![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/87860244/rectangle_large_type_2_11d8ccede51b2bbbadea739e1665e963.jpeg?width=1200)
水曜、夜のメメント・モリ 第一回目
今週のテーマ:「日記」
東京で過ごす情報だらけの時間を飲み込めるように、忘れてもいいように、「ノラねこの足跡」という名前で日記をつけてきた。
いつの日にか写真に興味が出始めて、今度はInstagramを日記代わりにするようになった。
最近はSpotifyでその日聴いた音楽を、簡単なコメント付きでストーリーに投稿することで、日々の記録としている。
どうやら、自分は日記をつけることが好きらしかった。
昔から、自分を執着心の強い人間だと思う。何に対して?、のクエスチョンに答えることが出来なかったけれど、今はなんとなくわかる。おそらく、記憶とか、記録とか。想い出にこだわっているのだと思う。
ずっと、形があるものよりも目に見えないものの方が好きだったから。
物語は、一つの記録だしあったかもしれない記憶だ。
文章は、記憶や想い出が薄れると寂しいから書いていて。
写真は、自分が綺麗だと感じた景色を記録したいから撮る。
きっと、日記も同じようなものだと思う。
消えてほしくない時間を残しておくための方法だ。
特に、最近は流れていく日々の速さに驚いてばっかりでいる。
ゲストハウスで暮らしていることもあって、出会いは多い。ただ出会った人間と一緒におくる時間は儚い。連絡先を交換することはあっても、その後に連絡を取るかどうかは、お互いの距離感と気分次第だ。
もちろん、こんな一期一会の生活で近しくなれた相手もいる。けれど、友達もまたどこかに向かって別の場所へと離れていく。
別れの瞬間に、「自分はどうしよう」とか、「離れていかないでほしい」とか。友達が新しい何かを見つけてキラキラしてるときに、その眩しさを一緒に喜んであげられない自分でいたくない。
友達とまた会った時に「お互い変わったよねー」って言いつつ、久しぶりのお喋りを楽しみたいから、自分もキラキラを持っていたいのだ。
そのためのクールダウンがこの日記になる、と思う。
新しく始めるこの日記のタイトルは、「水曜、夜のメメントモリ」。
一週間の半分、中だるみになる水曜日にひとつのテーマでエッセイを書く。
今日のことでもいいし、気になってるトピックでもいいし、文体もその日の気分でフリーに。
とにかく楽しんで好きなように書くことが、あるようなないようなルールである。
ちなみに、今日は無糖のミルクティーを錬成しながら、アップルデニッシュを食べた。あまりの優雅さに脳みそがぶっ壊れるかと思ったが、残念ながら生きてた。
お昼は、現在無料で公開されてる分のワンピースをジャンプ+で全部読んで、空島のクライマックスシーンに涙腺が刺激された。
そうこうしているうちに日が暮れて、ドミトリーベッドが一切の無駄がないことに今日も感動を覚えて、こうして文章を書いている。
ドミトリーベッドのシーツは真っ白で好きだし、目につく範囲に余計なものはないし、カーテンに隠された空間が秘密基地みたいで、ひっそりと落ちつく。
ベッドの柵に枕を敷いて、その上から後頭部をもたれさせて、ノートパソコンをカタカタと。
パソコン画面のすみっこに表示されている今日の日付を、ぼーっと空見してなんとなく今日はこれで休むことに決めた。
いいなと思ったら応援しよう!
![空峯 千代](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/28805968/profile_bc65f7e1f705b1c9533ada99e941ac82.png?width=600&crop=1:1,smart)