渋谷すばる/アイナ・ジ・エンド 対バン@豊洲PIT
何から書けばいいのだろう。
それほど、全部が良かった。
あれからもう3週間も経っているが、未だに思い出す。
何度も何度も思い返している。
2024年6月9日(日)。
梅雨入り前、曇ったむし暑い日だった。
販売開始30分ほど前に会場に着くと、もうグッズ列に数十人が並んでいた。
白と黒のおしゃれなグッズ。購入してTシャツを着替える。
会場からはリハーサルの音が聞こえてくる。
ドキドキが加速する。
初めはアイナさんのステージ。
登場してステージの一番前に出て、
前を見据えて開口一番
「渋谷すばるー!かかってこいやーー!!」
カッコいい…!!
いっぺんに心を掴まれた。
そこからもう一気にアイナ・ジ・エンドの世界に引き込まれていった。
「ZOKING DOG」ではみんなを犬にして会場をドッグランにしてくれたり(めちゃめちゃ楽しかった!)
かと思えば「アイコトバ」や「宝者」ではしっとりと優しい声で感情のこもったバラードを聴かせてくれる。
「BLUE SOULS」ではステージに置いたソファに横たわって、ちょっと妖艶な姿も見せてくれた。
ダンサーの方もコーラスの方たちもバンドの方たちも、ものすごくパワフルでひたすらカッコいい。
そしてMCではBISH解散後に一人になったことに触れて、すばるくんのことを
「一人で勇敢に歌力だけで引っ張っていて。先輩としてそんなふうに進んで行ってる姿にとても勇気をもらいました」と。
だからこの対バンが嬉しい、と言ってくださった。
私はアイナさんのステージを観るのは初めてだったのだけど。
歌がすごい。声量も伝わる想いも。
ダンスや魅せ方も本当に素敵で。
その姿もステージから伝わる音楽への姿勢も、
とても可愛らしい人だった。
とてもとてもカッコいい人だった。
渋谷すばる/アイナ・ジ・エンド
アイナ・ジ・エンドさんセットリスト
2024年6月9日(日)@豊洲PIT
1. STEP by STEP
2. ZOKINGDOG
3. Frail
-MC-
4.アイコトバ
5. 家庭教師
6. BLUE SOULS
-MC-
7.宝者
8.サボテンガール
アイナさんのステージが終わり、暗転。
バンドセットが組み直され、すばるくんたちがステージに姿を見せた。
1曲目は「塊」。
ざわめきが静まった会場に響き出す本間さんのピアノ、茂木さんのドラム。
体の内側から揺さぶられるような感じがした。
そしてまた一瞬すべての音が消えて、すばるくんの声がその場を染め上げていく。空気が変わる。
声と音が塊になって駆け抜けていった。
間髪を入れず「ぼーにんげん」へ。
みんなで踊った。アイナさんのファンの方たちも一緒に踊った。
めちゃめちゃ楽しい。
誰が誰のファンかなんて関係なく、音楽がそこにいる人たちの心を繋いでいく。
「ぼーにんげん」を歌い終わって息を整えて。
「今日もこの歌を歌えて幸せです」
とすばるくんは言った。
そして歌い出したのは「スローバラード」だった。
たぶんもうすばるくんの中で一生歌い続けようと決めた大切な曲を、この日も聴かせてくれた。
この歌への想い、清志郎さんへの想い、そこに重ねたすばるくんの想い…。
初めて聴いたアイナさんのファンの方へもきっと届いたと思う。
ライブ後のSNS、アイナさんのファンからも
「スローバラードが刺さった」
「スローバラード、すごくよかった、泣けた」
などという感想がたくさん見られて嬉しかった。
ここでMC。
「おおきにー おおきにー」
なんてやわらかい関西弁の挨拶で始まったMCは、すばるくんには珍しく長い一人語りになった。
対バンを受けてくれたアイナさんへの感謝を伝え、
「実はさっき初めて会ったんですよ。すごく魅力的な人で…だからまだ恥ずかしい。でも一緒にやれて嬉しいです」と。
そして
「アイナさんのライブ、ずっと観せていただいてたんですけど…素晴らしかったです。…アイナさんのファンの皆さん、ずっとアイナさんを応援してあげてくださいね。唯一無二の方だと思うし…素晴らしいアーティストの方が、何にも縛られずにこれからも自由に活動を続けてほしい。愛されるべき人が正しく愛される世界であってほしいなと思います。そして(ファンの皆さんが)アイナさんと一緒に年を重ねていけたら、そんな素晴らしい事はないと思います」(ニュアンスですが)
そんなふうに語りかけてくれた。
とても大きな愛を感じた言葉だった。
対バンのお相手と彼女を応援するファンへの愛、自分と共にいるファンへの愛、今生きている、これからも生きていく "世界" への愛…。
(最後に一緒に写真を撮る時、アイナさんから
「お父さんみたいなこと言ってもらえてありがとうございます。嬉しかったです」という言葉があった)
MCの後は
「きになる」「ワレワレハニンゲンダ」から「ぼくのうた」へ。
すばるくんいわく "俺のうたver"。
最近のライブでよく聴かせてくれる、疾走感あふれる力強いアレンジの「ぼくのうた」だ。
この歌をこんなふうに自信とプライドに満ちて楽し気に歌う姿が観られるなんて、初めて聴いた時には考えられなかった。
あの時の「ぼくのうた」があったから、今の「ぼくのうた」がある。
全部がすばるくんの歩いてきた道だ。
これからまたどんな「ぼくのうた」が聴けるのか、本当に楽しみだ。
そして
「『ないしょダンス』という曲をやります。一緒に踊ってくださいーー!!!」
の煽りからの「ないしょダンス」。
歌声もシャウトもハーモニカも。
全力だった。全力全開で "渋谷すばる" を観せてくれた。
アウトロのハーモニカを吹き終わって倒れ込んで荒い息を吐いて、しばらく息を整えて。
起き上がって自分に一言。
「年を考えろって」
…めちゃめちゃカッコよかった。
これが私たちの好きな人だよ!と、なんだか勝手に誇らしかった。
その後の終わりのMCで、すばるくんは
「ありがとう」
と何度も言ってくれた。
アイナさんに、お客さんに、スタッフの方々に。
その後バンドメンバーの紹介をしてくれたのだけれど、紹介の前に
「最高のメンバーを紹介させてください!…ホンマは無しなんだけど…でも紹介させてください!最高なので!」
と、そんなふうに言っていた気がしたので、これは本当は予定になかったのかもしれない。
ひとりひとりを紹介するその声と表情から、メンバーのことをとても信頼していて大切で誇りに思っていることが伝わってきた。
すばるくんの歌に絡まり、引っ張り引っ張られて最高の音を届けてくれたすばるバンド、この日も本当にカッコよかった!
ラストは「Sing」
「最後の曲はみんなで一緒に歌えたら嬉しいなと思って。知らない方もいらっしゃると思いますが、大丈夫です。上手いことしますから…上手いことしますから…大丈夫、大丈夫」
そんなふうに言って、みんなで歌うところの歌詞を2種類だけに変えて覚えやすいようにしてくれた。
会場がひとつになってみんなで歌った「Sing」
「みなさん、最高です!」
というすばるくんの言葉通り、ステージも客席も、会場全体がひとつになって同じ歌を歌って。最高のラストだった。
アイナさんのファンの方たちも
「みんなで歌えて楽しかった!」
「最後の曲よかった!覚えちゃった!」
などと言ってくださっていた。
そしてその後。
以前の対バンではステージ上でのお相手との交流がなかったのだけど、今回すばるくんは最後にアイナさんをステージにお呼びして、お互いの名前を叫んで讃え合って。
私たちも入れて一緒に写真まで撮ってくれた。
写真を撮る時、アイナさんを見て
「背、でかい…背、でかいから早く撮って」
なんて意味が分からないことを言うくらい照れていたすばるくんも可愛かった。
すばるくんはずっと楽しそうだった。
歌うことが楽しくてたまらないみたいだった。
何の曲の時だったか、すばるくんが
「みなさん楽しんでますか?…でも申し訳ないけど、俺が一番楽しい!」
ってホントに楽しそうに嬉しそうに笑っていた時があって。
その笑顔が嬉しくて泣きそうになった。
このひとが大好きだ。世界一好きだ。
改めて思った瞬間。
そんな幸せな時間だった。
翌日、SNSに上がっていたアイナさんファンの方の感想を読み返していたら、なんだか胸がいっぱいになって涙がこぼれてしまった。
すばるくんの愛とか熱とか、不器用なやさしさ、音楽にかける想い、そこから生まれる歌の素晴らしさ…ちゃんと届いてる。
全部、間違っていなかった。そんなふうに思えた。
熱くてあたたかくてカッコよくて可愛くて。
最高のステージだった。
お互いへのリスペクトにあふれた、素晴らしい対バンだった。
7月にも味園ユニバースで、アイナ・ジ・エンドさん、赤犬さんとの対バンが控えている。
それがますます楽しみになった。↓
そして今、MCですばるくんがアイナさんと彼女のファンに向けて言ったことを改めて噛みしめている。
"唯一無二の人だから…何にも縛られずに自由に歌い続けてほしい。
愛されるべき人が正しく愛される世界であってほしい。
ずっと応援してあげてくださいね。
そして一緒に歳をとっていけたら素晴らしい"
たぶんすばるくんが自身の経験から、ずっと胸の奥にしまっていたであろう想いを言葉にして伝えてくれたことが嬉しかった。
受けた傷はきっとずっと消えない。
それでも後に続く人のために、もう誰も苦しまないように、悲しい想いをせずにすむように。
悲しさや悔しさや苦しかった気持ちをあたたかな言葉に昇華させて、ステージという場所から伝えてくれたすばるくん。
とてもやさしかった。しなやかに強かった。
その後でぼそっと
「何様だよ、ですが」
なんて言っていたけれど、あれはすばるくんにしか言えない言葉だった。
すばるくんが言うことに大きな意味がある言葉なのだと思った。
そしてその言葉に込めた願いや想いを、今ここにいて彼を見つめている私たちへも
「どうかこれからも」とそっと手渡してくれたのかもしれない…
(なんて思ったのは私の勝手な想像で、そうであったらいいなと願っていることなのだけれど)
すばるくんが願う先にあるその世界は、きっと誰にとっても優しく生きやすい世界であると思えるから。
その世界を作るために、守って行くために。
私は私の日々を頑張って生きたいと改めて思った。
すばるくんのライブに行くといつも、出会えたことの幸せを想う。
彼を好きでいられることが幸せで、とてもとても誇らしく思う。
そしてそんな自分を少し好きになれたりする。
ありがとう、どうかこれからもずっと一緒に。