韓国人である私が日本でWebtoon編集者を目指した理由
はじめまして、キムセヨンと申します。
都内の大学に在学中でありながら、ソラジマ編集部で女性向けWebtoonを制作しています。日本に来てから、2年ほど経ちました。
Webtoonへの熱い思い
ー小学生の時からのWebtoon好き
はじめてWebtoonに触れたのは2009年、小学4年生の頃でした。当時の風景を思い出してみると、塾の授業が始まる前に先生のパソコンでみんなでWebtoonを読んでいましたね。その時はまだスマホがなかったため、分厚いパソコンで、スペースキーでスクロールしながら読んでいました。
はじめて読んだWebtoonでありながら、 当時私たちの間で一番流行っていた作品『今、私たちの学校は』です。今年(2022年)の1月末にNetflixで公開されるそうですね。ジャンルとしてはホラー&ゾンビアクションです。以下、あらすじです。
小さい頃はこのようなダークな作品が好きだったのですが、今は異世界ファンタジー作品ばかり読んでいます。現在担当している作品も、女性向け異世界ファンタジー作品です!
でも昔の癖がまだ残っているのでしょうか…?出来上がってきた作品を改めてみたら、全体的に暗い雰囲気の作品でした(笑)。
今、NaverWebtoonを開くと、曜日別作品が数えきれないほど並んでいると思います。当時は曜日ごとに10作品ぐらいしかなかったので、久しぶりに開いた時は少し驚きました。
また、当時の1位から3位までの順位は、変わることがほとんどありませんでした。月曜日と言えばこの作品で、火曜日と言えばこの作品みたいな感じでしたね。
連載曜日はプラットフォーム側が決めるらしいですが、「すでに人気作が固まっている曜日には入りたくない」と、新人作家さんのブログの書き込みを何度か目にしたことがあります(笑)。
ー友達とリレー形式で制作したことも?
小学6年生の春、一人の女の子が転校してきたのですが、その子はよく一人で漫画を描いていました。授業中のある日、机の上にポツンと紙が落ちてきて、そこには筆記用具を貸してほしいという文章と一緒に、かわいい絵が描かれていたのです。
振り返ってみたらその子でした。絵を描くのが好きだった私は、その下に小さな絵を描いて返事を送り、それから私たちは一緒に漫画を描くようになりました。
交換日記のように描いていたのですが、不思議にもWebtoonの形式でした。紙漫画よりもWebtoonの方に慣れていたからなのか、持っていたメモ帳がたまたま縦長のメモ帳だったからなのか。
理由はともかく、コマの使い方やふきだしの配置など知識は全くのゼロだったので、クオリティーはかなり雑だったと思います…笑 とりあえず大事なシーンは大きく描いていたので、魅せコマについてなんとなく意識していたくらい…。
ふきだしの配置というのも、漫画制作においては重要な要素になってくると思います。下手すると読み応えが悪くなってしまうので、全て計算されて貼られるわけです。でもあの時は「空いているスペースに入れこむ」という認識でした。
あの分厚いメモ帳を2冊も使ったものですから、ずいぶんと時間をかけていたと思います。いつか正式なWebtoonとして世に出そうねと約束をしたまま、その子は転校してしまいました。
私は忘れないでほしくて、ボロボロになったメモ帳をプレゼントとして渡しました。連絡先が分からず現在の状況は分からないのですが、いつかまた会いたいです。今ならもう少しマシなWebtoonが作れるかも!
日本で編集者を目指した理由と、その中でソラジマを選んだ理由
そんな私がなぜ、日本でWebtoon編集者を目指したのか。一言でまとめると、「日本のコンテンツ力」です。
アニメーション産業からはじめ、コンテンツ強国である日本。そんな日本では、昨年からWebtoon市場が著しく成長しています。私は韓国にいる時から、この点をずっと注視していました。そして、急成長を成す「その瞬間、その場所で活躍していたい」と思ったのです。
その中で、なぜソラジマを選んだのか。理由としては、ソラジマはたとえ未経験であろうと新入であろうと、同等な機会が与えられるからです。
もちろんその機会が与えられるまで、選考試験から実力を検証する必要はあります。でも、入社と同時に全てのWebtoon編集者は、自分の担当作品を持つことができます。
それもまた、「この作品はきっとヒットするであろう」という自己判断からです。ここまで破格的な業務環境が他にあるのでしょうか...! そのようなことからソラジマ入社を考えました。
一方で、機会が与えられる分、当然責任も伴います。自己判断で選定した企画書、自己判断で採用したクリエイターさん、自己判断で出していたFBなど。
何らかの問題が生じた場合、作品がヒットできなかった場合、それは紛れもなく自分の責任になります。ある程度のプレッシャーがあってこそ動きやすい私からすると、とてもありがたい部分でもあります。
外国人として日本でWebtoon編集者の仕事をやっていて思うこと、心掛けていること
しかし、外国人として日本でWebtoon編集者をすることは、決して簡単ではないですね。最初から覚悟した上で飛び込んだとしても、それ以上に難しいのも事実です。
最も心掛けていることは、やはり「コミュニケーション」ではないでしょうか。
単に日常的な雑談をするわけではなく、ビジネス関係としてビジネス的な内容を扱います。時には折れたり、時には自分の意思で進めなければならないのですが、全ての言語がそうであるように、言葉一句でニュアンスが全然違ってきます。
特に互いの礼儀をもっとも重視する日本では、言葉選びは常に意識する必要があると思います。
日本に来て2年が経つ現在、まだ未熟なところばかりで、編集部の先輩たちや代表には本当にお世話になっております。もし韓国で同じことをするとしたら、きっと今よりはやりやすいと思います。
この表現は合っているのか、ニュアンス的にどうなのか、文化的にNGではないかなど。考える時間を、別のところに使うことができるからです。
でも後悔はしていません。今のやっていることはとても楽しく、この場所で遂げたい目標も確かにあります。ソラジマの一員として、コツコツとやっていきたいです!
同じように、Webtoon制作を在学中や留学中にチャレンジしたいと思っている人へのメッセージ
学業との両立は、本当に舐めてはいけないな…と日々感じています。どっちかに偏ってしまう時期が絶対的に来るので、余裕がある時に済ませられることは済ませておいた方がいいと思います。
その中でも、「外国で働く」というのは、本来自分が活かせる能力の7割がマックスだという覚悟が必要です。どんなに登っても登りきれない山があるような感じです。でも「外国人だから」と言い訳をしていると、どんどん埋もれてしまうので…!登りつづけるしかないです!!
悩む時間が勿体ない!いつか挑戦することなら、今すぐ挑戦しましょう!
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