「夢のまた夢」第6夜
こんな夢を見た。
私はゴールデンレトリバーだ。
毛並みがよく、もふもふしていて、人に覆いかぶさってしまえるくらいに身体が大きい。
ご主人様からもらった首輪が自慢で1番の宝物にしている。
ソファにもたれかかっているご主人様にのしかかると「しょうがないな」と言いながらも、私の頭を撫でてくれる。
わしゃわしゃとしばらく撫で回されて次第にウトウトしてくるとご主人様の隣に丸まって座り、ぐっすり眠る。ご主人様も私を枕のようにして頭をもたせかかってくる。
幸福を半分こにしているこの時間がなによりも尊いのだ。
窓際に飾られているシュガーバインの葉がたゆたゆと揺れている。水を注がれて鮮やかな緑の上に透明な雫が垂れていたけれど、もうとっくに消えていた。
今は陽の光を浴びていきいきと部屋の主を気取っている。
ご主人様は私に首輪は着けるけれどリードは着けない。ハーネスも絶対に着けない。
けれど私はご主人様に「おいで」と一声かけられれば飛ぶように駆けつける。お利口に座ることだってできるだろう。
だからご主人様がご主人様なのだ。
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