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折り紙を夢中で折っていた日
夜のイルミネーションが輝く季節。
ある日、一年が終わることを意識してなのか、ふとひらめいた目をしながら言い出した。
僕「いつもお世話になっている先生たちにお礼がしたいから、この間やったやつ折りたい!」
私「パーツを60個折ってくれたら、組み立ては手伝うよ。そうだ。せっかくだから、先生に渡すのはこんなのはどうかな?」
僕「いいね!それにしよう!でも細かすぎるし、僕はできないから手伝えないよ」
私「わかった。じゃ、間に合うように頑張るよ。そっちも頑張れー」
一年生の頃からクラスで流行っていた折り紙にハマり、毎日何かを作って帰ってきた。そのうちランドセルの中には作りかけの折り紙やら、授業参観に行くと引き出しの中に折り紙が散乱。
僕に付き合いながら折り紙をやってきた。総決算のような作品を作りたい衝動にかられて、私としては壮大な作品に挑むことにした。
手先を使い脳に刺激を与えつつ、立体的なくす玉作品に挑む。テキストは今時のYouTube。折がどちらなのかリプレイ確認をしながら、心の声が脳内にこだまする。
おいおい。わかんないのよ。
ここが。これよ、これ。
これがどうなるのかさ。
私が何度も繰り返して見ていると、僕が「サッカーのVARじゃないんだから」とサッカーの審判のようにジェスチャーをする。私はとっさにバスケットボールのコーチが出すタイムアウトのジェスターで答える。
ブツブツ言っている私のことを笑っていた僕はと言えば、パーツ作りまではいいものの、組み合わせができず泣き出すこと数回。悔し泣きをする声が成長と共に大きすぎて、まさに爆音。ストレス発散にすぎないのだが、これはこれで困るが物に当たられるよりはマシと考え、そっと牛乳を差し出して落ち着くように促していたが、最近は効果が薄い。
落ち着くまでそっとしておくと、何度かやり直したようで「できた!」の声。想いが達成感に変わると、すぐ作りたくなるようだ。あの泣きはどこへいったのか。
学校へ作品を持って行くと友達からオーダーを受けてくるのか、自己アピールするのか、作ってほしい注文が入る。思わず「君なら優秀な営業マンになれるぞ」とスカウトしたいぐらい。しかし本音は、私の睡眠時間確保しないと体力がもたないこともあるので、大掛かりなものはこれまで以上に時間がかかるから、今回の作品は注文不可。こっそり手渡しする作戦に切り替えた。
友達がわざと壊したわけじゃないけれど、お互いに気まずくなることがある。まして、紙なのでクシャッとなるし、外れやすいから糊付け対策。そんな時、自分で修復(組み立て)ができないと、壊した壊された問題になりやすい話をしたら僕はたくさん練習をした。
練習に付き合い、私担当のパーツが細かく途中でうたた寝気味になってしまった。体調にもよくないので、夜はテレビをラジオに変えてひたすら折りまくり、こどもの就寝に合わせて寝るサイクルにして早朝へ切り替え朝活。
さて、パーツ(花びら)ができたら一気に花にしてパールをつけ、久しぶりに学生時代に使っていたコンパスで円を描き土台をつくる。土台に花をバランスよく配置してつけていく。気の遠くなる作業だったが完成が近づくと、私の細胞たちが歓声を上げる。
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折り紙の切り方が目につくし、のりのはみだしも気になる等、遠くから見ることがおすすめ。土台を明るい色にしたら目立ってしまうので、緑色の花びらと似た色にした。
今の私の力はこれぐらい。頑張ったほうじゃないかと、自分を褒めたたえる。僕に見せたら「見本みたいだね」お褒めの言葉をいただいた。お渡しした先生に喜んでいただけて一安心。飾り後はお焚き上げ(可燃ごみ)いただけましたら幸いとお伝えする。
人様に喜んでいただけたら嬉しい。
作るって楽しいな。
僕と私の共通の話題ができたし、一緒に遊び学びから折り紙や工作に親しんだことを忘れないだろう。
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