ミニマリストとGとの相性

唐突だが、私の部屋は、モノが少ない。

もともとモノをあまり持っていないというのもあるし、断捨離ブームでだいぶものを処分したりした。ここしばらくのステイホーム期間にそれが加速して、さらにモノが少なくなっている。

いわゆる、ミニマリストのひとに近い位のものの量にはなっているんではなかろうか。

モノが少ないと、片づけがあっという間に済むし、モノが迷子になることがほとんどないので探し物の時間がいらなくなる、というメリットがたくさんある。

加えて、さらに意外ないいことが、先日起きたのだ。

先日の夜のこと。部屋に入って電気を付けたら。

ヤツが、いた。

黒くててかてかして触覚の長い、Gで始まる名前の虫である。それもなかなかのサイズ感。

(全然関係ないけどDREAMS COME TRUEの新曲が『G』。前はこの略称で呼んでいたけど、同じ名前になっちゃうからもう使いづらいな…)

基本的に大体の虫は大丈夫で、家に飛び込んできたセミは平気で手づかみするし、クモは可愛いくて見つめてしまうことがしばし。ムカデとかは刺されたら嫌なので触りはしないが、まぁ見る分には全然平気。

でも、ヤツだけはだめなんだよなぁ…

黒い虫見つけてびくっ、ってなって、でもよく見たら違う虫だったら何にも怖くなくなるんだけど、もうGってだけでダメ。同じ仲間で、でも山に住むおとなしい(?)サツマゴキブリとかも、なぜか、だめ。

人間に植え付けられた根本的な嫌悪感というものがあるんだろうか…

まあそれはともかく、ヤツを見つけてしまった。

結構久しぶりの対面だ。だからショックも大きく、思わず大きな悲鳴が出てしまった。

考えてみたら大きな声出すのも久しぶり。最近は人と話しすることもはばかられるような風潮だからな。

何事かと駆けつけた母に虫駆除のスプレーを依頼し、目を離さないようびくびくしながら監視する。気配を感じているのか微動だにしないG。その間に壁沿いの棚に並んでたいくつかのものを撤去する。

すぐに渡されたスプレーを壁に貼りつくヤツ目掛けて吹き付けた。ブシューッ!!

すぐに下の棚に逃げ込むG。ギャー隠れちゃう!と思ったけど棚板の上に止まっていたので再びヤツ目掛けて再噴射。

さらに下に落ちて床にとどまった。

動かない…?でも念のためもう一回噴射。

シーン。反応なし。

…やった、やったよ!やっつけたよGを!!

謎の達成感である。

完全に動かなくなるのを確認して、恐る恐る床に伸びたヤツの身体を袋の中に飛び込ませ(直接は触れないので長く伸ばした紙片で弾いた)、袋を固く閉じてゴミ箱へイン!

ここまで、おそらく30分ほど。作業時間で言えば5分もなかったんではないだろうか。

以前はもっと退治に時間がかかった気がするけど、だいぶヤツの対応になれてきたのだろうか。

とか思ったりもしたけど、たぶんそうじゃない。

勝因はおそらく、部屋のモノの少なさだ。

だからスプレーの薬剤も、ダイレクトに当たっただろうし、その後逃げたくても逃げる場所がなかったんだろうな。

その後の処分も、ほとんどモノをどかすことなく済ませられた。

これがモノが多い状態だったら。

まず、部屋に入ってきたヤツの姿をすぐには見つけられないだろう。モノの陰に上手いこと隠れて、住み着いてしまうかもしれない。見つけられたとしても、モノの陰にすぐ逃げ込めば、それをどかすのにえらい時間がかかってしまう。退治しようにもスプレーした薬は大半がモノに吸収されてしまいそうだ。モノをどかしては攻撃し、逃げた先でまたモノをどかし、の繰り返し。

ようやく仕留められたとしても、物陰に入り込んでしまった姿を引っ張り出すのは至難の業。なんとか出せた姿は、埃で白くまだらに染まってしまって。

これが以前我が家で出現した時の顛末。

でもモノがないとこんなにあっさりと処理することができるんだ!!

モノを少なくして過ごしていた自分に、グッジョブである。

そしてこれからもモノを減らす生活が加速しそうだ。

とはいえモノの少ないスペースは我が部屋だけ。モノをため込みがちな母親の領域であるリビングや台所などはモノにあふれたまま。そっちにヤツが出ないことを祈るのみである。

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