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【GENBAx点検事例】点検業務を電子化しペーパーレスに~地域のDX化リーダーが語るDX成功へのステップ 株式会社田中組様(北海道)~

「建設現場のあらゆる点検表をペーパーレスに!」を合言葉に、2024年4月にリリースした「GENBAx点検」。建機レンタル会社様向けサービスを提供しているSORABITOが、建設会社様向けサービスであるGENBAx点検を提供するきっかけとなった、田中組様との出会いから、同社がDX化を社内で推進するポイントまで、プロジェクトリーダーである株式会社田中組 土木部建設DX推進室の髙橋様にお話しを伺いました。


GENBAx点検について

GENBAx点検は、安全点検を効率化するツールです。建設機械の始業前点検のほか、設備や足場の点検、作業員の健康チェックなどあらゆる点検表をペーパーレスに。点検表の回収が不要、点検の承認をスマートに、安全点検業務の効率化を実現するサービスです。

2023年年末にα版リリース、田中組様を中心にトライアル環境をご提供。ご利用いただいた現場からフィードバックをいただきながら、2024年3月にβ版、4月には製品版をリリースしています。

GENBAx点検の導入インタビュー

株式会社 田中組 土木部 建設DX推進室 髙橋 佑介 様


髙橋様の社内でのお役割

SORABITO:本日はインタビュー取材のご対応をいただきまして、ありがとうございます。初めてお会いしてから、1年以上経っておりますが、改めて御社内での髙橋様の役割について教えてください。

髙橋様:土木部 建設DX推進室に所属しています。建設現場を効率化し、残業時間などを削減できるようなサービスの選定やDX導入促進の旗振り役をしています。現場の業務にはかなり課題があるので、発生している課題をシステムなどを活用して解決できる方法を模索しています。

SORABITO:主に所属されている土木部のDX化をリードしている形でしょうか

髙橋様:そうですね。全社を見ているメンバーもいますが、明確に役割が別れているというよりも、全社と土木部を行ったり来たりしながら、ケースバイケースで対応しています。

SORABITO:お電話でお話しさせていただく機会が多いですが、いつも現場を飛び回っていらっしゃっていてお忙しそうですよね。

髙橋様:はい、当社の道内すべての建設現場に顔を出していますね。最近では、他社様にお邪魔して、当社のDX事例の共有をする機会も多くなっています。上司もどんどん外に出て行け、と協力的なスタンスでいてくれているので、積極的に動き回れてありがたいですね。我々のDX事例を共有するだけでなく、他社様の情報もインプットできるので、持ち帰って自分たちの業務にも生かしています。

田中組様とSORABITOとの出会い

SORABITO:2023年5月のCSPI-EXPO(建設・測量生産性向上展)が初めてご挨拶させていただいた日だと記憶しています。

髙橋様:そうですね。元々はi-Rental注文のサービスを利用してみたいと思い、CSPI-EXPOのSORABITOさんブースを覗きに行ったのが出会いでしたね。

SORABITO:その後、夏くらいに、「建設現場の点検についての課題もあるから、話を聞かせてほしい」とご相談をいただきました。当社としては、まだ建機レンタル会社様向けのサービスである「i-Rental 点検」のみしかサービス提供していない状態でしたが、建設会社様の業務にもマッチするのかという点も伺いたく、お打ち合わせさせていただきましたね。

田中組様の現場における点検の課題感

SORABITO:点検業務に関しては、どのような課題があったのでしょうか。

髙橋様:課題は実は2段階ありまして、まず、点検に限らず、ペーパーレス化の課題があり、解決策としてタブレットを現場に導入していたのですが、なかなか使われなかったんです。いままで紙で仕事が進められていたので、わざわざタブレットを利用しなくても仕事が進んでしまうのです。それでは使われないですよね。やはり、タブレットを渡すだけではなく、建設DX推進室の方から何かしらの施策を打って、働きかけて行かなければいけないと思い施策の検討を進めました。

SORABITO:どのような施策を打たれたのでしょうか。

髙橋様:インセンティブの設計をしまして、削減した紙の枚数分、電子マネーのポイントを付与する取り組みを実施しました。個人にインセンティブが還元される仕掛けにしたので、どんどん点検業務のペーパーレス化が進んでいったのです。この施策のおかげで、タブレットが使われないという第1段階目の課題は解決していきました。

SORABITO:残る第2段階目の課題はどんなものだったのでしょう。

髙橋様:始業前点検の点検業務だけはどうしてもペーパーレス化が進められていなかったのです。インセンティブ施策で意識も高まっていたので、現場からも「点検表は紙なんですが、どうにかなりませんか?」みたいな声が上がって来ていました。もちろん、点検に関するサービスの調査は進めていましたが、点検業務は自社だけではなく、協力会社様も巻き込む必要もあり、それに応えられるサービスがなかなか見つけられずにいたのです。

SORABITO:そこで当社にお声がけいただいた、ということですね。i-Rental 点検をご説明をさせていただき、御社に好評価をいただいたことによって、レンタル会社様だけでなく建設会社様でも使っていただける点検サービスに発展させられるのではないかという大きなヒントをいただきました。まさに、GENBAx点検サービス誕生のきっかけですね。

点検業務トライアル開始までの道のり&ポイント

現場選定
SORABITO:導入のご検討にあたり、まずはトライアルをしていただくことになりました。最初のステップとして、トライアルをしていただく現場の選定がありましたが、どのようなことを意識して、現場選定をされたのでしょうか。

髙橋様:ポイントは、2つありました。

①点検対象が多い現場であること
・重機の扱いもあり、且つ、重機の入れ替えも多い
・仮橋の点検など、点検種別も多くある
②徹底して実行できるメンバーが揃っていること
・協力会社様も含め、しっかり浸透させることができる

SORABITO:なるほど。トライアル当時は、現場のご担当者の方からも、直接当社に連絡いただきながら進めることができましたのも、髙橋様の現場選定時のご配慮によるものなのですね。

点検業務トライアル実施の了承
SORABITO:社内で話を進めていくにあたり、髙橋様の裁量で進めて行けたのでしょうか。

髙橋様:私と室長である上司が同じ意見でしたし、相談しやすい関係性でもあるので、部内での障壁はありませんでした。全社で一斉にとなると、障壁があったり、時間がかかったりするのですが、土木部の中から進めていきましたので、止まることなく進められました。

仮説設定
SORABITO:工期は結構長かったですが、長い期間の中で検証してみたい仮説などはありましたでしょうか。

髙橋様:QRコードをスキャンするだけで、すぐに点検業務が始められるのはとても楽であると感じていました。楽であれば、利用する人たちが、簡単にデジタルシフトしていけるのかは検証したかったですね。紙から抜け出せない理由は、デジタルへの苦手意識や煩雑さになりますので。合わせて、業務が楽であれば、自社のメンバーだけでなく、協力会社様も同時に巻き込めるかも見ていきたいと思っていました。

点検業務トライアル実施〜社内承認までの道のり&ポイント

点検業務トライアル実施
SORABITO:トライアルを進めていただく中で、課題感はあがってきたりはしなかったのでしょうか。

髙橋様:細かい要望はちょこちょこあがってきましたが、都度SORABITOさんに相談して改善していただいたので、課題感というほど大きなものにはなりませんでした。

SORABITO:当社では並行してβ版を開発していたので、いただいたご要望を集約して、機能として実装していきました。実際にトライアルをしていただいている方の生のお声は非常にありがたかったです。

髙橋様:週に1回くらいのペースで、要望のすり合わせや使い方に関するやりとりをさせていただきましたね。トライアルでバックアップ体制がしっかりしているな、と感じられたところも、GENBAx点検を導入できるなと思ったポイントです。

SORABITO:嬉しいお言葉をありがとうございます。

SORABITO:実際に動き出して、協力会社様の反応はいかがでしたか。

髙橋様:初動の際、高齢の方は操作的なつまづきはあったようですが、使っていくうちに、使いなれたようで、拒否反応のようなものは起こりませんでした。

SORABITO:現場でα版をトライアルいただき、2024年3月にはβ版をリリースいたしました。点検機能に加え、点検を管理するという機能も追加されましたが、管理する側の目線としてはいかがでしたでしょうか。

髙橋様:「これはいけるな」と確信しました。「欲しい機能が揃ったな」と。「きたな、これ以上ないくらいだ」と感動しました。(笑)実は社内では、少し機能が多いのでは、という意見も上がったのですが、管理する上では、必要な機能であると思っています。

社内向けのインプット
SORABITO:使い方など、髙橋様が現場のご担当者にインプットしていただきましたが、どんなふうに動かれたのでしょうか。

髙橋様:始める際は、全建設現場に行き、直接使い方の説明をしました。GENBAx点検に関しては、私自身の思い入れも強く、機能もすべて紹介したいので実際に現場に行き、その良さをしっかり伝えたいと思っていました。その後はヘルプサイトを見ることを促していますので、社内から私宛の問い合わせがくることはほとんどありません。

契約に向けての社内承認
SORABITO:製品版がリリースされ、いよいよ契約となりますが、どのようなアウトプットをご準備して、社内承認を取りに行かれたのでしょうか。

髙橋様:トライアルも実施していますし、SORABITOさんのサービス資料とお見積りを提示して、社内承認をしてもらうというシンプルな動きです。価格も納得感のあるものですし、全社でDX化を進めていますので、反対意見はでませんでした。

今後に対する期待

SORABITO:今後のGENBAx点検に期待されることをお聞かせください。

髙橋様:必要な機能は既に揃っていると感じていますので、点検&管理という意味での課題感は今のところ思いつかないですね。今後の発展性という意味では、他社様のサービスとの連携ができたら嬉しいです。他サービスで機械の登録などもしていますので、そことの連携などができたら最高ですよね。

SORABITO:他社様のサービスとの連携は、他の建設会社様との商談でもよくあがってくるご要望です。当社としても積極的に進めていきたい部分ですね。

髙橋様:あと、NETIS登録などがあると、使ってみたいと声をあげてくれる建設会社様は多くなるのではと思っています。

SORABITO:NETIS登録のご要望もたくさんいただいていまして、当社としましても、申請の動きを進めているところです。

まとめ〜社内でDX化を推進するために〜

SORABITO:田中組様は、非常にスムーズに導入と浸透が進まれた事例だと思っているのですが、髙橋様から見て、建設現場のDX化がうまく進んだポイントをまとめとしてお話しいただけますでしょうか。

髙橋様:当社も建設DX推進室ができるまでは、DXへの取り組みに時間がかかり、二の足を踏んでいた状況でした。全社で足並みを揃えようとすると、時間がかかるので、部門などの小さな単位で、まずは試してみるという動きをしていくのが重要だと感じています。

SORABITO:建設会社各社でDXを推進する部門は増えていますね。

髙橋様:他の建設会社様でも、会社全体でDXを推進せよという方針がでており、担当者をつけるケースも多くなっていると体感はしています。課題感をもっているDX担当者も増えているので、そういう人が増えていけばいくほど、DXの必要性は浸透していくと思っています。コスト削減に務めるのは当たり前なのですが、今までやってきたことを変えていくのはやはり簡単ではありませんよね。強い意志を持ち、現場と良好な関係性をもった担当者がリードする体制が構築できる会社様が、DXを進めていけるのではないかと思っています。

SORABITO:最後に一言お願いします。

髙橋様:DXのご担当者は、外に出て他社様と交流していくことをおすすめいたします!自分たちの事例を外部に役立てていただけますし、自分達も受けた刺激を社内に持ち帰ることができ、さらなる推進に繋げられますので。

SORABITO:貴重なご意見をいただきましてありがとうございました。

■ 株式会社田中組様
代表者:代表取締役社長 川島 敦
本社所在地:札幌市中央区北6条西17丁目17番地の5
設立:1948年7月
URL:https://www.tanakagumi.co.jp/

■ GENBAx点検(読み方:ゲンバテンケン)
サービスページ:https://genbax.jp/inspection/construction/
サービス動画:https://youtu.be/cjQqn2fI0GE
SORABITOでは、実際の現場での無料トライアル利用をご支援しています。
ご希望の場合は下記のフォームからお申し込みください。
https://www.sorabito.com/genba-contact