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真っ暗な山中でロードバイクを担いで脱出した話
ロードバイクを購入したお店でメンテナンスしてもらった時の事です。
千葉県に住んでいるロードバイク乗りの方ならご存じだと思いますが、登りの練習をする場所と言ったら鹿野山(カノウザン)くらいしかないのですが、一般の方には認知度が低いようです。妻も知りませんでしたから。
マザー牧場があるところと言った方が解ってもらいやすいです。
でその鹿野山には、山頂へ向かう道がいくつもあるので、そのルートごとに傾斜や距離等が異なってくるので 自ずと好きなルートと苦手なルートが出てくるわけなんです。そのルートの話を店長さんと話していた時に、「普段は使われない裏ルート」があるという事を教えてもらったんです。
すでに午後16時半を回っていたのですが、お店からその場所まで自転車を車に積んで行けば、30分あれば到着するはずだと踏んで急いで向かった所までは良かったんです。なにしろ大型台風通過した直後に普段はあまり使われることのない道だったので道が土砂や木々でおおわれていました。
路面が荒れていても、途中まではロードバイクに乗って進む事ができていたのですが、片側が崖で反対側が山の斜面、そこに山の斜面から崩れた大木などで道が塞がれている箇所が数百メートルおきから数十メートルおきに現れるようになって、引き返すなら今しかないと思う反面、グーグルマップで確認すると、1.5㎞位登ればいつもの山頂がある事も分かったので、いける所までは行ってみようと決断をしたのでした。
そのルートに入ってすぐに、薄気味悪いトンネルを通り、土砂崩れの木々の間をロードバイクを担いで枝に引っ掛かりながらもなんとか潜ってきたので、引き返す際には同じルートを通らなければならないのは当たり前なんですが、スタート当時がすでに17時近かったので、日の光がなくなったら、木の間をかいくぐる事が難しいぞ それにあのトンネルは明るいうちに通らないと絶対に怖いやつ!
と何度も引き返せという、天使の声というか人間の本能が頭の中で叫んでいました。太陽も沈んでしまいロードバイクにつけていたライトは前方に明るいライト、後方には赤い点滅するライトをつけていましたが、赤いランプは恐怖感をあおるので消していました。そして道がカーブを描いていた箇所が完全に潜り抜ける空間もないのであきらめて引き返していた時、頼みのフロントライトの電池残量警告等が赤く点滅しだしてしまいました。
引き返したところまでに要した時間は約30分でした。やがて頼みのランプも完全に切れてしまったのです。
完全に真っ暗で人の気配はゼロ、山の中という環境が言葉で表現しきれないのが残念ですが、恐怖でした。
始めに来た道まで出てきた時にはとてもホットしました。
その後は自転車に乗って秋元郵便局までは漕いでいき、そこから山頂までは鹿野山の中で一番傾斜がきついルートなので初めから押して歩いて時間をかけて九十九谷公園の車まで向かった話でした。