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衣替えとクイズ王。

10月ってこんなに寒かったかな?と、ぶつくさいいながらパーカーの袖に手を通しつつ「衣替えの時期だな」って思う今日この頃、皆さまいかがお過ごしですか。
わたしはカップヌードルのトムヤムクン味を半ダースほど買いました。トムヤムクンって初めて聞いたとき、だれかのニックネームだと思いませんでしたか?私は思いました。(トムヤムくん)

カップヌードルの中で、トムヤムクン味がいちばん好きです。カンチャンズッポシのごとく現れて、わたしのハートを一発ツモ、そんでもって裏裏まで乗っけてきたのです。
トムヤムクンとなら多分どこまでも行けます。仕事終わりのトムヤムクンの為にお湯を沸かしながら会社の前で待っていたいし、まだ知り合ったばかりの頃みたいに不意に「さん」づけで呼んで彼をドキッとさせてみたい気もします。

トムヤムさん。
酸っぱさが二段階くらい上がりそうじゃありません?
トムヤムクンはスウェットだけど、トムヤムさんはスーツにネクタイ。ネクタイの柄はもちろんエビ。純情海老デンス。(モーニング娘。'20)


トムヤムクンはさておき、皆さま、衣替えってどのくらいの頻度でするのでしょうか。

わたしの母はわたし以上にズボラなので、子どものころ、わが家ではしっかりした衣替えを行う習慣がなかったように思います。これまた母に似て、わたしは服狂いに育ち、20代の頃は部屋の中が服の山で溢れ返っていました。今でもそうだったなら、飼っている猫たちはたぶんみんな部屋の中で迷子になっていたかも知れません。

衣替えってめんどうだなあと、お思いになってる方も少なくないかなと思いますが、わたしは結構好きなんですよね衣替え。衣替えのCMなんか作って、「好きです、衣替え。」って振り返りながら言ってみたいです。駅のホームかなんかで。赤いジャケット着たりして。

去年しまいこんだビニール袋の中からまるで記憶にない服が出てきたりすると、棚から牡丹餅気分。これだからズボラな記憶力は辞められません。パパママ感謝!

一軍の服はハンガーでクロゼットに備え付けのポールにかけ、二軍のものは衣装ケースにイン。三軍のものに至っては三段のメタルラックに畳んで重ねて収納しています。

もう今年は着なそうだ。と思う服に関しては、感謝の言葉を囁いてグッバイ夏男。
リサイクルショップへ運び、そしてまた新しく服を買います。

そんなルーティンが年に2回。こんなの楽しい行事にならないはずありません。買い物するいい口実です。
好きです。衣替え。向かいのホームにはトムヤムクン。風になびくパクチー。


衣替えをしていると、本か何かで読んだからか、「本当に気に入っている服以外は捨ててしまいなさい」という言葉を思い出します。

ホーウ。そりゃまた大胆なことをおっしゃるよね。

お気に入りの服だけにしておけば、毎日お気に入りの服で生活できて、毎日ハッピーじゃね?という理論だったと思いますが、それってけっこう勇気というか覚悟が要りますよね。
だって、服が大好きだから、服を愛してるから服たくさんあるんだよ?なんで捨てるの??どうする?けんかする?ってなっちゃいます。

なんせ、三軍専用のメタルラックを買っちゃうくらいですから。
なんなら七軍まであるでしょってくらい服だらけの部屋をテレビで見たりしますし。三軍に抑えてるだけ立派ですよね。ね?


お気に入りの服だけにすれば、毎日お気に入りの服を着て過ごせるってのは理解できます。
じゃあ、毎日美味しい焼き肉を食べたからってそれは毎日ハッピーといえるのですか?

いえます。めっちゃハッピーだし、めっちゃホリデーです。

しかし、二軍の服を着たい日もあれば、三軍の服を着て出かけたい日もあります。

それは、ピカピカの泥団子を作りに公園へ出かける日だったり、釣り堀デビューの日だったり。
リリーブラウンのマーメイド・スカートで砂場にひざまずくのですか。
スナイデルのワンピースでマダイ釣りに行くのですか。


一軍の服じゃないからといって、その日の質も一軍じゃなくなっちゃうわけじゃないじゃない。
二軍のジーパン(履くのに慣れた)だったって、三軍のシワシワTシャツ(シワT)だったって、タダじゃない!じゃない?

前置きがずいぶん長くなってしまいました。
なんだか、市役所の「お気に入りの服以外捨てなさい課」の窓口でごねちらかして職員さんに愛想尽かされてしまったような気分です。


そんなわけで、ここからが本題です。
わたしと同じく、麻雀プロ団体のRMU(リアル・マージャン・ユニット)所属のマブダチこと角葉子ちゃんと焼き肉を食べに行った日の話をさせてください。

煙臭くなるのは、火(炭火)を見るより明らかなので、本来であればバキバキのお気に入り、一軍の中の一軍(もはやゼロ軍)でもって葉子ちゃんに会いに行きたいところですが、歯(葉)をくいしばって二軍の中でも限りなく一軍(四捨五入したら一軍)のワンピースで焼き肉デートに挑みました。


焼き肉を食べながら楽しくおシャベリ。
ジブリの話題になり、葉子ちゃんに好きなジブリ作品を聞いてみました。

韓国海苔に白米とお肉を乗せながら、葉子ちゃんは「2本あって、1本は王道で、もう1本は結構めずらしいって言われる。なーんだ。」といいました。

なにそれ。ぜんぜんムリなんですけど。返しが100点満点なんですけど。
こんなワクワクするクイズ、即席で作れます?実家クイズ王なの?聞いてないよ?前日に予行練習してきた?こんな葉子クイズ出してくれるなら、ローソンに前売りチケット買いにいきますよ。予約っていつからできます?スマホからでもできます?一枚7000円?じゃ10枚ちょうだい!(金銭感覚こわくない?)

わたしは「好きなジブリ作品は?」と聞かれたら、今まで食い気味に「耳をすませばですッッ雫のセリフ、ぜんぶ言えますッッッ」と答えてきていたので、葉子ちゃんを見習おうと心に決めました。
今度誰かに、「好きなジブリ作品は?」と聞かれたら、「王道ではないかな。物語を読むのが好きな女の子が出てくるよッヒントは図書館!なーんだッ?」って言いたいと思います。
言わなくてもお分かりかと思いますが、わたしの実家はクイズ王ではないです。


葉子とジブリなんて、そんなのもうほとんどハロプロとタピオカみたいなものじゃないですか。タピオカ買いに行ったら店員さんが牧野真莉愛ちゃんだったみたいなもんじゃないですか。夢のコラボじゃないですか。

そのクイズ、当てさせてくださいよ...。葉子さん。一発で引き当てて見せますよ、覚悟しておいてくださいよ。


「まずは王道のほうから当てますよ。トトロでしょう」「ちがいます」

「ラピュタでしょう」「ちがいます」
「千と千尋でしょう」「ちがいます」
「ナウシカでしょう」「ちがいます」

「だからあれでしょう。崖の上のポニョ!わたしも好き!ブルーレイ持ってる!」「ちがいます」

「魔女の宅急便!」「せいかーい」



結果は無様なものでした...。
わたしは悔しさのあまり、網の上の肉をすべてお皿に移し替え、熱々の網に手をひらを押しつけたいくらいでした。(こわくない?店員さん心配するんじゃない?葉子もそれなりに引くんじゃない?)

だが。まだ1本ある。
もう1本はなんぞや?チャンスはまだあるぞ、サラダ。

お肉を食えども食えども、葉子ちゃんからの「せいかーい」は頂けず、それはずるいことだと分かっていましたが、ラインのチェックをするかのごとくこっそりジブリ作品の一覧をグーグル検索した末に見つけた作品に思わず「ぜっっっったいこれじゃないか!!!!」と叫びそうになってしまいました。


「風立ちぬ!!!!!!」「せいかーい」


葉子ちゃんは「風立ちぬ」を劇場で3回も観たそうです。
それは、もはや爆風ですよ。網の上のたまねぎも武道館まで吹っ飛びますよ。

わたしだって「風立ちぬ」が大好きなのに...!!!
なぜすぐに答えられなかったんだ...!!!
一発ツモできたはずじゃないか...!!!

もしこのクイズに参加している人がもう一人いて、その人が「風立ちぬじゃない?」とわたしより先に答えを出していたら。
わたしきっと帰り道にその人のラインをブロックしていたと思います。(心狭くない?大丈夫?)

向かいのホームでトムヤムクンがうつむいて首を左右に振っている。トムががっかりした時に必ずするやつだ。聞こえないけれど「やれやれ」と言っているに違いない。


「風立ちぬ」の主題歌、荒井由実さんの「ひこうき雲」はあややが何度も何度も歌ってたじゃないか!!!松田聖子さんの「風立ちぬ」だって、毎日掃除機をかけながら歌っているじゃないか!!!!サラダのバカ!!もう知らない!!!


もしも時間を巻き戻せるのならば、いつかのあの日、上がり逃したイッスッチッソーを捕らえに戻るよりも、「葉子のことだから『魔女の宅急便
』と『風立ちぬ』でしょう?それくらい朝飯前だっつーの」と言いたいに戻りたい。
そう言って、葉子ちゃんの口元についた韓国海苔を指差しそっとおしぼりを差し出したい。(現実は口元に韓国海苔などついていない。とも言い切れない)

それから、「あたしこのパイ好きなのよね」と言って真っ赤な五索をツモりたい。きっと葉子ちゃんの顔も、赤ドラのごとく赤くなっていたはずだ。
「えーっサラダちゃん、すごい!わたしのことなんでも分かるのね!」はまだお預けだ。
ラジオから流れるルージュの伝言ともここでおさらば。

もし、あの時に戻れるならば、願いが叶うのならば、その時はきっと一軍のワンピースを着て行きます。一軍のワンピースくらい差し出します。スナイデルのワンピースがタレや、油で台無しになっても、ライチジュースを盛大にこぼしたってわたしは構いません。
トムだってがっかりさせたりしません。

帰りたい 帰れない あの日の角に 風立ちぬ。今は秋。
忘れたい 忘れない 葉子の笑顔。
なりたくてもなれない時空の旅人。

ということで、
SAYONARA SAYONARA SAYONARA 

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