(おまけ)JCG修行記録:幻の29レグ
7月7日未明から発生した島根・鳥取での大雨により、搭乗予定の29レグ目の飛行機(出雲→羽田)が欠航になりました。
翌日の午後に東京で欠席できない仕事があった私は、何としてでも東京に戻らなければならなかったため、あの手この手でなんとか東京に戻るまでの顛末を記録として残しておきます。
前日の記録はこちら↓
豪雨で目を覚ます
出雲大社のすぐ近くにある竹野屋にチェックインした時には全く雨は降っていませんでしたが、夜中に雨の音で目を覚ましました。
雨と言うよりも『豪雨』。
時計を見ると午前1時のちょっと前。
すごい降ってるなぁ…でも、朝には止むかな?
そんな期待を抱きながら開いていた窓を閉めて再び眠りにつきました。
朝起きたら雨は小康状態
朝6時に起床し、出雲大社にお参りに行きました。
念のため旅館で傘を借りて出発しました。
旅館から出雲大社の入り口まで徒歩で5分。
厚い雲に覆われているものの、ほぼ雨が降っていない状態だったのですが、参道を進んでいくと、3つ目の鳥居の先の参道は水没状態でした。
でも、回り道をしてなんとか本殿までたどり着き、ほとんど参拝者がいない静かな出雲大社をゆっくりお参りできました。
おみくじを引いたら、方位は「西よい。」とのこと。
千葉から見たら島根は西なので、良いのかな。
雨に降られることもほとんどなく、旅館に戻って朝食をいただきました。
食後、部屋に戻ってテレビをつけると、島根・鳥取の豪雨についてのニュースが大々的に報道されていました。
でも、私たちのところはすでに雨は止んでいた事もあって、このまま何事も無く行けるんじゃない?と思い、旅館をチェックアウトして『木綿街道』と呼ばれる街道の観光地。出雲神社からは車で20分ほどです。
午前:木綿街道から玉造温泉へ
木綿街道への途中の道は、浸水している箇所があって一部迂回をしました。
そして、木綿街道に着いたら結構な大降りに。
散策はあきらめて車で通りすぎ、そのまま玉造温泉に向かいました。
お約束のサ活です。
松江で割子そばを堪能したあと鳥取の大山へ
玉造温泉でのサ活後、松江に向かって昼食におそばをいただきました。
出雲そばで、小さな容器に汁を掛けて食べる「割子そば」です。
そして、昼食が済んだところで車に戻ると、またかなり雨がひどくなってきたので、早めに友達を鳥取の大山まで送ることにしました。
友達のカフェでちょっとお茶をいただきながらおしゃべりして、道路の状況を確認すると、出雲空港までの高速道路が50km規制とのことだったので、早めに空港に向かうことにしました。
この時、16時少し前でした。
空港へ戻る途中に欠航のお知らせが・・・
大山から出雲空港までは高速道路を使って約1時間です。
帰りの便は19時35分発。
レンタカー会社には18時に車を返却することになっていました。
16時に出発すれば、50㎞規制であったとしても、ガソリンスタンドで給油して余裕でレンタカー屋に戻れるな・・・と思っていました。
出雲空港に一番近いガソリンスタンドにナビをセットして高速道路を走ります。
雨は時たま強く降りつけているものの、雷は無かったので、予定通り飛行機は飛ぶだろうと思い込んでいました。
そしてガソリンスタンドに着いたのは17時を少し回った頃です。
給油している時にスマホをチラ見したところ、あるメールに気が付きました。
え?
ええええーーー!欠航?!
翌日の午後に立川で仕事があった私としては、今日のうちに帰りたかったので、この時点でプチパニックに陥りました。
空港から2キロくらいの場所にいたので、まずは空港に行ってみよう!となんとなく考えて、そのまま出雲空港の駐車場に向かいました。
翌日のチケットを確保。しかし・・・
空港に向かう道すがら、万が一、今日帰れなくても明日の朝イチの飛行機で東京に戻れるなら、それでも大丈夫!と思いました。
空港の駐車場に車を停めて、車内でスマホを使い、翌日の便を確認したところ、朝9時20分発の羽田行き(羽田には10時45分着)の便が取れることが分かり、即座に予約を入れました。
明日の便は確保できたから、あとは今晩の宿を確保したら良いだけだわ・・・と安堵したものの
(・・・いや。それは違う)
そんな思いが頭をよぎりました。
線状降水帯という激しい雨が続いている状況が、必ずしも明日の朝には解消しているとは限らないかもしれない!
ここは、出雲に留まらず、とにかく脱出して東京に少しでも近いところに今すぐ向かうべきだ!と思ったのです。
出雲を脱出する方法は?
出雲から脱出するには、いくつもの方法があるのでしょうが、土地勘の無い私としては、思い付いたのは2つ。
「高速バス」と「レンタカー」です。
この日、一日雨の中を運転していたので、正直これ以上運転するのはしんどいな~と思ったので、まずは高速バスを調べてみました。
出雲空港から出発する高速バスを調べたのですが、慌てていたこともあって上手く探せませんでした。
そこで、仕方なくではあるものの、それまで乗っていたレンタカーをそのまま借りて南に進み、新幹線で東京に向かう方法を選びました。
この決断が良い選択であったことは後でわかるのですが、とりあえずレンタカーの延長利用のために、トヨタレンタカーさんに向かいました。
レンタカーで新尾道に向かう
前日にレンタカーを借りたトヨタレンタカーさんに到着して、
①このままレンタカーを延長して利用したいこと
②新幹線の新尾道近くで乗り捨てしたいこと
を伝えたところ、すぐさま対応してくださいました。
これも後で分かったのですが、トヨタレンタカーさんのように大手のレンタカー屋さんを利用していたので融通が利いた、という良かったポイントです。全国のあちこちに拠点があって乗り捨てがしやすかったのです。
スタッフさんが、途中の道の状況なども調べてくださり、通行止め等は無いことや、新尾道まで約2時間かかることも分かりました。
ちょっと不安だった気持ちも、スタッフさんのテキパキとした対応で背中を押され、新尾道に一路、向かいました。
出雲のトヨタレンタカーを出発したのが18時。新尾道の営業所は20時までなので、できるだけ急がなければなりません。
ナビをセットして、大急ぎで出発しました。
松江自動車道をひたすら南下していくのですが、これがホント、ずーーーと山の中の退屈な片側1車線の高速道路。トンネルもしくは緑の景色が続くばかりで、途中にはサービスエリアやパーキングなどの施設は一切ありません。
まぁ、途中で寄り道するような場所があったら、後ろ髪を引かれるから逆に良かったのですが、ひたすら新尾道に向かって爆走するだけです。
おかげで、新尾道のトヨタレンタカーには19時30分過ぎに到着することができました。
新尾道から新大阪へ
レンタカー返却の手続きを終えて、新尾道駅にテクテクと荷物を持って歩きながら手にしたスマホで検索したところ、19時43分発のこだまに乗ったら、その日中に東京につけることが分かりました!
これで帰れる!
そう思って時計を見たら、なんと19時43分・・・
その時私は駅の1階。遠くから聞こえる発車のベルの音・・・
詰んだわ・・・まぁ、仕方ないね。
次々と難関ポイントがやってくるのに、どう対応するかというゲーム感覚になってきました(笑)
はて、どうするか??
まだ20時前だから、もう少し東京に近づいておこうと決めました。
(これも正解だったことが後で分かります)
泊まるところを確保しなくてはいけないので、出来るだけ都会のほうがいいだろう、ということで新大阪まで行くことにしました。
岡山までこだまで行き、みずほに乗り換えて新大阪まで。
乗車券は翌日の仕事先の立川まで買いました。
新幹線に乗り込んだところで、この日の移動状況をGoogle Mapで見たらこんな感じ。
そして岡山で乗り換えです。
岡山駅でエナジードリンクを購入し、松江でこの日お土産用に買っていたコロッケとメンチカツをつまみに一息入れます。
そしてここで予約していた翌朝の飛行機はキャンセルをしました。
新大阪駅直結のホテルで一泊
新大阪に向かう道すがら、楽天トラベルでホテルの予約をしました。
新大阪にはたくさんのホテルがあるのですが、今回は駅直結のレム新大阪に。駅から外に出なくて済むし、もうくたくただったので、とにかく近いホテルにしたかったのです。
コンパクトな造りですが、とても機能的なホテル。
シャワーを浴びてベットに横になったらすぐに泥のように眠りました。
なかなか上がれないスゴロク状態です
翌朝、目が覚めて出雲発の飛行機の確認をしたところ、JAL便は欠航になっていました。
前日に出雲にとどまっていたら、立川にはたどり着かなかったということです。
でも、まだまだ新大阪。安心はしていられません。
時間的には8時半発ののぞみで間に合う予定でしたが、念のため7時30分発に乗ることにしました。
新大阪駅に向かうと、何やらアナウンスの声が聞こえます。
どうも岡山から西は新幹線が止まっているらしい。
前日、一瞬「もう疲れたから新尾道で泊まろうかな」とも思ったのですが、そうしなくてホント良かった!
そして新幹線に乗り、東京に向かって出発した時には、心の底からホッとしました。
・・・ところが、なかなかスゴロクで上がれないように、この旅は最後までトラブル続きです。
岡山から先に新幹線が行けない影響が重なって、新横浜の手前で「列車が前に詰まっている」とのことで止まってしまいます。
新横浜の手前で10分ほど停車。品川でも10分ほど停車。そして東京の手前でも停車・・・
熱海の土砂崩れの影響でスピードを落とした運転もあって、最終的に50分ほど遅れて東京に到着となりました。
そこで中央線に乗り換えて立川に。
無事に午後の仕事に間に合う時間に立川駅に降り立つことができました。
今回の7つの教訓
今回のことで様々な学びを得ることができました・・・
というか、ホントはたくさんダメな部分・私の失敗があるのですが「学びを得た」と前向きに考えることで、いい思い出にしようという考えです。
①大切な仕事の直前の修行はNG
修行の予約を入れる際、基本的に大事な仕事の前日は避けていたのですが、この日だけは旅行を兼ねていたこともあり、例外的に前日になってしまいました。
でも、こうした例外があるとやっぱりダメですね。
特に他に代わりが利かない仕事も多いので、十分に注意しなければいけないと思いました。
②飛行機の旅行では天候を過信しないこと
車でのドライブや列車での旅行であれば、多少の雨風などであっても大丈夫なのですが、飛行機の場合は天候に対して少しナーバスに捉える必要があると感じました。
今回、出雲は雨は降っているものの、風や雷などは無い状態であったものの欠航になってしまいました。「これくらいの天気なら飛ぶだろう」と過信せずにいることが大切だと思いました。
③代替案を事前に考えておく
実は今回、旅行の前日に「万が一、飛行機が飛ばなかった場合の帰り道のルート」を少しだけ考えていました。でもそれは具体的なものではなく、ぼんやりと「広島か岡山のほうにレンタカーで移動したら新幹線で帰れるよね・・・」くらいなイメージです。でも、それを考えていたからこそ、今回、実際にそのルートで帰る決断ができました。
特に土地勘の無い場所に行く時には「いざという時の他の帰るルート」というのを少しでも想定しておくことの大切さを身に染みて感じました。
④レンタカー会社は大手に限る!
今回、1泊2日で借りた営業所戻しの予定だったレンタカーを、全く違う場所に乗り捨てする内容に変更できたのは、大手のレンタカー会社だったからだと思います。ローカルでしか展開していないレンタカー会社であったら、その対応は不可能でした。
実際、新尾道に営業所があるのは、トヨタ、タイムズ、ニッポンレンタカーの3社しか無かったので、トヨタさんを選んでおいて正解でした。
⑤天候が悪い時は出来る限り目的地に近づいておく
天気の悪いなかでの運転は疲れます。疲れていると「とりあえず休憩して、また明日になったら移動しよう」と思ってしまいがちです。でも、翌日になったら天候が回復するとは限らないことを今回痛感しました。
目的地に確実に到着するためには、移動できるのであれば、疲れていても出来るだけ近づいておくほうが安心です。
もちろんクタクタで運転に支障があるというような場合は別ですが・・・
⑥早めの行動が吉
車であれば渋滞があったり、電車であっても人身事故やトラブルなどで遅延する可能性はゼロではありません。
時刻表通りに新幹線が走れば良いのですが、そうでない場合もあると考えて、早めの行動をすることが大切だと思いました。
⑦スマホは常に充電しておこう
今回、やはり頼りになったのがスマホ。道順を調べたり、時刻表を見たり、天気を確認したり、ホテルの予約を取ったり・・・とスマホ無しでは成り立たない旅でした。車のなかで繋いで充電していたため、電池が無い!という状況にはなりませんでしたが、もし充電が無かったらと考えると恐ろしいです。
ということで、ドタバタな旅行でしたが、普段はできないトラップ満載のリアル脱出ゲームのような旅ができて、面白かったのもまた事実。
何事も経験で「面白い」と思ってスーパーポジティブに考えることも大切ですね。