ヒューマンリレーション

菓子工場で、入出荷の仕事をしていた。夕刻前に二階のクッキーなどの担当の主任がやってきて言う「日チョコを使った製品が品薄になったが、その原材料の在庫が薄くて明日の納品のある昼前までラインを稼働できない。これでは店頭での品切れが起こるから、なんとか朝一で納品できないか? そこはそれ魔術師のキヌちゃんのお力でなんとかなりませんか」という。あたしは即座に「できる」と言い切り「結果は15分後にまた」と言った。

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実は毎朝7時に工場から商品センターへの製品の移動がある。専門契約している運送業者の8トントラック2台で、ドライバーさんもいつも同じ専業の方。その方の携帯に電話をした。実は日チョコの納品は同じ運送会社の別トラック別ドライバーさんなのである。夕刻、みなさんが基地に帰っている時間。しかも午前の納品は前日のこの時間に積み荷する事も知っている。大変な事だけれどフォークリフトで荷物を移し替えてもらえば、いつもの7時の便に積んでこちらへ持ってこられる。

勿論そんな事まで干渉して発言はできないが「可能」なのは解っているから、「日チョコの納品がありますが、朝一運んでもらえませんか?」とお願いする。こちらは発注主、上記のあれこれ知っていても知らなくてもなんとかしてもらいたいところ。答えは即了解だった。そして主任のところへ行き結果を伝える。主任は安堵の表情。すかさず言うのである。「いつものドライバーさん、甘党なので小さな袋にクッキーとかチョコチョコ詰めてもらえませんか?無理言った礼です。」

翌朝ドライバーさんは大喜び。これはヒューマンリレーションというべきか、日本の会社にありがちな「なれ合い」なのかわからないが、常日頃、いわば関係者とは疎通を交わしていれば、いざという時、快く引き受けてもらえるものである。なおかつ相手方のおおまかな仕事の流れも把握しておく、かなり難儀な事なら上司を通じて、別料金になってでも良し、なぜなら顧客第一・販売機会の損失になるから。というお話でした。

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