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アラフィフ、ウェディングドレスを着る
マッチングアプリで出会った夫と、出会って2年後に挙式をした。
結婚式が終わって、1年以上過ぎた。もはや遠い夢のようだ。ある程度は覚悟していたが、やっぱり、当日は現実感が付いていかないまま諸工程が過ぎていき、ふりかえれば、何もかも完璧とは言えなくて、後から、ああ、あの写真も撮って欲しかったのにな…とか、お化粧もうちょっとこうして欲しかったのだけどな…とか、憂鬱の波に襲われたりもした。
それでも、とても素敵な結婚式ができて良かった。アラフィフだけどすごい頑張った。体重絞ったしデコルテラインも数カ月で相当整えたし巻き肩も1年前とは別人にできた。自分エラい。それに、何より、家族友人がすごく祝ってくれて、母親も最高に喜んでくれていた。父親のバージンロードでの歩き方が旧式のロボットみたいで超低速で、私ずっとバージンロードで笑っちゃったけど、でも父も幸せそうだった。
人生はじめての豪快な出費になったけれど、やって良かった。
というわけで?今日は、アラフィフが結婚式をするまでのあれこれを書いていきます。めちゃくちゃ長いですごめんなさい!
そもそもアラフィフがドレスを着るという無理ゲー
自分がアラフィフ…48歳目前で結婚式を挙げると決めて以来、何回も思い出したことがある。私がまだ20代前半の頃に勤めていた飲食店で、珍しく結婚式が行われた時のことだ。40代前半の新郎と、30代後半の新婦の披露宴だった。
笑顔で丁寧で感じの良い給仕をしながら、心のなかでは思っていた。「結構なトシだな、売れ残った同士なのかな」と。
若さってとても傲慢だ。そして、その傲慢さは仕方ないのだ。だって若いんだから。それから20数年が経ったいま、私は、自分の若い頃の傲慢さに後ろから刺されている。あんな傲慢だったから、私、あの時の花嫁さんより、もっとずっと売れ残ったのだろうか。後になって何回も思った。
さて自分はどうだろう。30代後半なら、今の私にはまだまだ若く見える。もはや友人たちと更年期障害の話をするのが挨拶のようになっている40代後半で、いまさら白い美しいウェディングドレスを着ようという無理ゲー感。でもやっぱり着たいのだ。式場だってもう本予約済だ。
こうなったらもはや行くしかない。アラフィフのベストを尽くすのだ。というわけで、高級化粧品など無縁に暮らしてきたのに、式前の3カ月だけは人生で初めて心理的財布をおおいに開いて、金にモノを言わせてあれこれやることにした(って言っても、限度がありますけれども、自分比で…)。
契約はもう済んでる。今やもう前に進だけだ。それでも、美容を意識し始めると、それまでまったく気にしていなかった自分の加齢に日々気付かせられる。
白髪どうする問題
まず悩んだのは、白髪。「いや染めるだけじゃん」って声が聞こえてきそうだ。普通はそうですよね、はい。ただ、私の場合は、クセが強い髪の毛なので、ヘナという植物のトリートメントを愛用している。5年以上ヘナを続けて、ようやく、年齢の割には十分に健やかな髪の毛をはぐくむことができた。
ただ悩ましいのは、ヘナで白髪は赤毛に染まる。全体的にも、光が当たるとかなり赤い印象になる。私のドレスには、黒を合わせたい。
とりあえず試しに一回、普通のカラートリートメントを入れてみたところ、髪の毛が一発でゴワゴワになった。その質感が悲しかったので、それからしばらく、ヘナの人が髪の毛を黒くしたい時に使う「インディゴ」の粉を併用してみた。けれども綺麗に黒が入らない。
結局のところ、結婚式10日前に、もう一回カラートリートメントで色をしっかり入れることにした。美容院でのカラーは間違いなくて、しっかり赤毛感を消し去ってくれた。髪の毛はさらに傷んだけれど、毎日のようにトリートメントをしてなんとか落ち着かせることができた。
終わってみれば、たかがこれだけのことでも、カラートリートメントを入れるかどうか相当迷った。そんな時につい考えちゃう、もうちょっと若かったらな。そもそも白髪あるトシでウェディングドレス、無理あるよな…(無限リピート)。こんな風に、事あるごとに自分の年齢を突き付けられるのが、アラフィフでウェディングドレスを着るってことなんだろう。
お肌のおとろえ問題…いつのまにかクスミだのハリだのの意味が理解できるようになっていた
これまで私は、自分は年齢の割に若い方だと思っていた。なんなら自分だけはさして歳を取らない気ですらいた。でも最近、数年前の自分の写真と、今の自分の写真では明らかに「若さ」が違うと感じるようになった。
なんか知らんが全体的にトシを感じさせるのだ。そうか!これが「お肌のクスミとハリの無さとタルミ」ってことなんだ!ってことが、しみじみ理解出来るようになった。
それまでの自分は、化粧水とかで「クスミだのハリだの」の効果が謳われていても、シンプルに理解不能だったのだ。今ならわかる。これが「クスミ」というものなのだ、この、単品の目の下のクマとかとは別のだるんと重たい感じが「ハリのなさ」というものなのだ。
結婚式を意識するようになり、化粧品のラインを「アンチエイジング」推しのものに変えた。そのありがたみがとてもわかる。ありがとう。
体型がおばさん問題(太りやすい+巻き肩・首アゴ周り・脇~二の腕)
夫と付き合い始めてから1年あまりで、私は最小値から5.4kg増量した。体重のピークをちょっと過ぎた時期に、結婚式場を予約した。
太り出した時に暴飲暴食をしたわけではなかった。それなのに、体重増加が止まらなくて右肩上がりになってしまった。これがアラフィフの恐ろしさかと何回も絶望した。
そして、体重だけではなく体型。2年ほど前からパーソナルジムに通い始めたのだが、そこで鏡に映る自分を見て愕然とした。体重だけの問題じゃなく、とにかく体型がおばさんっぽい。特に、肩~背中のムッチリしたなんともいえない丸み。私はいつからこんな体型になっちゃったのか。
このあたりは幸い、結婚式の半年ほど前から、一念発起してジムに真面目に通うようになり、少しずつ改善しつつあったものの、結婚式に向かっていくなかで、何回も落ち込むことになった。
無限アップダウンを繰り返すメンタル
終えてしまった今となっては、何をテンパっていたのかよくわからないけれども、とにかく結婚式を予約してから本番までの4カ月弱、ひたすら追われているよな謎のプレッシャーを感じ続けていた。週イチで通う、家から遠いエステ。エステは木曜日の夜、パーソナルトレーニングのジムは火曜日の朝、基本的に家にこもるのが好きな人間なので、正直、こんなに出かけるのは気忙しい。
小物合わせ、結婚式の引き出物、お手紙、お車代、意思決定もろもろ…、ああもう無理!楽しめない!そんな気持ちに何回もなった。そもそもこういうの自分には適性がないのだ。まったくおしゃれじゃない雑なオッサンと、雑に働いているぐらいが私にはちょうど良いのだ。
テンパってしまうたびに、憂鬱モードが押し寄せる。膨らんでいく金額、ドレスまわりだけで50万円を超え、事あるごとに上がっていく見積。コロナ期間に溜めていたお金で払えるけれど、一体何をやっているんだろう?
若くて、これからたぶん子供も生まれる、そういう未来に向かっていく夫婦ならドカーンとセレモニーをするのも分かる。若くて綺麗なうちに、大好きな人とウェディングドレスを着るのはとても素敵だ。でも、もう50歳近いおばさんがウェディングドレスを着たい…そんな忘れかけた遠い憧れのためだけに、どれだけのお金と時間を注ごうとしているのか。嗚呼。こんなこと、やるべきじゃなかったのでは…(無限リピート)。
アップダウン、というよりは、放っておくとダウンの方にばっかり気持ちが引っ張られる。日々が過ぎていくことと、周りの方々の助けがあって、どうにか、アップ方向に自分を引き戻す。
それでも、たくさんの力に支えられる
腕利きエステシャンさんと、パーソナルジムと、謎の化粧品
へこたれてばかりの結婚式準備だが、時間は着実に過ぎていく。そして、不安と焦りのメンタルのなかでも、実際のところは、着々とコンディションは整っていった。体重増加した5.4kgを元に戻すことを目標に置き、ぴったり目標通りの体重で本番を迎えることができた。
整体とエステを合体したような、筋膜系が得意な腕利きエスティシャンさんのサロンに3カ月週イチペースで通ったこと、パーソナルトレーニングを週イチ続けたこと、あとは16時間断食が合っていたあたりの複合的な効果が出たようだ。
エステをどこにするか悩んだけれども、結局私は、更年期世代のメンテを得意とする個人エステに通うことにした。一時期お世話になっていて腕の良さを知っていたことと、いかんせん、アラフィフという年齢を考えると、若い方と共通の施術よりも、この年齢層の女性を整えることをよく知っている方にお世話になるのが良いと思ったからだ。
エステティシャンのAさんは、エステというよりは、美容寄りの整体みたいな感じで、全身の歪みを整えてくれる。週イチで通うと、慢性的な肩凝りもまったくなくなり「体のどこも痛くない」という状態になった(普段のお財布ではこのペースで通えないのだけど)。
Aさんはただマッサージするだけではなくて、正しい姿勢とか心構えとかをうるさいぐらい毎回指摘してくれるのだが、言う通りにしていると、本当に巻き肩が治り、首が長くなり、立ち姿がスッキリしてくる。結婚式本番は、とにかく胸を開いて肩甲骨を寄せるポーズが命なので、Aさんが毎回めんどうくさいぐらい注意してくれたのにはとても助かった。
パーソナルトレーニングでも、結婚式に向けて、背中や肩回りがなるべく良い状態に引き締まっていくようにメニューを組み立ててくれて、いっぱい励ましてくれた。
そして最後に、式前1週間頃にお世話になった、地元の床屋さんでのシェービング。こちらは、おしゃれな気配が皆無のおばちゃんが、熟練の技術でブライダルシェービングをしてくれたのだが、そこで進められた謎クリームが、嘘みたいに即効的に皺を消してくれたので、結婚式前1週間でとても助かった。
結婚式の準備プロセスでわかった「ブランド」よりも、「個人」を信頼するという価値観
結婚式。たかが半日を一生の記念日にするために、信じられないくらいお金をかけるという特殊なシチュエーション。過ごす時間の短さと、そこに掛ける金額やエネルギーのバランスが、もう、正気の沙汰とは思えないイベントだ。
それだけに、そのためのひとつひとつを選ぶプロセスで、自分の思考のクセとかこだわりが見えてくる。結婚式の準備を通して私が再確認したのは、自分は「ブランド」よりも「個人」に信頼を置くんだな、ということだった。
私が挙式をしたのは、Hリゾート系列の教会&ホテルだった。緑の季節に、その教会で挙式をするのがとても素敵だと思った。そのロケーションへの憧れが先で、その空間が、それなりにブランド名のあるHリゾートだということは分かっていなかった。
でも正直なところ、Hリゾートだから素晴らしい!という気持ちよりは、融通の利かない流れ作業に、不満を感じることの方が多かった。たぶん、ブランド名に重きを置く価値観だったら、もっともっとHリゾートということが嬉しく思えたのだろうなと思う。
もちろん、会場は素敵だったし、全方位に整った結婚式ができた。コーディネーターさんも感じの良い方で、それなりに丁寧に親切にしてくれた。お料理もキレイで美味しい。それでもやっぱり、Hリゾートのサービスの満足度をはるかに上回るところで、私の心に残るあたたかい想い出になり、そして、準備の時間を支えてくれたのは、プロフェッショナルな「個人」の方々だった。
メイクリハーサルのWさんのしびれるプロ仕事
ウェディングが近づいてきて、悩ましいことがまたひとつ。それは「メイクリハーサル」。結婚式のメイクやヘアについて、リハーサルをするのか、(事前相談はするものの)当日だけで行くか。
なぜ悩ましいかというと、メイクリハーサルって2時間で3.3万円とかかかるのだ!結婚式相場もう凄すぎる!
そして、Hリゾート挙式での最大の不満は、メイクリハーサルを頼んだとしても、当日のヘアメイクさんにはやってもらえないこと。酷くない??それじゃメイクリハーサルの意味なくない?
いくら「申し送りをしっかりします」と言われてもそれでは・・。さらに、クチコミとかをググってみたものの、これまたHリゾートらしくて、メイクリハーサルをやっても2時間があっというまで消化不良のまま終わった、というような声があって、それだったらもう外注で探そう!ということにした。都内で何件か見比べて、ブログから想いが溢れ出ている素敵なお店を見つけて、ここだ!と思って予約した。
事前にドレスの写真などを送り、当日を迎えた。リハーサルだけのお願いなのに、本当に全力で考えてメイクもヘアもいろいろ試してくださって、心が折れかけていた私は、Wさんの存在に救われたような気持ちになった。
なかでも、ヘアについて「このお写真と、お好みから提案したい髪型があって、クラシカルな大きなお団子スタイルでまずはやってみても良いですか?」と言われてやっていただいたヘアが本当に!本当に素敵で惚れた。
Wさんは時間関係なく、徹底的に納得いくまで調整してくださって、さらには、ビックリするくらい完璧な、ヘアメイクの指示書を作って下さって、さらには保湿とか日焼け止めとかについてもいろいろ質問に応えてくださって、素晴らしすぎた。
(正直なところ、本番もWさんにやってもらえたら・・と思うものの、美容師さんを外注すると『持込料』がとても高いのと、東京から現地に出張アテンドしてもらうとこれまたかなりの出費になるのでそこは諦めた)
Wさんとの経験を通じて、私はつくづく「個人」でやっている、想いが溢れているこういう方と出会えると、すごく幸せで、こういう方に支えてもらえて良かったという気持ちになるんだなということに気付いた。
お花への愛が溢れる美しいKさんのブーケ
結婚式というと、式場の選択肢でお願いするか、外注(持込)するのかというポイントがいくつもある。たとえばウェディングドレス、これを持込にすると高額な持込料がかかるんだけど、ドレスレンタルのお店が、持込料負担をしてくれるケースも多い。私の場合は、提携ドレスショップで運命の1枚に出会えたので、ドレスは持ち込まなかった。
私の式場では、ブーケに関しては持込料はかからない仕組だった。ブーケは、式場でオーダーする場合は、オンラインカタログから選ぶか、オーダーするかのどちらかになる(オーダーにするととても高額になるっぽい)。一流式場なので、カタログのブーケも十分に素敵ではある。
迷いつつ、式場エリアのお花屋さんで素敵な雰囲気のフラワースタジオを見付けて、オンライン相談をお願いした。こちらもまた、女性が個人でやっているスタジオだ。お花屋さんをお店として構えているのではなくて、オーダーのお花と、教室だけをやっている。
このKさんとオンラインでお話したら、私はもう一気に、Kさんのとりこになってしまった。Kさんは私より少し年上のとても素敵な女性で、とにかく、お花への愛情とセンスが凄い。オンラインでお話しながら、「たとえばこんな感じで」と手元のお花を何輪か合わせて見せてくれるのが既にハッとするほど素敵。
彼女の過去のブーケのSNSを見ると、ひとつひとつのお花が全部違って、全部、花嫁さんのためにベストを考えてくれているのがよく分かる。とにかく全部のブーケにストーリーがあって、夢のように美しい。そして、その日に向けて、ベストの開花調整をしてくださっているのに痺れる。
KさんもまたWさんと同様に、「このドレスだったら、王道のカサブランカのキャスケードで行くのが一番素敵だと思います!」と言い切ってくれた。私は最初はローズをイメージしていたけれども、Kさんの過去のブーケも見ながら、打ちあわせをしていくうちに、もはやカサブランカのキャスケードしか有り得ない!という気持ちになった。
結婚式当日、届けられたブーケは、想像以上の美しさだった。
ミカドシルクのロイヤルイメージのドレスに負けないように、そして、私が好んだ丸みを取り入れてくださった少し短めのキャスケードのブーケは、前面だけでなく背面からでも美しい360度仕様。
9つのカサブランカと、カサブランカの間を埋めるようにそっと咲く10個の白バラ、たくさんのデンファレと、緑のビバーナムとスノーボールが、ひとつのバランスも損ねることのない美しいブーケとして完成されていた。
Kさんが心を込めて開花調整してくれた生花たち。その瑞々しい、染みひとつない純白。このブーケは、私が人生で手にする最も美しいブーケだと確信できた。
カサブランカは国産球を1年かけて大きくしてから、栽培された「雪美人」という特別に大ぶりな品種。デンファレは国産の「ジャックハワイ」。スノーボールは5月が旬らしいのですが、雪中スノーボールといって、北海道の雪の中で、芽吹く前から徐々に開花させたものだそう。
美しいブーケのことを、一生忘れないだろうと思った。
ドレスコーディネーターさんが選んでくれた運命のドレス
ドレス選びのことは前にたっぷり書いた。
コーディネーターさんは、当日に向けてちょうど良い体重の目標値もアドバイスしてくれた。「〇〇kgぐらいがベストです!それ以上痩せると逆に体型とドレスがフィットしなくなるので、このぐらいをめざしましょう」という力強いアドバイス。最終フィッティングで目標値ジャストに到達して、「バッチリです!」と太鼓判を押してくれた。
ドレスを選んだ後も、フォローしているインスタとかでたくさんのウェディングドレスを見た。それでもあのドレスが、運命の一着だったと思い続けている。運命の一着の力は本当にすごい。試しにマーメイドドレスを着たら、どう見てもトドだよね?という状態の私でも、運命のドレスを着たら、「もしかして私もロイヤルファミリーの一員じゃね?」みたいな気分になれる(めでたい)。
ミカドシルクの素材感、シンプルで品のあるそして体型の欠点を全部隠して美しく見せてくれるシルエット、バックスタイルのクルミボタンに落ち着いた刺繍の入ったロングベール。何もかもが大好き!出会えて良かった!
そして当日へ。
緑の中の美しい教会に憧れて選んだ式場。梅雨時期をちょっと外した初夏の休日。祈るようにして見ていた天気予報は雨だった。前日の時点で、しかも、私の挙式の時間帯はピンポイントでかなりの雨予想。もう、なるようにしかならないから、考えるのも、見るのもやめた。
前日、お花屋さんのKさんを初めて旦那と実訪して、私の親に送る、プリザーブドフラワーのフォトフレームを作る。Kさんのスタジオでの心地良い時間が、ずっと続いていた切迫したメンタルをほどいてくれた。
前夜は、挙式するホテルは部屋が取れなかったので、近隣エリアの別のホテルに泊まったけれど、そのホテルがとても静かで整っていて私好みだったのが、つくづく良かった。夜ごはん・朝ごはんも行き届いていて美味しかった。
穏やかな前日を過ごせた解放感と、ホテルの心地良さ、そして、夕食でサーブされた米粉パンが美味しすぎて6つも食べてしまった私は、翌朝お腹を壊したのだった。アホすぎる。朝、トイレにこもってチェックアウトが予定より遅くなったものの、挙式当日の花嫁なんてスッピンだし、何もかもしてもらうだけなので、私がテンパっているのは別に問題ない。
Hリゾートのあれやこれやには小さな不満はいっぱいあるけど、それでも、やっぱりあの会場が良くて、私はきっと、また選び直せてもあの場所を選ぶのだと思う。華美ではない木の教会に、緑越しに差し込む光がとても美しかった。
宿泊ホテルを出る時、外は雨が上がろうとしていた。そして、挙式当日は曇りで、入場の時には私の後ろから光が射して、それでなんだか泣けてしまったと友人が言っていた。前撮りの時にカメラマンさんが教えてくれたが、屋外写真は曇りが一番綺麗に映るそうだ。その言葉通り、緑の中で撮った写真は美しくて、憧れていた写真が何枚も残った。
終わってみて
小さな後悔はたくさんあって、後になって憂鬱になったこともあった。それでもやはり1年とか経つと痛みはもう無くて、やって良かったという柔らかい気持ちになる。もっとシンプルに楽しめたら良かったなとも思うけど、自分だから、まあテンパってしまうのもしょうがないかな、と妙に納得している。
これから結婚式をする人にお伝えしておきたい小さなことを2つだけ。
1.カメラマンさんへの写真指示は具体的に。雰囲気だけじゃダメ!
私はこれが一番後悔したポイントだった。うまく伝わっていなくて、撮って欲しい場所で、撮ってもらうことができなかった。当日「ここでバックスタイルを撮ってください!」って食い下がったのに、カメラマンさんもテンパっていたのか、無理です、と言って撮ってくれなかった。今はインスタで卒嫁さんの写真とかいっぱい出ているから、「このスポットで、ベールオフでバックスタイル撮る」とか、前もって指示しておく必要があった。カメラマンさんとのコミュニケーションは難しい・・
2.美肌補正は迷ったら付けた方が良さそう
3万円ぐらいかかるアルバムの美肌補正、正直、画像データ上は顕著な違いもわからず、不要かなと思っていた。でも、できあがったアルバムを見ると、印刷は思ったほど明るく無かったので、美肌補正しておいたことで見栄えが良くなった。悩むなら付けておいた方が良いなと思った。
何歳になっても、着たかったら着よう!
結婚式は、もはや狂乱の宴だった。事前準備もお金もたっぷりかかる。それ以上に、アラフィフが結婚式をやるのは(私にとっては)メンタルのアップダウンがキツかった。経済合理性は全然無いと言っても過言ではない。
それでも、やって良かったと思う。
家族もとても喜んでくれた。ごく少数招いた友人たちも、遠路はるばる着て、心から祝ってくれた。
何歳だって、今日が残りの人生で一番若い時だ。そして、運命の伴侶に出会う年齢なんて、出会ってみなけりゃわからない。
大好きな夫と、結婚式ができて、良かった。