オノマトペの旅景色
最近、巷でよく耳にするようになった「オノマトペ」ですが、
これは実はフランス語。
日本語に言い換えると、擬音語、擬態語、擬声語、擬情語と分かれていて、フランス語や英語など他の言語より多くの言葉があります。
キラキラ、サラサラ、パタパタ、ワンワン、ドキドキなど方言を含めると4000語を超える日本語の「オノマトペ」。
それほどまで繊細な違いを見出していると思うとすごいことです。
そこには、日本人の感性がギュッギュッと詰まっています。
オノマトペは、感性の言葉と言われるように、
形容詞では語り尽くせない感覚的な情報を
共有することができる言葉といえます。
例えば、「大きなおにぎり」と形容された文節に
それぞれ違う意味のオノマトペを付けてみると、
「ふっくらした 大きなおにぎり」
「みっちりした 大きなおにぎり」
どうでしょう、
見た目のだいぶ違うおにぎりのイメージが浮かんできませんか?
私のイメージでは、「ふっくら」おにぎりは炊きたてのご飯を使った
空気空気を含んだような柔らかいおにぎり、
「みっちり」おにぎりは、海苔を全面に巻いた食べ盛りの男子高校生が
持っていそうなおにぎりが浮かびます。
こんな感じで、使うオノマトペひとつで全然印象が変わってきます。
そして、日々の暮らしや周りにある美しいものに目を向けると
そこには、言葉では語り尽くせない豊かな知覚があり、
私たちはそれを無意識のうちに感じています。
部屋を通り抜ける風や猫の寝息、時々香るアロマの芳香。
足元に感じる床の温度や顔にまとわりつく髪の毛の感触など
すべては、五感(視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚)で感じる印象です。
オノマトペは、この五感(視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚)に
強い関連性を持つ言葉。
オノマトペで自分の身体が何を感じているのかを考えてみると、
私たちの世界は、とても豊かであることに気づきます。
また、誰かとその感覚をシェアしてみると、同じものを見ても人によって感じ方や見ている場所が違うことがわかります。
オノマトペは、別の新しい視点を発見したり、違う感覚を知ることで、他の人との違いを楽しむコミュニケーションツールになるはず。
あなたも日常の中でオノマトペを探してみませんか?
それは、オノマトペの旅景色に変わります。