黒単ファンキーナイトメアに”ヤツら”の面影を見た
どうも。くーぼー(@Soranaki00)です。
皆さん、23弾環境楽しんでいますか?私は新アーキタイプ使いたい症候群が災いして調子に乗って生成しまくったせいで懐が寒いです。
さて、今回の記事はそんな私の懐事情を破壊した一因である【黒単ファンキーナイトメア】について、使っている中で1つ気付いた事があったので簡易的に文章としてまとめる事にしました。
その気付いた事というのは、すなわち……
このデッキ……もしかして、””””””ヤツら”””””の系譜では?
・”ヤツら”の話
では一体、”ヤツら”とは誰なのか?
その正体……それは、今から1年半ほど前、13弾環境において環境の隅に生息し、何故か熱狂的なファンを複数生み出した黒単のデザイナーズ・アーキタイプ……
【死神】
の事です。
と、言われてもピンと来る人は少ないかもしれません。何しろもう1年以上昔の話なので。
【死神】は黒単色のデザイナーズデッキらしく墓地肥やし(《ボーン・アミーゴ》)、ハンデス(《死神城XENOM》)、除去(《デスライオス》・《死神ハンド》)等をテーマ内で有しており、それらを上手く用いて相手を翻弄するコントロールデッキ……に見せかけた、実際はエース獣である《死神明王XENOM》を叩きつけるのが一番強い動きであるという奇妙なデッキです。
というのも、黒単色というデッキの性質上リソース能力や速度に乏しく、また除去やハンデスも1対1でカードをトレードしてるに過ぎない為、それだけでは全く以て勝つ事ができません。
コントロールしている風に見せながら、実際は自分がジリ貧になっていく訳です。
必然的に、これらのテーマカードで妨害をこなしつつ、どうにかして早期に試合を決められる強度のあるフィニッシャーを着地させる事が求められました。
その点、《XENOM》はとても強力なフィニッシャーだったと言えます 。
登場時の除去もさる事ながら、ブレイクしたシールド分のハンデスは自身が除去されても起動する事から、さながら《B・W・D》の如く相手に手札を与えることなくシールドを割る事ができ(ボルメテウスと違い元々抱えている手札にもハンデスが及ぶので、相手のプランを崩す事もできる)、フィニッシャーとしての圧は十分でした。
つまり、【死神】というデッキは見た目だけコントロールデッキであるものの、実際には《XENOM》の早期着地を勝ち筋としたミッドレンジであり、これはそのまま黒単デッキの戦術の限界を表していた、という訳です。
・今の【黒単】の話
翻って、今の【黒単】を見てみましょう。
これは私が新弾初日にNDマスター到達する際に使ったリストですが、注目して欲しいのは《タイガニトロ》と《ワルボロフ》。
この2枚は23弾で追加されたカードであり、《ニトロ》はマナ武装5による強力な複数枚ハンデス、《ワルボロフ》は手札を切りながら《ゴー・トゥ・ヘル》を装備する事で自前で蘇生対象を生み出せるという、《ウルボロフ》が抱えていた弱点を補うようなドラグナーで、22弾の黒単が持ち得なかった『目指すべき強力な動き』を確立してくれた2枚です。
更に、《ゴー・トゥ・ヘル/デスシラズ》の龍解条件の4体⇒3体への緩和も大きく、これによって《デスシラズ》を立てる余裕のある状況が増え、今までオプションに近かった《デスシラズ》の龍解をメインプランに組み込む事ができるようになりました。
これらの事から、23弾【黒単】の主な勝ち方は
『一旦マナ武装5達成時の《ニトロ》によるハンデスで動きを大幅に阻害しながら《デスシラズ》を龍解させ、《デスシラズ》の攻撃効果で面を再形成しつつ《ニトロ》のエンド時ハンデスで実質的な盾焼却を行い安全に詰める』
という強力なプランとして成立した訳です。
……???あれ、これどこかで見たような……???
・【黒単】今昔
そう、
『《デスシラズ》3点からの《タイガニトロ》ハンデス』
と
『《XENOM》3点からのブレイクボーナス3ハンデス』、
やってる事が当時から変わってなさすぎる!!!!!!
……というのが私の気付きでした。
実際の所、フィニッシュプランが盾を詰める際にしか使えない《XENOM》に依存していた【死神】の時代から、強力な上振れかつ単体で永続的に機能する《タイガニトロ》と自身が展開能力を持ち柔軟にゲームプランを変えられる《デスシラズ》に置き換えられているのはカードパワーの上昇を感じる部分ではあるのですが……
それはそれとして【黒単】っていつもそうですね……! という気持ちも否めないです、ハイ。
とはいえ、23弾においてもファンキーナイトメア軸の【黒単】は発展途上な部分もあり、例えば《デスマーチ》を擁していた【死神】と比べると『即時打点を生み出せない』という問題があったりする(《ニンジャリバン》から呼び出せるSA付与ドラグハートの《レッドゥル》が登場すればこれも解決するのだけれども)ので、当時から進歩した事もあれば、まだ追いついていない所もあり、そして変わっていない所もあるという、これもまた単色デッキの歴史、【黒単】というデッキ性質の面白さでもあるかもしれません。