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5月7日の服たちの物語

2022年5月7日土曜日 ☁️時々☂️

🍀「服たちの物語」については、こちらをお読みください♪


🌷古着屋「空と服と」 今日の作品🌷

『この服を着て、あなたに会いに行く』

「今、ここで働いてるんです。遊びに来てください。」

そう言って、あなたはわたしに名刺をくれた。

とても誇らしげに。

あなたが、その場所がどんなに自分の理想に合っているのかを生き生きと話すのを聴いて、わたしは泣きそうになった。

今まで、どれほど、あなたが自分の居場所を求めて、転んでは立ち上がってきたかを、わたしは知ってるから。

泣きそうになってるのを誤魔化すために、わたしは「良かったね。」と言いながら、あなたの肩をポンポンと叩いた。

「ありがとうございます。」と、嬉しそうに、ちょっと照れながら言ったあなたは、とても綺麗だった。

あなたが居るところは、本当に素敵なところだね。
あなたに会いに行くよ。
この服を着て。

柄は、ツツジ柄なんだ。
花柄でツツジの柄って、珍しいよね。

あ。そういえばね、うちの庭に、ツツジがすごく綺麗に咲いてるの。
うちの庭ってジャングルみたいでどこに何の木があるのか知らなかったから、あんなに綺麗なツツジが咲いて嬉しかった。

あなたが好きそうな、春色の優しい服。
この服を着てあなたの大切な場所に来たわたしを、あなたは喜んでくれるかな。

私は。

きっとやっぱりそこに居るあなたはすごく綺麗だろうから、その姿を見て今度は泣いてしまうかもしれない。


『金色の帽子』

その少女は、金色の帽子をかぶっていました。

実はその帽子は魔法の帽子で、それをかぶると、何処へでも好きなところへ飛んで行くことができるのです。

少女はその帽子をかぶって、世界中を旅しました。

地球だけでなく、宇宙へも。

ただひとつだけ、その帽子をかぶっても行けないところがありました。

それは、少女の大切な人のところです。

その帽子をくれた魔女が言いました。

「今は、その時じゃないんだよ。
おまえがあきらめなければ、いつか必ずその人のところへ行けるよ。」

そう言って魔女は、魔法でその帽子をブローチに変えて少女の胸元に飾り、少女に更にこう言いました。

「自分を信じて。」

少女は、とても穏やかな笑顔で、力強くうなずきました。


(5月7日の服たちの物語・終わり)


これからもステキな服たちが登場いたします
👗
ぜひ「空と服と」に遊びにいらしてください
🌟

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