タナカー的田中圭くん「役柄」レビュー~芸人交換日記
タナカーになってからというもの、レンタル店のページでいろいろと過去作DVDを検索するのが趣味になっていたのだが、そんな中で見つけたのが、この「芸人交換日記」だった。
ただ当時、私が行きつけだったレンタルショップでは残念ながら在庫は「なし」表示。つまり、見たいなら買うしかない状況。(ちなみに今はレンタルできるようになった模様)
今なら、彼が出てる舞台なら迷わず買ってしまうけど、当時はまだタナカー歴も浅く、内容を観たことない作品のDVDを買うのは、結構ハードルが高かった。
でも、見たい。見てみたい。
彼が舞台俳優として、どんな感じでお芝居してるのかをどうしても知りたい。
どうしてもその衝動を抑えられなくなってしまったので、とにかく買ってみることにした。
届いたパッケージの裏側をみた瞬間、一瞬で、楽しそうに漫才している表情とは全く違う二人に惹きつけられてしまった。
そして「夢を諦めるのも才能だ」という言葉。
直感で、これは絶対、私が好きなタイプの作品だなと思った。
3時間ということで、家で見るにはなかなか気合が必要だったのだが、なんとかひとり時間を作って鑑賞。でも途中で家族が帰ってきてしまい、いったん中断して、後半は別室にこもって観たのだった。
そして、この作品が私を本格的に、俳優・田中圭の世界に引きずり込んでしまったのだと思う。もういろんな意味で、私にとって衝撃だった。
こんな膨大な量のセリフを、まるで自分自身の言葉のように話し続けられる人が、
甲本という、ダメでしょうもないはずの男を、こんなにも愛すべき人物として描き出すことができる人が、
そして…こんなにも自分の心を揺り動かしてくれるお芝居ができる人が、
この世界にいたなんて。
本当なら、ラストの天国漫才は笑って観るシーンなんだと思う。
きっと、漫才自体は面白いはずなんだ。
でもいまだに、冷静には見られない。
だって、見たら必ず、泣いてしまうから。
正直、映像作品を観て、こんなに泣いたのは初めてだった。
泣きすぎて、呼吸ができなくて手足が冷たくなるなんて、そんな経験も初めてだった。
舞台演劇って、こんなにも人の心を動かせるものなのか。
感動なのか、感傷なのか、自分でもよくわからない感情がもうあふれるように湧き上がってきてしまうから、とにかく涙が出て止まらなかった。
そして、これに封入されてるブックレットがまたなんとも嬉しい。
これは若林さんと圭くんの二人が実際にやってた交換日記のコピーなんだけど、直筆で書かれていることもあり、舞台にかける二人の想いとか関係性がものすごく伝わってくる。
なんといっても、圭くんの直筆をここまで目にする機会って、なかなかないですからね?
なお後日、本屋さんで原作本も見つけたのでこちらも熟読。
舞台はこの原作にほぼ忠実に作られているので、こちらはシナリオブックと考えていいくらいかも。
もう読んでいると、どの場面も(なんなら上映されなかった部分も含め)二人の声で再生されるので、これを読んでるだけで、まるでDVDを観てるような気分になれた。
さらにはツイッターでおすすめされて、こちらも入手。
当時はあまりよくわかってなかったけど、舞台関係の掲載記事は、実はドラマや映画に比べてそう多くない。でも、こういうのを読むとより一層その作品に対する理解が深まるし、いつでもじっくりその世界を味わうことができるので、私にとってはとても大切なもの。
おすすめしてくれた方、本当にありがとう!
そしてこれはまだ持ってないけど、上演中のふたりの写真が気に入ったのでリンクを張ってみるw
<結論>
舞台俳優としての彼に少しでも興味がある方は、ぜひぜひこの作品を観てほしい。きっとまたひとつ、俳優としての彼に対する見方が変わると思います。