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20241025 寄席で落語の話芸に触れたことで・・・
小学生の頃は、落語や漫才といった演芸番組がとても大好きだった。
昭和の終わりの頃、関西に住んでいれば、必ず土日は新喜劇が放送されていた。
それは、今でも有名な吉本新喜劇だけではなく、藤山寛美の松竹新喜劇も放送されていた。
吉本新喜劇などは、種類も多かった。
毎日放送が放送する純粋な吉本新喜劇。
花木京や岡八郎、間寛平や木村進などが座長をしていた毎日放送が放送していたものから、朝日放送のさんまの駐在さん、讀売テレビのコメディーNO.1のものなど。
これが、毎週土日にたっぷり放送されるわけだ。
さらには、祭日には必ず上方演芸祭りといって、漫才と落語がぶっ続けで3時間くらいの生放送もあった。
浜村淳や西川きよしなどが司会をして、大御所から若手までが一人10分程度のネタをどんどん出していく。
祝日が雨で、どこにも出掛けられないときなどは、ファミコンなどずっとやっているのもつまらないし、ずっとこういったテレビを見て過ごすことになる。
落語も、米朝や枝雀といった人たちが看板番組を持って、落語を毎週放送していた。
枝雀の身振り手振りの大きく、座布団の上で飛び跳ね、そして絶妙な間で緩急を使い分けることで出てくる笑いの絶えない放送は、見ていてとても大好きだった。
また、小学校や中学校、高校といった芸術鑑賞で、落語を観るというのは関西では定番かもしれない。
結構、大物の方が演じてくれたりする。
先代の春蝶や春団治、小米朝(今の米団治)、文福などなど、いい噺を聴いている。
色々な落語家さんで、子どもの頃なんだかんだと大好きだったのが、桂三枝の創作落語だった。
桂三枝の創作落語は、テレビでも長いネタをそのまま中継するくらい、一つの大きなエンターテイメントだった。
最近は、そんな放送ってトンと観なくなってしまった様な気がしないでもない。
小学生くらいから、中学生、高校生となるにつれ、興味が変わって行き、落語は余り観なくなった。
いや、鶴瓶が落語に目覚め、ざこばと「らくごのご」という番組を始めた頃は、深夜に放送だったこともあって、ビデオに録画して追っかけたりした。
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でも、それも20年以上前の話になる。
だから、生の落語も含めて、本当に久々だったのだ。
仕事をするようになってから、多くの人前で話をするということが増えた。
そんな仕事をするようになって、話し上手な人に
「お話がとっても面白くてうまいことしゃべらはりますけど、なんかコツみたいなのがあるんですか?」
なんて質問をしたら、大概返ってくる言葉が
「落語を参考にしています。」
だった。
そして、その意味を昨日ようやく理解できた。
語りかけ方、その場の空気を読む力、声の出し方、顔の向き方、呼吸、声の大きい小さい、間、しぐさ・・・。
前説の若いお弟子さんが話す内容は、上手やけれどもウケない。
これが、テレビには全然でないけれどもベテランさんになると、面白い。
さらに、テレビに良く出る小文枝や文枝になると、引きつけて、一体感が生まれて、そして笑いの渦ができる。
いや、ホントに渦。
前から3列目のど真ん中に座っていたからか、余計にそれを感じたのかもしれない。
そして、「落語を参考にしています。」というのが、よくわかった。
あんなふうにお話ができたら、相手とのコミュニケーションも取りやすいだろうなぁと。
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これは、はまる。
そして、落語を聴きまくるようになるかもしれない。