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「インディレース 爆走」の感想書きなぐり

!!クソキモオタクの偏った感想です!!

東京・渋谷にあるシネマヴェーラ渋谷の
"没後二十年記念 アートを越境する―勅使河原宏という天才"
という企画上映の中の1本として「インディレース 爆走」が上映されています。
「インディレース 爆走」は「砂の女」などで有名な勅使河原宏が監督した1966年日本インディ200マイルレースを題材にした1967年公開のドキュメンタリー作品。
この映画について調べてみると、最近でもこのような上映の無かった半ば幻の作品と化していた作品のようです。
本来はかなり前衛的で実験的な映画を撮られている監督なんですね(無知)
映画館的にもシネフィルの皆さんがメインの上映だとは思いますが、モータースポーツオタク的にはどうしても題材が題材なだけに反応せざるを得ません。

というわけで見に行ってきました。

★きちんとした映画情報・ストーリー
http://cinema.co.jp/title/detail?id=22139

-----感想------
サーキット大好き人間としては、どうしても背景にばかり集中してしまい本来の映画鑑賞とは違う邪な気持ちが支配してしまうぐらい記録映像としてはかなりのものです。
カラー映像で日本インディのレース光景が見られるのはもちろんの事、富士スピードウェイが完成してまだ間もない景色、パドックの様子、当時のマーシャルさんの動き、レース観戦風景などなど日本のモータースポーツ史としてももっとクローズアップされて良い作品なのではないでしょうか?
とはいえ、たまたまTwitter上で上映があるというのを知るまで作品の存在自体知らなかったのですが…
フィルムの経年劣化なのか、全体的に赤みがかかって本来の色味は出ていなかったのでしょうが、是非ともリマスターしてソフト化して欲しいなあとか思ったり。
あとはFSWさんがなんかしてもいいような作品ですよね。いかがですか。

映画の内容としてはメインは1966年10月に行われた日本インディの様子やマシン・ドライバーの来日光景、それと当時の風俗の代表として日本人の若者がちょいちょいクローズアップされます。
大半が小沢昭一氏によるナレーションがメインですが、それが独特の雰囲気を醸し出しています。 あまりレースの緊迫感的なものは感じないですが。 吹き替え芸アリ。

原宿に集まり、一般公道で車を縦横無尽に操りイキりにイキりまくる当時の若者(プエルトリコ人似?)がレーシングドライバーと対比するようかのように度々クローズアップされるのですが、なんか対比としては微妙というかなんというか。
なんか適当なモラトリアム学生かと思ったら結構普通に仕事してるし!
そいつら普通に家でレース観戦してたし!(レース中継あったんですね)

出場車にカメラを付けてオンボード映像を撮ったり(多分プラクティスだと思う)、ペースカーにもカメラを積んでた(?)り、レース中の空撮があったりと中々ダイナミックな映像も挟み込まれているのが印象的でした。

この様な大きい大会でも60年代ともなると、スタート進行の光景などを見ても今のように人でごった返し華やかなものではなく、どことなくローカルレースの光景のようなどこかプリミティブなレースというものを感じます。

出場するマシンですが、映画内で割と懇切丁寧に解説してくれています。
いち早く日本に到着したマシンをスタジオ内で説明するシーン。
走行中のマシンをクローズアップして、各ドライバー/マシンの特色を比べたりするシーン。(ここ結構丁寧)
各車両が空輸され日本に上陸し、サーキットまで陸送されるシーン。
富士のパドックでマシンを整備するドライバーのシーンなど、車両にもっと詳しい方であればさらに興味深いディテールを見つけることが出来ると思います。

マシンに装備されているシートベルトを紹介していたり、マーシャルポストでインスペクションをするUSACのオフィシャル(多分)など、60年代当時でも安全については気を使うアメリカンモータースポーツの一端が見られます。
直接映画とは関係ないのですが、最近ちょうど日本インディ当時の雑誌記事を読んだことがあります。そこではセッションを始めようにもレスキューヘリ(救急車だったかな?)がいつまで経っても来なく、準備が出来ないのであればセッションを頑として始めないとUSAC。インディカ―ドライバーはそれでも平然として待っていて、かなり時間が経った頃に配置に付きようやくセッションが始まったのでそれほどアメリカの安全面は徹底している。という日本側からみた記事がありましたが映画制作陣も同じことを感じたのでしょうか。
(6/14追記 : 実際にはUSACの要求したコース・オフィシャル側の安全基準の要望に答えられず、10/6のプラクティスが全キャンセルになってしまった、というのが事実のよう。映画内でドライバーがイベントに不満げな感想を述べていたのはそういう事もあったんですね。)
別に今考えると普通なんですが、アメリカ式のレースなのでアクシデントの度にペースカーが入り隊列が揃えられますが、当時の観客は冗長に感じているという感想もありましたが(大藪春彦氏もそう書いてましたね…)、何となく映画の編集からもそういう雰囲気を感じました。 自分の考えすぎかもしれません。
ただ、ペースカー中の戦略なども作品中でフォローしています。

しかし、映画としてはどうなのでしょうかね、自動車レースに興味のない映画ファンの感想は聞いてみたいです。

印象に残ったディテールをクソ書きなぐりシリーズ
・一般公道でめっちゃスラロームとかしたり立って運転したりする若者 あぶない
・ジム・クラークがFISCOを設計したという誤解ナレーション
・決勝前にトラブルで棄権してしまったマリオ・アンドレッティとジム・クラークがしっかり見られる
・ナットクルクル~ハンマーで3回ガンガンガン、で本当にいいの?って思うタイヤ装着
・西ゲートから入ってBSのゲートをくぐった辺りの風景の今とあまり変わらないな感
・レース会場で徹夜(?)して寝てる観客は観戦の場所取りではなく駐車場の場所取り
・観客席の土手で麻雀をする観客
・スタートのセレモニーで本場インディ500ばりに飛ばされた大量の風船の一部がスタート前のローリングラップでホームストレートに降ってきてて笑う
・エッソ エクストラ
・Aコーナーの下のトンネルに何か囲いがしてある
・いやでも覚える96番グレッグ・ウェルド
・NGKの電光掲示板スコアタワーがまだ無いので、コントロールタワ―横に手動のスコアタワーがあった
・パンフを被せてそこら辺で寝る観客
・場内実況が日本語と英語交互だった
・リタイヤしてヘアピン裏の土手をショートカットしてパドックに向かうヒルに群がる観客
・場内実況で「毎年続いてほしい」と言っていたが、これっきりなんだよなあ。と後世ながらの感想
・ドラミ会場の後ろに貼られた66年日本GPのポスター
→もう一度確認したら2輪の1966年 第4回日本GPのポスターでした
・スーツがパキっと決まりまくっているレース後日インタビューを受けるグレアム・ヒルが紳士すぎて渋すぎる
・SCばかり出るアメリカ式レースがあまり気に食わないグレアム・ヒル

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