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【レビュー】 安定性と滑らかな操作性を備えた雲台と三脚 『Libec NX-100MC』

みなさんこんにちは、ソライトです。
今回は平和精機工業さんから発売されている「Libec NX-100MC(三脚と雲台のセット)」についての概要や使用感を共有したいと思います。




Libec NX-100MC -雲台と三脚の概要-


 今回共有するカメラ機材は『平和精機工業さんから発売されている「Libec NX-100MC」』という、雲台と三脚のセットの製品になります。

雲台が「NH10」、三脚が「RT20C」というモデルで、この雲台と三脚をセットで販売しているものが「Libec NX-100MC」です。発売されたのは2020年11月で、約4年前に発売されたものになります。※三脚と雲台は別々でも購入できます。

三脚の足元から雲台の天辺までの高さは、縮長時が80センチで、伸長時は167センチ、そして雲台と三脚を合わせた重量は3.8kgです。雲台単体の重量は1.8kgで最大搭載重量は4kg、三脚単体の重量は1.6kgで最大搭載重量は25kgになっています。三脚の脚を固定し、安定性を増すための「スプレッダー」を付けると、三脚の重量が2.0kgになります。ちなみに雲台は「NH30」というタイプもあって、そちらは最大搭載重量10kgになります。※三脚も別のタイプがあります。

三脚と雲台の主な仕様のまとめ↓↓↓
▼高さ
・縮長時(足元から雲台の天辺まで):80センチ
・伸長時:167センチ
▼重量
・三脚と雲台の合計重量:3.8kg
・雲台(NH10)単体の重量:1.8kg
 (雲台の最大搭載重量:4kg
・三脚(RT20C)単体の重量:1.6kg
 (三脚の最大搭載重量:25kg
・スプレッダー装着時の三脚重量:2.0kg
 (スプレッダーは三脚の脚を固定し、安定性を増すためのものです。)
▼別のオプション
・雲台「NH30」:1.8kg
 (雲台の最大搭載重量:10kg)※三脚も別のタイプがあります。

僕が持っている機材を例に、重量がどれくらいなのか挙げてみるので、ぜひ参考にしてみてください。

機材↓↓↓
・レンズ(SONY FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS):2,115g
・テレコン(1.4X):167g
・カメラが約650g(Sony a7iii バッテリーとメモリーカードを含む)

合わせて2,932gなので、このセットでは最大搭載重量の4kgのNH10でも大丈夫です。

また、プラスでマイクを付けることも可能ですし、他のアクセサリーも付けることも可能だと思います。さらに大きく重いカメラやアクセサリーを使う予定の方や不安な方は、最大搭載量が10kgのNH30を選ぶと良いのかなと思います。


Libec NX-100MC -各部の機能と特徴-

 ここから三脚と雲台の各部の機能と特徴を共有していきたいと思います。


RT20C(三脚)各部の詳細

 もともとLibec NX-100MCはビデオ撮影用途で使われることが多いみたいでその為か多くの方が使っているであろう三脚の足元と少し違う仕様になっています。

安定感を出すために底面がフラットなフットパッドが付いています。室内やフラットな地面で適していますし、床面の傷つき防止にもなりますね。
フットパッドは多少可動するので、フラットな地面では無い時にも安定します。
フットパッドを外すとこんな感じです。部位の名称としてこの部分が「石突Assy」と記載してあったのでフットパッドを外して石突きとして、砂場、土、芝生などの地面に食い込ませて安定して使える感じですが、基本的にフットパッドをつけておいたほうが、この部位の傷や破損防止の為にも良さそうです。
フットパッドの取り外しは工具も必要なく簡単に取り外しが可能です。
砂場での使用イメージ(※写真の場所は完全な砂場では無く、砂利道に厚さ2センチぐらいの砂が積もっているところでの使用感なのであくまでもイメージとして参考にしてもらえると嬉しいです。)


ミッドスプレッダー

スプレッダーとは三脚の間に付けるもので、これによって三脚がより安定するようになります。
ちなみに三脚中央に付けるのはミッドスプレッダーで、足元に付けるのはグランドスプレッダーとなります。グランドスプレッダーは地面に触れるので凹凸のある場所での使用を考えるとミッドスプレッダーが良いと思います。
ミッドスプレッダーは屋外用として、グランドスプレッダーは室内用やフラットな地面で使用すると考えて選ぶといいのかなと思います。

※三脚の足はスプレッダーが無いと固定できないのでスプレッダーは必須です。
三脚は根本から一本の足が出ているタイプでは無く、2本の足があってその下が1本の足となっています。
これによって安定性がより増すようになっています。
「Libec NX-100MC(167センチ)」と「SLIK ライトカーボン E83 3段(147.5センチ)」の比較


NH10(雲台)各部の詳細

 雲台下部はボールを半分に切った丸い形状(ハーフボール)になっていて、それをRT20C(三脚)の同じくボール状に窪みがある部分と合わせ、そして下からネジ付きの取っ手を回して取り付けます。

これの良い点としては水平では無い場所に三脚を立てた時に三脚の足を伸び縮みさせずに「取っ手」を動かすことで簡単に水平が取れます。

雲台下にある取っ手を動かします。
LED付きの水平器が付いています。


カメラの取り付け方法

①:カメラを雲台に付ける時は上からはめ込むだけで、取り外す時は①の部分を前に押し出しながらカメラを外すします。
②:②の部分を回してカメラを固定します。固定し忘れた時にカメラが滑り落ちないような機構になっています。
③:良いなと思った点として、③の部分がストッパーになっているので締めすぎないで固定することができます。僕なんかはこのタイプではないものだと緩んでしまうんではないかと思い、いつも締めすぎてしまうんですが、ストッパーがあるので気持ち的に楽です。


動きの固定と解除

①:レバーを動かすことでカメラの「上下の動き(チルト)」を固定したり解除したりできます。
②:②の部分は「左右の動き(パン)」を固定したり解除したりできます。


動きの調整

①:ダイヤルを回すことで上下の動きの重さを変えられます。
②:ダイヤルを回すことで左右の動きの重さを変えられます。
③:カウンターバランスの強弱をダイヤルを回すことで変えられます。(5段階調整できます。僕の持っている機材では5で丁度いいです。)


ハンドルの調整

①:雲台を操作するハンドルの付け根はギザギザなので、しっかりと固定でき、角度も変えられます。

それと雲台は「デュアルヘッド」というタイプになっていて、ハーフボール仕様では無い三脚にも取り付けることができます。

他の三脚に取り付けた例
三脚:SLIK ライトカーボン E83 3段


実際の使用感

 ビデオ雲台は今回が初めてなので他の雲台との比較はできないんですが、今まで通常の雲台と三脚を使ってきて初めてビデオ雲台を使ってみると、動きの滑らかさ、そしてカウンターバランスの素晴らしさに驚きました。

生き物相手の撮影だと動きを予測することが難しいのでどれだけ雲台がスムーズに動くかがカギだと思うんですが、その部分を見事にカバーしてくれます。

ツバメなどの動きが速い野鳥だとさすがに難しいと思う場面も距離によってはあるんですが、少し遠目にいたりすると追えることはできます。
(ツバメは基本手持ちがいいかもですね(笑))

トビのように飛び方がゆったりとした野鳥だと特に力を発揮して、野鳥の動きに合わせて簡単追うことができます。それこそ先日撮影したサシバの撮影ではこのスムーズさがあったので楽に追えることができました。
(真上に行った時にはさすがに無理でした(笑))

そしてカメラが傾くのを直し水平に保ってくれる機能のカウンターバランスがあるのでカメラを固定したり、手で支えたりせずに済むのがとても楽です。

カウンターバランスの無い通常の雲台だと、固定していたのを解除してから被写体を追従するのが、カウンターバランス付きだと解除する手間が省かれるので、すぐに被写体の追従が可能になることがとても良いです。

秒数にしたらほんの一瞬なんですが、動きの読めない生き物だとその一瞬が大事になってくるんですよね。

しかし、雲台と三脚とカメラを合わせた重量が7kg近くあって重いので持ち運んで使うのには少し適していないのかなと思います。
(※キャリングケースは付いています。)

それと通常の三脚の足が3本なのに対し棒が数本分多くてかさばるのも少し難点です。
そもそも頻繁に持ち運びする用に設計していないと思うので、撮影場所をある程度決めたらそこから基本は動かさないというようにするのが正しい使い方なのかなと実際のところは思います。

僕自身が今まで使っていた2〜3万円台の三脚からすると、Libec NX-100MCは8万〜10万円という価格になるので、倍以上値段が高いというのも少しキツイなと思いましたが、値段以上の性能を撮影時に発揮してくれているので、買ってよかったなと思っています。

壊れたり、さらに重い機材を使うことのない限りは今後ずっと使っていく機材になるのではないかなと思います。



 今回は雲台と三脚がセットのLibec NX-100MCについて共有させてもらいました。
新たに三脚を買おうと思っている方の参考になれば幸いです。

ちなみに今回紹介した雲台と三脚以外もあるのでホームページで確認してみて、自分の用途に適した製品を探してみてください。

・Libec公式サイト:https://www.libec.co.jp

・NX-100MCの製品情報:https://www.libec.co.jp/products/nx/NX-100MC



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