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ノリと勢いだけで滝行修行へ行ってきたら覚醒した話

ある日、ソライヌは憂いていた。



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> 月日の流れが早すぎる <
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なんにもしていなかった訳ではないけれど、気がつけば2022年の半分が終わろうとしている。
自分なりに一生懸命仕事をしたり、作家になるためにコンペに向けて小説を書いたりもした。

…それでも全部が全部上手くいっている訳では無い…(遠い目)

ていうかなんやかんやもうすぐ誕生日を迎えるソライヌ。
えっ?もう23歳?嘘でしょ??

正直、子供の頃描いてた大人にはなれなかったけど、今は今なりに頑張って生きている。

でも…でも…

不安が一切ないかと聞かれれば嘘になる。

漠然とした不安に襲われる日だって少なくない。
去年は就活に奔走するも結局実力は振るわなかった事実もあるし、フリーランスとして収益は得ているもののそれなりの苦労だってある。
小説のコンペだって書類落ちがいいとこだ。

「まだ若いんだから…」なんて言われたりするけど、
「うるせぇ!!若くても不安なことは不安なんじゃい!!」と内心思ってるし。

それだけじゃない。心配事は色々ある。
税金や最低限生きるための出費だけで、お金はほぼほぼ消えるし。
肩こりが酷すぎて整体に行ったら「岩石みたい」って言われるし。
そして推しは元気に過ごせているのだろうか…

このままでは私は…私は…!!

そうだ、滝行に行こう。

というわけで前フリが大変長くなってしまいましたが滝行修行に行ってきました。

6月某日、天候は快晴。
最寄り駅である武蔵五日市駅からバスに揺られ約40分。
バス停から少し戻ったところにあるお寺が今回の目的地。
お寺の名前は「天光寺」さん。

こちらのお寺で行われている「半日滝行体験」に参加させていただきました。
今回ソライヌが体験した滝行以外にも写経や瞑想、さらにはお祓いや企業研修なんかも行われているそうです。

先に簡単に体験の流れを説明しておきますと

12:30
受付・入滝時の説明・指導
13:30
お百度参り 
14:00
移動・入滝
15:30
着替え・解散
(人数や季節によっては時間に変動アリ)

こんな感じで進んでいきました。
ここからはソライヌの体験をもとに詳しい体験記を書かせていただきます。

ステップ① 受付~ご指導



天光寺に着いたらまず受付を済ませます。
今回はソライヌ以外にも二人組の学生さん(女性)も合わせた合計3名で滝行を行うことに。
「滝行体験に来た」ことを伝えるとお堂に案内されて自分の氏名や住所、同意書を含めた数枚の書類に必要情報を書きます。
さらに、この書類の中に「なぜ今回滝行に来たのか」という理由の記入も含まれており、この部分はどんな理由でも構わないのでなるべく詳細に書くよう勧められます。
ちなみに自分は「もうすぐ誕生日を迎えるので、気持ちを一新して精進したい」みたいなことを書きました。

記入が終わり次第、書類と体験料(お布施)と貴重品をお坊さんに預けます。
半日滝行体験の金額は1回6000円。
この時天光寺のLINE公式を友達追加しておくと料金が1000円割引されるクーポンがもらえます。
こちらのクーポンを適応させて今回は5000円を納めさせていただきました。
それにしても、お寺もLINEやってるんですね。
なんとも現代的です。

基本的にスマホもこの時に預けることが可能です。
ただし滝行の撮影(それ以外は基本撮影禁止)を行いたい際は自己管理になります。

お布施と貴重品の受け渡しも終わったら道着にお着替え。
女性は道着の下に下着が透けないような濃いめのTシャツとレギンスや短パンを着用できます。
自分は推しである楠田亜衣奈さんのライブTシャツと無印で買ったレギンスを着用しました。

そしていよいよ修行開始。
「ゆうて半日だけだしそんな大したことないんやろww」とお思いの方。

朗報です。

「この体験、想像以上にちゃんとしてます」

前置きに書かせていただいた通りこの体験、滝行以外にも割と内容が充実していて、みっちり濃密な半日を過ごすことが出来るんです。
都心のおしゃれなお店で買える野菜たっぷりサンドイッチくらいみっちりしてます。

まず初めにご指導していただく指導者さんの自己紹介から始まり、続いて滝行における注意事項の解説と簡単な説法を受けます。
この時から正座でお話を聞くことになりますが、キツイ場合は胡坐でも大丈夫だそう。
胡坐をかくことは仏教ではちゃんとした座り方の一つらしいです(うろ覚え)
そしてこの説法も割とフランクにクイズ形式でこちらに答えを聞いてきたりもします。

お坊さん「滝に住んでる神様の名前、分かりますか?」
ソライヌ「ええ…?わかんないです」
お坊さん「ブブッー!!時間切れです!!」
ソライヌ「(初めてお坊さんに『ブブッー!!』って言われた…)」

こんな雰囲気で終始進んでいくので説法とは言いつつもあんまり身構えなくて大丈夫です。
ソライヌも「ブブッー!!」っていわれたので。

その後は所作を指導していただいたのち参加者を含めた全員でお経を唱えたりしました。
おなじみの「般若心経うんたらかんたら」で始まるやつですね。
ほかにもいろんなお経を唱えたりしましたが、内容はキレイさっぱり忘れてしまいました。
「なるべく朝起きた時に唱えるといいですよ~」なんてご指導受けたのにね。
自分の記憶力の乏しさに悲しくなってきますね。

色々教わりましたがここで一番重要なのは
「南無大使遍照金剛(なむたいしへんじょうこんごう」
というお祈りの言葉。
この言葉はこれから繰り返し使うことになるのでこれだけはしっかり覚えておきましょう。


ステップ② お百度参り

基礎的なことを一通り済ませたら、ここからは野外での活動になります。

突然ですが皆さんは「お百度参り」ご存じですか?

お百度参りとは境内の一定距離を移動して神仏へのお参りを繰り返す行為のことを指します。
もっと簡単に言い換えるならば「お祈りしながらシャトルランをする」みたいな感じです。

滝行は「自分自身の願いをかなえるための修行」なのに対して、お百度参りでは「自分に関わる身内や周りの人たちの健康や幸せを願うために行う修行」にあたります。
…なんかめっちゃかっこいいですね!!(小並感)

本来ならば名称の通り100回(正式には煩悩の数の108回)お参りするらしいですが、今回は時間の都合で15分ほどお参りをしました。
お塩とお酒で体を清めた後、コンクリートでできた一本道の上をひたすら走らされます。
なお、この時は全員裸足です。

走る→合掌しながら「南無大使遍照金剛」と三回叫ぶ→お辞儀→走る…
回数にすると大体30~35参りくらいですかね。
言葉だけだとわかりにくいと思うので、こちらの動画を参考にしていただけるとわかりやすいかと。



ちなみにこのお百度参りも、例によって舐めてかかるとめっちゃキツイです。

短縮されているとはいえ、体力がないとかなり厳しい運動量だと思います。
実際自分も毎日リングフィットアドベンチャーをしている身とはいえ、ここ最近のデスクワーク中心の生活が祟ってか後半はかなりバテ気味で走っていました。

さらに参加していた日はかなりの猛暑日。
突き刺さるような日差しと熱せられたコンクリートがじわじわと体力を奪っていきます。

お参りが終わった後にいただいたポカリスエットは体中に染みわたりました。

ステップ③ 滝行

お百度参りも済ませたら、いよいよ滝行へと進んでまいります。
お寺から少し離れたところに滝があるため、バスに乗り込み10分ほど移動。

そしてさらに10分ほど登山を行い到着したのが…

こちらが今回お世話になった「子天狗の滝」です。

率直な感想としては「…あれ??思ってたより勢い強くね??」
ちなみにこれでも水量は少ない日だそうで。
この時点でやや圧倒されていました。

あれだけ暑いと感じていた日差しも、滝の水温のおかげかかなり涼しい。

今回参加者は私を含め3名。
ソライヌはなんと一番最後にやることに。
滝行鍵閉め担当ですね(?)

こちらも簡単に滝行の流れを説明しておきますと

入水

山の神様と滝の神様に挨拶

胸、肩、顔に水をかける

桶に入った水を頭からかぶる

「南無大使遍照金剛」を三回叫んだのち息を確認される

意識があるのを確認したら入滝

背中で滝を受けつつ「南無大使遍照金剛」を繰り返し叫ぶ

さらに滝の奥に入る

いけそうならしゃがんだ状態で滝を受ける

滝からあがりお礼を言って終了

これを大体3分くらいで行います。
夏場とはいえ、急に冷たい水につかることでパニックになってしまう方もいるのだとか。
その場合は無理せずリタイヤも可能ですが、もったいないのでなるべく頑張って耐えよう!とのことでした。

※ここからソライヌの体験レポを詳細に描くため、心の声と一部写真を用いて解説させていただきます。
実は映像も取っていたのですが、想像以上にソライヌの声が汚かったためお蔵入りしました。許して。
(注意:ゴリゴリにソライヌの人間体が写ってます)

~ソライヌ、滝行スタート~

まずはキチンとご挨拶

ヨシッ…イクゾ…ワッ!!すんごい水冷たい…!!

肩と胸と頭に水かけるんだよな…ウォッ…水つめてぇ…!!汗が一瞬で引っ込んだ…!!!!

よし…!!次は桶の水を頭から一気に…!!これはもう勢いで被るしか!!
せーのっっ!!

いっせーので水被る

う゛わ゛あ゛ぁ゛ぁ゛っ゛っ゛!゛?゛!゛?゛!゛?゛!゛?゛
想゛像゛以゛上゛に゛つ゛め゛た゛あ゛ぁ゛い゛!゛?゛!゛?゛!゛

ンヒィッ…!!サウナの水風呂とはわけが違う…!!
でもいける…!!確かに一瞬冷たさにビビったが大丈夫だ…!!

(指導者さんの声かけ)
ハイッ…!!大丈夫です…行けます…!!
そのまま手を取っていよいよ滝の中へ…!!イクゾ…!!イクゾ…!!

いざ、滝の中へ


ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!!!!(滝の音)
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!゛!゛!゛!゛!゛!゛
が゛あ゛ぁ゛っ゛っ゛!゛!゛!゛!゛
う゛わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!゛!゛!゛!゛
(滝の音でかき消されるイヌの声)

つっ…!つぶされる!!
滝の勢いでつぶされそうになる…!!
これ以上潰れたらただでさえ小さい身長がさらに縮んでしまうのでは…!?

写真だと「全然滝つかっとらんやん!!」ってツッこまれそうだけど…

この距離でもかなりの水圧が襲いかかってきます!!!!

正直水の冷たさは割と慣れてきた…!!
あっそうだ「南無大使遍照金剛」って言わなきゃいけないんだ…!!

(指導者さんの声かけ)
「南無大使遍照金剛!!」(精一杯の大声)

(指導者さんの声かけ)
「南無大使遍照金剛!!!」(できる限り精一杯の大声

(指導者さんの声かけ)
「南無大使遍照金剛っ!!!!」(大声で叫ぶのってなんか新鮮)

ソライヌ、なんとか第1関門突破


次は…たしか滝の奥へ移動すんだよな…
いける…いけるぞソライヌ…!!

指導者さんの手に誘われるまま…!!更なる未知の世界へ…!!

いよいよ次のステップ
第2関門突入


ドドドドガガカドコドドガドドドドガガガ!!!!!!!!!!!!!!!!!!
(更に大きくなる滝の水量)(比例して音もでけえ)

お゛ぼ゛ぼ゛ぼ゛ぼ゛ぼ゛!゛!゛!゛!゛!゛
耳゛が゛ァ゛ァ゛!゛!゛
肩゛が゛ァ゛ァ゛!゛!゛
持゛っ゛て゛か゛れ゛る゛!゛!゛!゛!゛

「いや〜デスクワークで凝ってた肩こりが解消されそうですね〜(笑)」とか余裕こいてる暇もねぇ。
水の圧が、すごい(語彙)

この中でも叫ばなアカンのか…?
と、とりあえずできることをやらないと…!!

(指導者さんの声かけ)
「南無…大使…遍照金剛っ…」(持ちこたえろ気力)

(指導者さんの声かけ)
「なむ…たいし…へんじょう…こんごう…」(やや折れかけ)

(指導者さんの声かけ)
「な…む…たいしぃ…へんじお…こんご…」()

アカーーーーーン!!!!



水が!!!!口に入って!!!!言葉が回らん!!!!

それだけじゃない…!!
水が凄すぎて目だって開けていられない…!!
肩も首も痛い…!!

そしてふと思ってしまう
「なんでこんな辛いことやってんだろ…?」という疑問っ…!!

圧倒的っ…!!水量っ…!!
これが滝っ…!!自然の脅威っ…!!
ソライヌっ…!!心を折られかけるっ…!!

だが、次の瞬間ーーー

※画像はイメージです

ソライヌっ…!!覚醒っ…!!
謎の領域(ゾーン)への突入っ…!!

……あれ?あれれ??
なんか今…すっごい楽しいぞ…!!!!

ハッキリいえばキツい…だけどなんだろ…
異様な程の高揚感がある…!!

今この滝行という苦行に等しい修行を乗り越えた先にある世界…!!
見てみてぇ…!!やってやろうじゃねぇか…!!
(なんかこの辺から刃牙の世界観が乗り移ってきた)

最終フェーズ…!!滝の下でしゃがむっ…!!
これにより滝本来の水量を体全身で受けることができるっ…!!
いけるぞソライヌっ…!!やるんだろっ…!!
願うべきは自分自身の成長だけじゃない…!!
もうすぐ誕生日を迎えて気持ちを一心することだって大切な事だ…!!
だけどっ…!!だけどっ…!!!!

ソライヌ、目覚める

推しの健康と!!!!そして何よりこんなソライヌと関わってくれる友達やお仕事で知り合った方々の幸せを!!!!何よりも願いたい!!!!!!

うおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!

悟りを開いたソライヌ

ーーーー𝑯𝑨𝑷𝑷𝒀 𝑩𝑰𝑹𝑻𝑯𝑫𝑨𝒀 𝑺𝑶𝑹𝑨𝑰𝑵𝑼ーーーー

ーーーーそれからソライヌと仲良くしてくれる皆様いつもありがとうございますーーーー


……

𝐓𝐡𝐚𝐧𝐤 𝐲𝐨𝐮.

滝行の全過程終えたソライヌの顔は、それはそれは誠晴れやかな表情だったそうな。


全てを終えたその先に〜後日談とか〜

そんなこんなで無事、滝行修行を終えてまいりました。

この後は簡易更衣室で濡れた服を着替え、山を下り元いたお寺に戻って解散となりました。

ちなみに周辺のバスは1時間に1本しかこないので、乗り遅れたら割と悲惨なことになります。
気をつけましょう。

この滝行を終えた翌日にnoteを書いている訳でございますが、
完走した感想と致しましては
「想像以上に楽しかった」です。

道中や慣れるまでに時間がかかり「しんど…」と思ってしまった場面も多々ありますが、案外性に合っていたらしく最後まで気持ちいい環境でやりきる事が出来たような気がします。
元々体鍛えたりするのは好きですしね。

そして何より、これから例え理不尽な理由で怒られたとしても「それでも私は滝に打たれたことあるけどね(ドヤァ)」と寛容な心持ちで生活を過ごす事ができるのです。

かなりレアな体験ですし、何より「自分、滝に打たれたことあるんだ〜」と話のネタにもできますからね。

ここまで長々とレポを書かせていただきましたが、
ソライヌが最後伝えたい事はただ1つ。



ソライヌ、もうすぐ23歳です♡


〜おしまい〜


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