帰り道はひとりで歩く
「屋嶋さんってさあ、絶対俺のこと好きっしょ??」
「……は?」
いきなり飲み会で、あいつに言われた。
てか、そうやって顔を覗き込むな。近い。皆聞いてんじゃねーか。馬鹿かお前は。くそ腹立つ。
「はいはい、すきだよ」
「……はあ~~~!??なんだよそれ!!この前LINEで俺のこと好きって言ったじゃん!!!」
......本ッッッ当に!!!!!
頭叩き割ってやろうか。酔ってるし。好きって言ったけどさ!!!その好きはさあ!!!
「……じゃーもー良いっすよ。えっとね、俺の好きなタイプはー......そうだなー」
聞いてないのにペラペラ喋りだした。
「うーん、でも好きになった人がタイプになっちゃうから、あんまタイプって無いんだよなー......」
馬鹿言え。お前の歴代彼女、清楚系黒髪ばっかりじゃん。
絶対あんたの色になんか染まらない。
日本酒を手に取り、桃色の濁り酒をぐいっと飲み干した。
本当腹立つ。大嫌い。
こっち見て笑うな。
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