noteを始めた理由。
最近、世の波長が崩れた様に
脱退、解散、活休、他界、等の言葉を立て続けに目にする耳にする。
その度に、何か形あるものは必ず終わりがくると。今ある事が当たり前ではないし、永遠なんて無いんだなと痛感する。
GOOD4NOTHINGのTANNY(Gt/Vo)が脱退を発表した翌日、千葉LOOKにてTOTALFATのライブがあった。
もしかしたら、明日には私の耳が聴こえなくなってるかもしれない。
もしかしたら、明日にはTOTALFATが解散してしまうかもしれない。
そんな心持ちで1つ1つのライブを心に刻もうと、今まで以上に大切に味わおうと決めた。
そんな決心をしてから2ヶ月。2019年4月7日。
(以下TOTALFATのHP、Kuboty(Gt)のコメントよりいくつか抜粋。)
「突然の報告になってしまいごめんなさい。
この秋、KubotyはTOTALFATから脱退します。」
その言葉が目に飛び込んだ時、私は反射的に携帯を閉じた。
嘘だよね、何も見てない。私の見間違い。
そう言い聞かせて、目の前の用事を済ませた。
心臓が煩い。
口が乾く。
なんか喉が苦い。
3時間程してから、漸く落ち着いてHPのコメントを読んだ。画面を撫でる指が震える。
「TOTALFATのKubotyとして過ごした約15年間は多くの経験、出会い、感動を与えてくれた。
けれど自分自身を見つめ直したとき、まだまだ自分の目標には遠く及ばない事にも気付きました。
また、長くバンドを続ける中で、自分のやりたくない事や楽しめない時間も増えてしまった。
これはどの社会にも言えるかもしれないし、同じ悩みを持つ人は沢山いると思う。
だからこそ、おれらバンドマンは夢や理想を歌ったり、みんなの背中を押すことがその使命であるべきだと思っています。それなのに自分がバンドをやりながら100%幸せではないという事実に、違和感を強く抱くようになりました。
誰にも干渉されず自分の好きなように曲を書きたい。
色んな場所で色んな曲で色んな人の横でギターを弾いてみたい。
もっともっと自分の可能性を試したい。」
受け止めたくない言葉を、ゆっくり読み進めていったとき。想像以上に素直で、真っ直ぐなKubotyの気持ちがほろほろと伝わってきた。
綺麗事ではない、出来る限りの、最大の本当がそこには詰まっている。
いつも巫山戯てボケ倒してるKubotyが
本気で明かした心の内。
気付いたら、電車の床を涙で濡らしていた。
「人生は一度きり。生きてる中で今が一番若い。後悔の無い人生を送ろう。おれは自分の人生を変えるよ。どうなるか分からないけど。でも行動しなかった後悔より、行動した後悔の方が、絶対納得できる。これが自分の信念です。」
安定ともいえる環境を飛び出してまで自分のやりたい事に向き合って、未来の自分に可能性を見い出したKuboty。
リスクを追う勇気のいる選択。
案外、続けるよりも辞める事の方が難しい。
何事もその場に留まる事の方が楽だ。
私は3年前のあの日、後悔のない決断を下せなかったから。もっと自分と向き合って、勇気を振り絞って未来の自分のために前進したかったから、
この信念を読んで
3年間の後悔が、全身で填めいた。
「みんなも迷った時、大好きなバンドマンの生き様を見つめてください。そしてライブハウスに足を運んでください。」
私が初めてライブハウスに行ったのはTOTALFATのライブ。
ライブハウスに通うキッカケを作ってくれたのはTOTALFAT。
初めてサイン貰えてお喋り出来たバンドマンはKuboty。
Kubotyが大好きだと公言するライブハウス、新木場STUDIO COASTに初めて行ったのもTOTALFATのライブ。
そしてそこで大好きな仲間と出逢った。
更に、その新木場で所謂ダイブやらリフトやら。音楽に身体を任せて自由に吸収する楽しさを知った。
何もかも、特別な日は決まってTOTALFATのライブだった。
抱えきれない感謝がある。恩がある。
私はその恩を応援という形で精一杯返していきたいし、素晴らしき文章を世に放って恩返しをしたい。
そう思って、noteを始めた。
夢が出来たのも音楽のお陰。
夢を追うことを諦めようとした時に
支えてくれたのも、音楽のお陰。
バンドマンの姿、言葉、生き様のお陰。
TOTALFATとしてのKubotyが、ギターを掻き鳴らすのにもリミットが出来た。
4ピースとしての音楽が聴けるのもあと半年。
今の環境を脱せられなかった後悔を少しでも減らすべく、私は出来る限りライブハウスに足を運ぼうと思う。
いくら永遠なんて無いと思ったところで
どこか頭の片隅で
TOTALFATは大丈夫だろう、
と思っていたのが事実。
Kubotyは凄い。羨ましい。
そんな決断が下せる彼に拍手喝采。
そしてお疲れ様と頑張れの2つ。
隠した悲しさと寂しさと信じたくない気持ち。
当たり前なんてない。