなかったのだ。
キッズの私が大きなインパクトを味わったのは、通常パックの施策よりもむしろ『スーパーデッキゼロ』の販売だった。
構築済みデッキとしては比較的高額、しかしその収録内容はそんな価格観を吹っ飛ばす程の豪華さ。
《デーモン・ハンド》のような汎用的なトリガーも満足に集められていない子供たちが多かった時代だ。このデッキに入っていた数多のSRやデーモンハンド4枚は、そんな子供達の夢が詰まっていた。
更に、全てのカードが銀枠かつホイルと、光り物を見ればそれだけで喜ぶカラスのような性質を持つキッズ達にとっては垂涎の代物であった。
![](https://assets.st-note.com/img/1733378313-bXic5tC2I4gzL7rRjaJQuVKq.jpg?width=1200)
当然、当時の私も歓喜したものだが……
同時に、カティノ・カードと同じく、そのカードの左下に記された『5Years』に、何だか不思議な感情を抱いたのも記憶に残っている。
5Years。
これは、デュエル・マスターズがシリーズ展開から5年目を迎えた事の印だった。
……というのを、私は後から理解した。
前述の通り、私はデュエマというカードゲームを不死鳥編から始めた為、それ以前の歴史には疎かった。
伝え聞く話として、『前提となる4年間』の上にスーパーデッキゼロや極神編がある、という事を薄らと把握していたとしても、そこに実感は宿っていなかったのだ。
だが、時は過ぎて2024年末、ふとしたきっかけでこの5Yearsマークを久々に想起した。
デュエマを題材としたデジタルアプリ、『デュエルマスターズプレイス』がこの度5周年を迎えるからである。
デュエプレのこの5年の事は、自分の中で何よりも強い印象を放っている。
それは第1弾から1ユーザーとして付き合い続けた『向き合ってきた長さ』による思い出の醸成であり、良い記憶も悪い記憶も伴って共に歩んできた自負でもある。
TCGデュエマにおける"5Yearsマーク"に込められた想いを、私は共感する事ができなかった。
しかし、デュエプレという、当時のデュエルマスターズの写し鏡のようなゲームを遊び続けた事で、そんな想いの一端を、自分の実感とリンクした形で受け取る事ができたような、そんな気がしている。
5周年イヤーである極神編の直前、不死鳥編において、デュエルマスターズのサービスの根幹を揺るがす事態があったそうだ。
運営会社の一角(タカラ)の吸収合併。
これは、ホビーとしてのデュエルマスターズの今後を左右する岐路であったに違いない。
それを一旦乗り越え、ユーザーへの感謝の念を示すような『スーパーデッキ』の発売、そして5Yearsのマークを付けた当時の開発者たちは何を考えていたのだろうか。
見ず知らずの誰かにとって、デュエプレの5周年はただの数字に過ぎないかもしれない。
だが、運営者やユーザーたちにとってその年月は、過程に多大な苦労と喜びがあった事を知り、想いを馳せる事のできる大切な思い出となる。
"当事者"という自負の元で、デュエプレの5Yearsを祝える事を、今は素直に喜ぼう。